QTUM(クアンタム)、一目均衡表では下落傾向、一方RSIではダイバージェンス出現

Daily Market Report 2022/4/26

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年初来高値更新後は冴えない展開が続く

QTUM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、QTUM/JPYの日足チャート(年初来~執筆時点)である。

年初からのQTUM/JPYは日足一目均衡表・雲下限の水準が上値抵抗となり、750円を中心に据えた±250円幅で方向感のない値動きを続けている。

そうした中、3月中旬に雲を上抜けし三役好転が成立したことをきっかけに上昇に弾みが付くと、3/30かけて力強い上昇を描き年初来高値を更新し一時1,144円まで上昇した。

年初来高値を更新したものの価格水準は維持できず、その後2度にわたって200日移動平均線に上値を阻まれ上値の重さを意識させる値動きとなった。

執筆時点では、3月中旬の上昇分をほぼ吐き出した上に、一目均衡表において三役逆転が成立し、目先は下値拡大に警戒が必要なチャート形状へ変化してきている印象を受ける。

それに加えて、足元のファンダメンタルズ面では、米国の金融引締がこれまでの想定よりも急速なペースになる可能性が浮上し、経済成長鈍化への警戒感や、ロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクが長期化していることなどで、株式を始めとしたリスク資産を敬遠する動きが拡がりつつある。

こうした動きはデジタルゴールドとも呼ばれるBTC(ビットコイン)にも影響を与え、価格は下落傾向が見られる。また、より投機的側面の強いアルトコイン銘柄であればなおさら売りが強まりやすい環境に変化していく可能性もありそうだ。

以下、テクニカル面からQTUM/JPYの上下のシナリオについて整理する。

<下落シナリオ>500円が最終防衛線、割り込めば長期低迷へ

QTUM/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2020/12から現在までのQTUM/JPYの週足チャートに、長期の値動きを確認するため、フィボナッチ・リトレースメント(5/3週-6/21週下落)を描画したチャートである。

QTUM/JPYは冒頭で触れた通り、日足一目均衡表では三役逆転が成立したこと、200日移動平均線が上値抵抗となり、日足ベースでは上値の重さが意識されるチャート形状といえる。

加えて長期的な値動きを確認すると、2021年5月の急落後、同年11月には半値戻し水準まで反発したものの、その後現在に至る半年程度は23.6%戻し水準(1,192.12円)が抵抗として意識される値動きとなっていることを読み取ることができる。

直近3月の上昇の際には23.6%水準手前で反落しており、上値の重さを改めて確認したと言えそうだ。

ここから上値を切り下げる動きが先行する場合、まずは心理的節目である500円や、直近安値水準である2021/6/21週安値の448.93円が意識されることとなろうか。

前述の水準を割り込むと、サポート帯を探るのに2021年5月の急騰前の水準まで遡る必要が出てくるだろう。

そうなると、低迷期の価格水準へ視線が移ることとなり、参加者の弱気ムードが一層高まる可能性もある。

この場合、2020年の中心的な価格帯である、200円台までの下落も視野に入れる必要がありそうだ。

<上昇シナリオ>RSIのコンバージェンスが転換の合図か

QTUM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2022年2月から現在までの日足チャートにRSIを表示したものである。

前述の下落シナリオでは一目均衡表を重視したが、RSIとローソク足の形状を確認すると以下の3点から、上昇シグナルが出ていると捉えることができそうだ。

  1. 日足RSIで売られすぎ水準(RSI=30)から脱却。
  2. 日足RSIでダイバージェンス(コンバージェンス)が発生。(上図 青矢印)
  3. 日足ローソク足でカラカサと呼ばれる、実体が小さく下ヒゲの長い陽線が出現。

まずRSIでは、ダイバージェンス(価格とオシレーター系指標の推移する方向が逆行する状態)が発生すると、一般的にトレンドが転換する傾向がある。

直近では上図のX領域でダイバージェンスが発生しており、それまでの上昇傾向が否定され、直近安値付近まで下げ足を早めていることが確認できる。

現在RSIが売られすぎ水準から脱却したことと合わせ、水準訂正へとベクトルが向く可能性もあるだろう。

次に、ローソク足の形状に関してであるが、下ヒゲの長いカラカサと呼ばれる形状を描いている。

下ヒゲとなるということは、一旦は下落したものの買い意欲が強く上昇に転じたことを表しており、買い傾向が強まる可能性を内包しているように見える。

直近半年程度で同様のローソク足が出現した際には、程度の差はあれどその後上昇に転じていることがわかる。(上図 上向き黄色三角形)

RSIの上昇シグナルと合わせて、反発局面入りとなる可能性も考えられそうだ。

反発となる場合、直近高値である4/21の917円を超えることが出来るかをまず確認したい。

ここをクリアすることで反発に弾みがつきそうで、3/30高値1,144円を睨んだ上昇相場入りとなることも考えられるだろう。

3/30高値もしっかりと上抜けできれば、2021年11月から12月にかけてのサポートラインでもあった、節目の1,500円が次のターゲットプライスとなりそうだ。

(4/26 午前6:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

4/25の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.87%、中央値は-1.06%、標準偏差は1.50%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPY1.80%、最大下落銘柄はXYM/JPY-3.92%

最大上昇銘柄のETH/JPYは、一目均衡表雲上限で下値がサポートされた。直近安値である36万円台を割り込む場面も見られたものの、滞空時間は短く下値の堅さを確認すると、欧州時間からNY時間は力強く上昇した。

日足一目均衡表では雲中へ突入したものの、終値では雲上限以上の水準を維持しており、下値での買い意欲が垣間見える。

最大下落銘柄のXYM/JPYは、5営業日連続の陰線となった。4/20に極端上ヒゲの長い陽線を描いたあとは売りが先行している。

4月の安値を更新しながらも終値では13円手前まで反発しており、安値付近での底堅さが伺える。その一方、陰線が連続していることで上値の重さは意識されるところと言え、底抜けへの警戒感も燻る状況だろう。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

4/25の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.33%、中央値は8.71%、標準偏差は1.47%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY10.58%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBCH/JPY5.75%となった。

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2022-04-26
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