ETH(イーサリアム)、長期チャネルによる上昇は続くか?

Daily Market Report 2022/4/27

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日足レベルでは長期上昇トレンドを形成

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
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上図は、ETH/JPYの日足チャート(去年8月~執筆時点)である。

年初来からのETH(イーサリアム)の値動きは、今年1月に年初来安値Ⅰ(24,000円付近)を付けたのち、順調に高値の更新(高値Ⅱ・高値Ⅳ)しつつ、安値(安値Ⅰ・安値Ⅲ)を切り上げ、きれいな上昇のトレンドを形成している。

直近の値動きとしては、今月頭に高値Ⅳ(44,000円付近)を付けたのち、中期ではやや調整がはいっている動きとなっている。

ここから前回安値Ⅲ(28,000円付近)を切り上げて、上昇トレンドが継続するかどうかに市場の売買の思惑が交錯しているといえよう。

今後のETH/JPYの価格推移シナリオを考えるうえで、ラインを以下の通り設定する。

  • 水平ラインC(2021/9、2022/4の高値を結んだライン)
  • ラインA(2021/11の史上最高値から前回高値Ⅳを結んだライン)
  • チャネルB(安値Ⅰ・高値Ⅱ・安値Ⅲ・高値Ⅳを元に形成されるチャネルライン)

以上を踏まえたうえで、4時間足の相場環境を考えていこう。

4時間足レベルでは依然として短期的な下落継続か

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上図は、ETH/JPYのチャートを4時間足に落としたものだ。

上図では、4時間足目線で引けるラインとして、チャネルラインD(高値Ⅳ・安値Ⅴ・高値Ⅵを元に形成されるチャネル)を描画した。

直近のETH/JPYの値動きを振り返ると、今月12日に安値Ⅴ(36,500円付近)から上昇に転じたが、高値IV(40,000円付近)ではチャネルD内に再び上値を抑えられ、足元では安値Ⅴを下抜けた価格推移をしている。

ダウ理論(※)の観点で値動きを見ると、下落トレンドの定義となる高値の切り下げ、安値の更新が確認でき、依然として売り勢力の強い相場環境を形成している。
(※)ダウ理論:相場の値動きの特徴を「6つの基本法則」で説明するテクニカル分析の理論。(大和証券より引用:https://www.daiwa.jp/glossary/YST2245.html)

そして、ダウ理論による相場形成が継続すると、4時間足での短期的な下落トレンドは継続し、今後は安値Ⅶ(34,500円付近)を目指す展開となりそうだ。

次に長期チャネルBを基準として上昇シナリオ、短期チャネルDを基準としたシナリオについて考察する。

〈シナリオ1〉長期チャネルBを意識しつつ上昇に転じる。

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上図は、ETH/JPYの4時間足チャートに〈シナリオ1〉の価格推移を描画したものだ。

〈シナリオ1〉は長期上昇チャネルBが機能して反発上昇となり、チャネルB上限を目指す展開である。

チャネルBは2021/1から続く長期的なトレンドであるため、チャネルBの下限に近づくほど長期のトレーダーは買いを意識しやすく、相場が反転する可能性は大いにありうるといえるだろう。

最初の目標となるのは、高値IVをピークとした下落チャネルDの上限であろうか。このチャネルDを上方ブレイクできれば、4月以降の下降トレンドは終了と捉えられるかもしれない。

その後は、チャネルB上限到達をターゲットとできそうだが、ラインAや水平ラインCといった抵抗勢力も出てくるため、こうした節目では短期的に反落することにも注意したいところだ。

水平ラインCを難なく突破できれば、史上最高値(約55万円)も再び視野に入ってこようか。

〈シナリオ2〉長期チャネルBを無視し下落トレンド継続。

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上図は、ETH/JPYの4時間足チャートに〈シナリオ2〉の価格推移を描画したものだ。

〈シナリオ2〉はチャネルBの長期上昇トレンドラインが機能せず、チャネルBを下抜けて推移する展開である。

現在、ロシアとウクライナの戦争状態による地政学的リスクや、米FRB(連邦準備理事会)の資産縮小、利上げなどマイナスとなりうる要素が存在する相場環境であり、リスクオフが一段と進む可能性も十分あるといえよう。

チャネルDの下限ラインでは底入れとなる可能性もあるが、チャネルDを下回った場合はチャネルBにて踏みとどまれるかがポイントとなるだろう。

仮にチャネルBも下方ブレイクすると、1年以上続いている長期の上昇トレンドの終了となり、今年2月末に付けた安値Ⅲ(約28.2万円)が見えてくる。

リスク性資産に対する売り圧力が更に強まれば、年初来安値Ⅰ(約24.6万円)も視野に入ってくるだろうか。

(4/27 午前6:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

4/26の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-6.03%、中央値は-6.02%、標準偏差は1.62%となった。

最小下落銘柄はMONA/JPY-2.59%、最大下落銘柄はOMG/JPY-9.07%

最小下落銘柄のMONA/JPYは、OMG/JPYと同じく下落のトレンドを形成しているが、今年の2月につけた安値108円ラインでいったん止められたような印象だ。

最大下落銘柄のOMG/JPYは、下落のトレンドを形成しており、昨日の高値を戻り高値として再度強く売り込まれたような形だ。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

4/26の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は10.01%、中央値は9.42%、標準偏差は1.77%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY13.17%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXTZ/JPY7.76%となった。

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2022-04-27
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