BTC(ビットコイン)は保ち合いを下放れ。RSIは売られ過ぎを示唆しているが…

Daily Market Report 2022/5/10

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これまでの値動き

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2021年12/9から現在までのBTC/JPY 日足チャートに3/28の高値を起点としたレジスタンスライン(赤線)、1/24の安値を起点としたサポートライン(緑線)を示したものである。

今年の値動きを図表に則って振り返ると、2021年12月からの下落が1/24に安値368万円で止まった後、2/24のロシアによるウクライナへの軍事作戦の展開を挟みつつ、USD/JPYとナスダックの上昇に伴う形で高値596万円をつけた。

その後、500万円台を中心とした保ち合いが続いた後5/5の下落によってサポートラインを下にブレイクした格好となる。

本稿ではこうした相場環境のもと今後のBTC/JPYの値動きを考察する。

直近の値動きはダウントレンドを示唆

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2021年12/9から現在までのBTC/JPY 日足チャートに3/28の高値589万円を起点としたレジスタンスライン(赤線)、4/11の安値483万円を起点としたサポートライン(緑線)を示したものである。

4月以降の値動きを確認すると、図で示したようにレジスタンスライン(赤線)に上値を抑えられる形でサポートライン(緑線)に添いながら下値を模索する動きをしているように思える。

そのような前提のもと今後の値動きを考えるうえで重要と思われるラインを書き加えた図が以下である。

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

①3/7の安値414万円の水平ライン
②2/24の安値378万円の水平ライン

ダウントレンドにあるという想定のもと考えたいのが下値の目処であるが、今回は過去の安値を用いて考えてみたい。

黄色線①は、3月の安値であり、これを下回るということは3月の上昇分をすべてはき出す形となる。ダウントレンドにある想定とはいえ、この水準まで下がった場合には反発することも視野に入れておきたい。

黄色線②は、ロシアによるウクライナへの軍事作戦の展開が発表された当日につけた安値である。

地政学的リスクへの反応として値動きを考えると、2月の中旬頃から侵攻の可能性が各方面から指摘されるなど徐々に織り込まれつつはあったリスクだが、それでもやはり2/21の親ロシア派武装勢力の占領地域の独立承認を表明したプーチン大統領の演説は、世界に衝撃を与えた。

そうしたサプライズを急速に織り込んだ結果つけた安値である点を考えると、この水準に到達するにはある程度の売り圧力が必要と考えられようか

テクニカル(ボリンジャーバンド、RSI)

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、昨年12/9から現在までのBTC/JPY 日足チャートにボリンジャーバンド(2.0.20,終値)、RSI(14.終値)を適用したものである。

ライン分析に加えて、現在の値動きをテクニカルの面から考えたい。

ボリンジャーバンドは下限にタッチしながら下落方向に移動している。これはバンドウォークと呼ばれる状態で、移動している方向に安定したトレンドとなることが多いとされる。今回は下方向へのトレンドを示唆すると言えようか。とはいえ、下限がサポートとなって反発することも考えられるだろう。

RSI(買われすぎ、売られすぎを測る指標で、一般に75を超えると買われすぎ、25を下回ると売られすぎとされる)の水準は25付近とやや売られすぎとも言える水準か

過去の局面では4/11の下落時には25を下回り、その後値を戻すに連れて50付近まで復帰したこともあり、今後の水準を測る上で一定の目安となるかもしれない。

まとめ(上昇シナリオ、下落シナリオ)

これまでのライン分析、テクニカル分析で考察した価格帯を踏まえた上昇・下落各シナリオは以下の通り。

<上昇シナリオ>

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

ⅰ 安値目処として機能すると考えられる黄色線①が近くにあること
ⅱ ボリンジャーバンドの下限で反発を期待できること
ⅲ RSIの水準が25付近とやや売られすぎな水準であること

これらが上昇シナリオを支えるポイントとなろうか。テクニカル面ではボリンジャーバンドは下限で推移し、RSIは売られすぎであることを示唆する形となっており、価格帯の面ではひとつの水準となる3月安値が近いこともあり、一転上昇し再び500万円を上回る可能性も考えられる

もし上昇に転じた場合に注目したいのは、サポートライン(緑線)で足場を固められるか、そのままレジスタンスライン(赤線)を突破できるかであろう。

<下落シナリオ>

ⅰ 現在下落トレンドにあると思われること
ⅱ サポートライン(緑色)を割ったこと
ⅲ ボリンジャーバンドが下限でバンドウォークの状態にあること

この3点が下落シナリオを支えるポイントとなろうか。テクニカル面では上述した通り、売られすぎの域に達しているようにも思えるが、3月の高値を基準としたダウントレンドの只中にあるように思える点と、そのトレンドの下限として設定したサポートライン(緑色)を割ったことから下を目指す展開を想定したい。

その場合に目処となるのは黄色線①(=414万円)②(=378万円)で示した価格帯となろうか。直近では黄色線①が近いこともあり、この水準での攻防は注目したいポイントであろう

(5/10 午前0:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

5/9の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-14.08%、中央値は-13.50%、標準偏差は4.64%となった。

最小下落銘柄はXYM/JPY-5.53%、最大下落銘柄はXEM/JPY-24.55%

最小下落銘柄のXYM/JPYは、5日続落。昨日に引き続き10円を割り込んだまま、高値9.898円を付けたが9.189円でクローズとなった。だが、BTC/JPYの下落の影響は比較的軽微だったように思える。

最大下落銘柄のXEM/JPYは、10円台を大きく割り込み安値7.477円を付けた後、そのまま7.622円でクローズ。全体的な下落の影響を大きく受けた格好となる。日足のRSI(14,終値)は25付近と売られすぎを示唆する水準であるため、まずは短期の反発の可能性も視野に入れておきたい。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

5/9の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は19.42%、中央値は20.55%、標準偏差は5.56%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPY30.34%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXYM/JPY9.66%となった。

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2022-05-10
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