サポートラインブレイクのXTZ(テゾス)、次のターゲットプライスは?

Daily Market Report 2022/5/11

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XTZ(テゾス)は、2021年10月に高値となる978円を付けてから、下落トレンドが継続している状況となる。

前回のレポート(Daily Market Report 2022/3/25「続落のXTZ(テゾス)、フィボナッチ50%水準回帰で上昇トレンド再開なるか?」参照)では、以下のシナリオを考察した。

・オシレーターとサポートラインからの反発による「上昇シナリオ」(ターゲットプライス443円)
・フィボナッチ戻し水準で再び強力なサポートラインへ戻す「下落シナリオ」(ターゲットプライス277円)

そして現在、280円付近を推移していることから、「下落シナリオ」で進行したと解釈することもできそうだ。

このレポートでは、その後の展開についてシナリオをアップデートしていく。

強力なサポートラインをブレイクした要因

XTZ/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XTZ(テゾス)のチャート・価格情報はこちら

上図は、XTZ/JPYの週足チャート(期間:2020/1/27~現在)である。

トレンドライン(①:週足チャートの2020/3/9の安値を起点とする白線で示したトレンドライン)をブレイクした要因は、以下の2つが考えられる。

  1. 米国の中央銀行による金利引き締め
  2. USTの価格が急落

1.米国の中央銀行による金利引き締め
5/4、米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.5%の大幅な利上げを発表。その影響でリスクオフモードが漂い下落したと考えられるだろう。

2.USTの価格が急落
5/9に決済や取引など幅広く用いられるUST(Terra USD)が急落し、ボラティリティが上昇した。このことから円滑な取引への支障をきたし、また暗号資産市場全体への懸念が広がったことが下落要因ではないかと推察できるだろう。

以上の2点から、XTZ/JPYは強力なサポートラインをブレイクしてきたと考える

今後の展開を想定する上で、引続きFOMCの動向や米国株の動きに暗号資産も影響を受けるであろうが、本日はテクニカルに注目してXTZの上下シナリオを分析してみる。

<上昇シナリオ>ターゲットプライスは、307円と545円か?

上:XTZ/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
下:スローストキャスティクス(14,3,3)

上図は、XTZ/JPYの週足チャート(期間:2020/1/27~現在)に2021/10/4週の高値と2022/1/24の安値を結んで描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメント一目均衡表(9,26,52)の雲およびボリンジャーバンド(±2σ)、スローストキャスティクス(14,3,3)を反映させたものである。

上昇シナリオのポイントは次の3つである。

  1. スローストキャスティクスが売られすぎ水準
  2. フィボナッチ・リトレースメント0.0%水準、ボリンジャーバンド下限
  3. ターゲットプライスは①307.5円 ②545.0円

1.スローストキャスティクスが売られすぎ水準
売られすぎ買われすぎの水準を表すスローストキャスティクスが25付近に位置している(上図白丸部分)ことから、買い戻しが入り上昇に転ずる可能性もあると推測することができよう。

2.フィボナッチ・リトレースメント0.0%水準、ボリンジャーバンド下限
現在XTZの価格はフィボナッチ・リトレースメント0.0%水準とボリンジャーバンドの下限(-2σ)が重なったところに位置している。反発上昇する可能性も考えられるのではないだろうか。

3.ターゲットプライスは①307.5円 ②545.0円
以上2点から上昇となった場合、ターゲットプライスを①307.5円②545.0円と設定する。ターゲットプライス①307.5円はサポートラインの回帰を目指す展開を想定した。

そしてその後、②545.0円を目指すことを想定した。この②545.0円をターゲットプライスとした理由は、フィボナッチ・リトレースメントで意識されやすいといわれている38.2%付近であることと、一目均衡表の雲下限であるからである。

しかし、日足目線にすると下落が続く可能性も出てこようか。

<下落シナリオ>ターゲットプライスの221円で反発なるか?

XTZ/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、XTZ/JPYの日足チャート(期間:2020/11/20~現在)に単純移動平均線(25日、75日、200日)を反映させたものである。

下落シナリオのポイントは次の3つである。

  1. サポートラインがレジスタンスライン
  2. 移動平均線(25日、75日、200日)
  3. ターゲットプライスは①221.703円 ②154.078円 ③91.315円

1.サポートラインがレジスタンスラインへ
相場においてサポートラインやレジスタンスラインなどがブレイクされると次は逆の機能に働きやすいとされている。このことから上図の白ラインはサポートラインからレジスタンスラインへとして機能するのではないかと推測できよう。

そうなった場合、上昇ではなく下落の要因として挙げることができるのではないだろうか。

2.移動平均線(25日、75日、200日)
移動平均線(25日、75日、200日)3本が順に下向きになっており、パーフェクトオーダーが形成している。このことから日足目線では下落が続くのはないかと考えるだろう。

また、75日移動平均線においてグランビルの法則(※)となっている点も着目したいところだろう(上図白丸部分)。
※グランビルの法則とは単純移動平均線と価格の乖離や位置関係などから、相場の方向を分析するために使用するテクニカル分析の一種。主に8つのチャートパターンから成る。

3.ターゲットプライスは①221.703円 ②154.078円 ③91.315円
以上2点から下落となった場合のターゲットプライスはそれぞれサポートラインで反発している点である①221.703円②154.078円③91.315円と設定する。

上昇、下落のいずれにしても白ラインの機能がポイントとなりそうだ。

(5/10 午後10:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

5/10の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-1.32%、中央値は-1.61%、標準偏差は2.87%となった。

最大上昇銘柄はXYM/JPY6.66%、最大下落銘柄はOMG/JPY-4.41%

最大上昇銘柄のXYM/JPYは急伸。11.296円(日足一目均衡表・転換線、日足5日移動平均付近)で引け、日足14日RSIが50%(中立水準)まで戻した。

最大下落銘柄のOMG/JPYは、360円(ピボットポイント・S1付近)で反発したものの、417円(ピボットポイント付近)が足かせとなり下落。日足14日RSIは売られ過ぎ圏(30%以下)に留まった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

5/10の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は17.22%、中央値は16.38%、標準偏差は4.04%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXYM/JPY25.45%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY10.45%となった。

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2022-05-11
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