週末の動きから読みとくBTC(ビットコイン)

Daily Market Report 2022/5/16

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これまでの値動き

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2022/1/10から現在までのBTC/JPY 日足 Bidチャートに前回のレポート(Daily Market Report 2022/5/10「BTC(ビットコイン)は保ち合いを下放れ。RSIは売られ過ぎを示唆しているが…」参照)で設定した抵抗線を示したものである。

黄色線①は3/7の安値414万円の水平ライン、黄色線②は2/24の安値378万円の水平ラインであるが、設定したいずれの抵抗線も突破した上で現在は黄色線②上でもみ合っている格好となる。

まず、今週の値動きを振り返ってみるとUST(テラUSD)、LUNA(テラ)に関連して暗号資産市場全体が急落、BTC/JPYに関しては5/12に安値328万円を付けたのち、5/13に高値399万円まで戻したが現在380万円台をさまよう形である。

本稿では、前回設定した下落シナリオが進行したという前提のもと、今後の値動きを考察する。

週末の値動きはレンジ相場を示唆

BTC/JPY 一時間足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

週末の値動きは一方向に勢いのある動きはなく、金曜日(5/13)の高値399万円と安値361万円を上限下限としたレンジで推移した。週末は平日に比べて穏やかな値動きをする場合が多いことを考慮しても、UST、LUNA関連の材料は一旦出尽くした可能性もある。

とはいえ、米国の利上げなど相場環境自体は改善されたとはいえず、上にも下にも方向感がないとも考えられるだろう。そのため、新たな材料が出るまでの間は黄色線②の378万円を中心とし、金曜日(5/13)の高値安値を上限下限としたレンジ相場を想定してみたい。

ただし、UST、LUNA関連の話題の再燃、米国株式市場の影響が波及することも考えられるなど依然として注視が必要と思われる環境のため、このレンジを超えた場合の安値目処と高値目処も合わせて考察する。

<安値目処>

BTC/JPY 週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、BTC/JPY 週足 Bidチャートに2021/5/17の安値315万円の水平線を示したものである。今回付けた安値328万円を週足上で確認してみると、円安の影響を加味しても黄色線③(315万円)の水準で下げ止まっていることが確認できる。

このことから5/12の安値328万円、また黄色線③の水準は今後も機能するであろうサポートラインとして採用したい。

<高値目処>

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、3/28の高値589万円を起点としたレジスタンスライン(赤線)、4/11の安値483万円を起点としたサポートライン(緑線)を示したものである

図に示したように3月からのダウントレンドを下にブレイクしたと考えると、ひとまずの高値目処はサポートライン(緑線、395~420万円)となろうか。

テクニカル(ボリンジャーバンド、RSI)

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、BTC/JPY 日足チャートにボリンジャーバンド(2.0.20,終値)、RSI(14.終値)を適用したものである。

ボリンジャーバンドを確認すると、バンドウォーク状態(バンドの上限下限に沿って価格が移動すること。強いトレンドを示唆するとされる)を抜け出したことが確認できる。

続いてRSI(買われすぎ、売られすぎを測る指標で、一般に75を超えると買われすぎ、25を下回ると売られすぎとされる)を確認してみると25付近と売られすぎを示唆する水準にある。

以上のことから、テクニカルの面では下落トレンドを抜け出し上昇の準備を始めている状態と考えることができようか。

まとめ(上昇シナリオ、下落シナリオ)

前述したように基本的にはレンジ相場を想定したいが、想定を超えた場合のシナリオは以下の通り。

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

<上昇シナリオ>

ⅰ ボリンジャーバンドを見ると下落トレンドを抜けたように思われること
ⅱ 安値目処とした黄色線③は一年以上破られていない安値であること

この2点が上昇シナリオの根拠となろうか。テクニカル面ではボリンジャーバンドはバンドウォークから抜け出し、RSIは25付近と売られすぎを示唆する水準となっている。

黄色線③がサポートとして強固であることもプラスの要因であろう。この場合の上値目処はサポートライン(緑線)となろうか。

<下落シナリオ>

ⅰ 下落トレンドの直後、もしくは只中にあると思われること
ⅱ ファンダメンタル要因が未知であること

この2点が下落シナリオの根拠となろうか。UST、LUNA関連が完全に沈静化したとは言い切れない上に、5/5からの下落幅を考えると、今後も下方向に圧力がかかっている状態と考えることができるだろう。この場合は、黄色線③の水準の攻防に注目しておきたい。

(5/16 午前1:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

5/15の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は3.90%、中央値は4.40%、標準偏差は3.55%となった。

最大上昇銘柄はXEM/JPY12.03%、最大下落銘柄はBCH/JPY-5.74%

最大上昇銘柄のXEM/JPYは12%と大きく上昇。高値8.027円をつけ、そのまま終値8.008円でクローズとなった。5/12に安値4.638円をつけたことを考えると堅調な値動きといえる。RSIが25付近と、売られすぎをを示していることから上昇の可能性がうかがえる。まずは年初来サポートラインとなっていた10円付近を目指したい。

最大下落銘柄のBCH/JPYは当社取り扱い銘柄の中で唯一下落。5/15 2:00頃からハードフォーク材料から上昇、7:00頃に高値30,235円をつけた。その後は振るわず推移し終値27,409円でクローズとなった。

ハードフォークという独自要因から他通貨との連動が切れた格好となったBCHだが、こちらのRSIも25付近と売られすぎを示唆する水準である。まずは3万円台への復帰を目指したいところだろう。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

5/15の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.39%、中央値は7.34%、標準偏差は2.95%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBCH/JPY16.07%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY6.00%となった。

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2022-05-16
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