大型アップグレードをリリースしたLTC(ライトコイン)、下げ渋りから反転も?
Daily Market Report 2022/4/22
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・昨年11月高値から1/3以下になるも下げ渋り
LTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、LTC/JPYの日足チャート(期間:2021/11/2~現在)である。
LTC/JPYは昨年11/10に32,931.7円の高値をつけてから軟調な展開が続き、今年2/24には10,206.9円の安値をつけ、11月高値から3分の1以下の価格水準となった。
一方で、足元においては1月下旬から下げ渋りの様相をみせており、2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻時でも1万円を割ることはなかった。
底堅さの背景として挙げられるファンダメンタルズ要因はLTC/JPYのアップグレード「Litecoin Core 0.21.2」であろう(2/1 CoinPost)。
プライバシー機能を高める同アップグレードの発表は、LTC/JPYにとって久しぶりの材料だったこともあり、発表後から約10日間は上昇基調となった。
3月中旬には、LTC生みの親と知られるチャーリー・リー氏がLTC/JPYのアップグレードはまもなく完了すると報告し(3/18 CoinPost)、その後も価格の上昇が継続したことからも、この一件が価格の下支え要因だったとみることもできそうだ。
4月上旬は米国の金融引き締めや、ウクライナ戦争の長期化が市場参加者の手控え要因として意識されるなか、LTC/JPYも軟調な動きとなったが、12,670.6円と2月安値よりも高い価格帯で耐えた点には注目しておきたい。
次に、テクニカル分析の観点から現在の価格帯について考察する。
・反発なら「バット」の16,689.5円を回収する展開も
LTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図では、LTC/JPYの日足チャートにハーモニックパターン「バット」(※)を描画している。
※ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いて相場の転換点を探るテクニカル分析の一種。上図はコウモリが羽を広げている姿に似ていることから「バット」と呼ばれる。
バットの成立要件は、以下の4点となる。
・条件1.(B)は、(X)-(A)の38.2% – 50.0%リトレースメント(上図では41.8%(※))。
(※)(A)-(B)の値幅(3,056.7円)/(X)-(A)の値幅(7,316.7円)≒41.8%となる。
・条件2.(C)は、(A)-(B)の38.2% – 88.6%リトレースメント(上図では76.5%)。
・条件3.上値のターゲットプライスとなる(D)は、(X)-(A)の88.6%リトレースメント(上図では16,347円で83.9%となる)。
・条件4.(D)について、(B)-(C)の161.8%-261.8%プロジェクションとなる(上図の場合は231.9%(※))。
(※)(C)-(D)の値幅(5,422.5円)/(B)-(C)の値幅(2,338.2円)≒231.9%となる。
また、(D)が88.6%となる16,689.5円の場合は246.5%(※)。
(※)(C)-(D)の値幅(5764.1円)/(B)-(C)の値幅(2,338.2円)≒246.5%となる。
まず、条件1と条件2は満たしていると考えられる。
次に、条件3の(D)が83.9%(実績値)、88.6%(理想値)のいずれの場合でも条件4を満たしている。
また、「バット」が成立する場合は、①(C)から(D)にかけて上昇し、②(D)を天井に下落入りする値動きが考えられる。しかし、上図チャートでは3/28に理想値(16,689.5円)よりも341.6円安い、16,347.9円(83.9%)を高値として、翌日から約2週にわたって軟調な展開となったことから、値動きだけをみれば「バット」が成立していたといえるものの、理想値との-4.7%を誤差と捉えるべきかが問題となるだろう。
一方で、直近の反発による力強さを踏まえると、(D)の理想値である16,689.5円まで上昇する可能性も否定できないことから、16,689.5円を達成後に再び反落に向かうことで「バット」を回収に向かう可能性も想定しておきたい。
同様に、もう一点、考えられるパターンが存在する。
・「オルトバット」なら昨年12月末付近の価格帯も視野に
LTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図では、LTC/JPYの日足チャートにハーモニックパターン「オルトバット」(※)を描画している。なお、(X)点、(A)点、(B)点、(C)点に関しては、前述の「バット」と同一になる。
※オルトバット…前述の「バット」の派生形のため、「オルトバット」と呼ばれる。
オルトバットの特徴はターゲットプライスとなる(D)点が(X)点よりも遠い位置にあることで、上図では12月末水準の価格帯となっている。
オルトバットの成立要件は、以下の4点となる。
・条件1.(B)は、(X)-(A)の38.2%リトレースメント(上図では41.8%)。
・条件2.(C)は、(A)-(B)の38.2% – 88.6%リトレースメント(上図では76.5%)。
・条件3.上値のターゲットプライスとなる(D)は、(X)-(A)の113%エクステンション(上図では18,474円となる)。
・条件4.(D)について、(B)-(C)の161.8%-261.8%プロジェクションとなる(上図の場合は322.9%)。
ここで、条件1の(X)-(A)のリトレースメントの理想値38.2%に対して、結果41.8%(誤差+3.8%)の差分を誤差と捉えるかがポイントとなろう。
一方で、条件2~4は満たしていることから、「オルトバット」は想定しておきたいパターンともいえそうだ。
LTC/JPYが「オルトバット」である場合の値動きも「バット」と同様に①(C)から(D)にかけて上昇し、②(D)を天井に下落となることが見込まれるだろう。
直近のLTC/JPYの底堅さと、前述の「バット」を踏まえると、まずは「バット」の理想値である16,689.5円を視野とした上昇の可能性を想定し、16,689.5円を明確に抜けるようであれば、「オルトバット」の18,474.8円をターゲットプライスとするのも一つの方法かもしれない。
(4/21 午後6:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
4/21の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-2.28%、中央値は-2.30%、標準偏差は1.66%となった。
最大上昇銘柄はBAT/JPYの2.35%、最大下落銘柄はXYM/JPYの-4.53%。
最大上昇銘柄のBAT/JPYは、当社取り扱い銘柄の中で逆行高となった。
始値94.785円から午後7時台には高値103.235円と9%近い上昇を見せたもの、その後は相場全体の下落に連れ添う形で下落し、前日比+2.35%で終えた。
最大下落銘柄のXYM/JPYは反落。
20日には逆行高を見せたXYM/JPYだが、今日は一転して当社取り扱い銘柄中下げ幅がもっとも大きくなった。ただ、21日営業日中では14円台を推移しているため、数日前に比べると底硬い展開と言えるだろうか。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
4/21の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は7.57%、中央値は7.65%、標準偏差は1.71%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はQTUM/JPYで11.09%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXLM/JPYで4.85%となった。
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