ハードフォークを控えたBCH(ビットコインキャッシュ)、フィボナッチの127%水準の47,500円に注目

Daily Market Report 2022/4/18

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去年のハードフォークでは+170%の急騰

BCH/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2020年12月末を起点とするBCH/JPYの週足チャートである。

上図をみると、昨年4月の急騰が際立っていることが確認できる。上昇要因の一つに当時の暗号資産市場が堅調相場だったことが挙げられるが、BCH/JPY固有の材料として、当時の5月15日にハードフォークを控えていたことも見落とせないだろう。

結果、BCH/JPYは4月からの1ヶ月間で+289%のパフォーマンスを発揮した。

その後のBCH/JPYはハードフォークの材料消化と重なり、中国の規制強化やテスラ社のBTC決済延期を背景とした暗号資産市場全体の下落につられ、7月に一旦の安値(X)4.0万円をつけた。

7月から9月にかけては戻り基調で、(X)から(A)までに倍以上上昇したが、上値も重く、年後半に再び(X)に接近すると下値模索の展開となり、今年2月下旬にロシアによるウクライナ侵攻が発生すると2.8万円の安値をつけた(D)。

しかし、今年4月以降は安値(D)を下回ることなくBCHは堅調に推移している。その背景の一つとして、昨年5月のハードフォークに向けた上昇相場と同様に、5/15前後に控えている今回のハードフォークも材料視されているということも考えられるだろう。

昨年のハードフォーク前には大幅上昇となったが、今回はどこまで上値を伸ばしていけるか気になるところだ。

今回は、昨年7月から今年2月にかけての値動きがハーモニックパターン「バタフライ」(※)に近似していた点に着目し、同様の手法を用いて、今後の展開を考察する。
※ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いて相場の転換点を探るテクニカル分析の一種。上図は蝶が羽を広げている姿に似ていることから「バタフライ」と呼ばれる。

3月末の高値も「バタフライ」の127%に近似

BCH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

まず、直近のBCH/JPYの値動きについて、ハーモニックパターンを用いて、成立するか確認してみよう。

上図では、BCH/JPYの日足チャートにハーモニックパターン「バタフライ」を描画している。

バタフライの成立要件は、以下の4点となる。

条件1.(B)は、(X)-(A)の78.6%リトレースメント(上図では82.4%(※))
(※)(A)-(B)の値幅(11,249円)/(X)-(A)の値幅(13,648円)≒82.4%となる

・条件2.(C)は、(A)-(B)の38.2% – 88.6%リトレースメント(上図では80.0%)

条件3.上値のターゲットプライスとなる(D)は、(X)-(A)の127%リトレースメント(上図では47,594円で126.9%となる)

・条件4.(D)について、(B)-(C)の161.8%-261.8%プロジェクションとなる(上図の場合は192.4%(※))
(※)(C)-(D)の値幅(17,317円)/(B)-(C)の値幅(9,002円)≒192.3%となる

ここで、条件1の(X)-(A)のリトレースメントの理想値78.6%に対して、結果82.4%(誤差+3.8%)、条件3の127%に対しての126.9%の-0.1%の差分を誤差と捉えるかがポイントとなろう。

BCH/JPYが「バタフライ」である場合の値動きとしては、①(C)から(D)にかけて上昇し、②(D)を天井に下落となることが見込まれるだろう。

今回は126.9%とほぼ127%に近い価格から反落している事実を鑑みると、条件1の3.8%は誤差の範囲内と考えることもできようか。

次に、直近の値動きにハーモニックパターンを当てはめて、今後の展開を想定する。

5万円台前半まで続伸する場合のシナリオ

BCH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、BCH/JPYの日足チャート(2021/9~現在)でハーモニックパターン「ネンスター」(※)を描画している。

これは、現在のBCHが続伸するも、5万円半ばでは上値重く、反落するシナリオとなる。
※ネンスター…ハーモニックパターンの一種。複数ある同パターンの中で、上図の(C)>(A)や、(X)>(D)といった成立条件がある。

「ネンスター」の成立要件は以下4点となる。

・条件1.(B)は、(X)-(A)の38.2% –61.8%リトレースメント(上図では59.9%(※))
(※)(A)-(B)の値幅(11,725円)/(X)-(A)の値幅(19,564円)≒59.9%となる

・条件2.(C)は、(A)-(B)の113% – 141.4%エクステンション
⇒下限:(X)-(A)の値幅(19,564円)×113%=22,107を(X)に加算した50,137円
上限:(X)-(A)の値幅(19,564円)×141.4%=27,663を(X)に加算した55,693円
となる。

・条件3.(D)は下値のターゲットプライスで、(X)-(A)の127%リトレースメント(上図では22,747円となる)

・条件4.(D)について、(B)-(C)の127%-200%エクステンションとなる(上図の場合は192.4%(※))
(※)下限:(C)-(D)の値幅(27,390円)/(B)-(C)の値幅(14,268円)≒191.9%
上限:(C)-(D)の値幅(32,946円)/(B)-(C)の値幅(19,824円)≒166.2%となる

現在のBCH/JPYは「ネンスター」の条件1~4を全て満たしているとみてよいだろう。

その場合、BCH/JPYは続伸し、50,137円を上抜けるが、55,693円よりも低い価格で頭打ちとなり、反落。それぞれの直近安値となる(B)、(X)も下抜けて(D)点で反発するシナリオとなる。

一方で、例えば上値が50,137円に届かないまま反落する場合や、55,693円を上抜ける場合は「ネンスター」は成立しないだろう。その場合は、上述のようなシナリオとはならないことにも注意しておきたい。

(4/18 午前4:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

4/17の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-1.18%、中央値は-1.23%、標準偏差は0.79%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPY0.15%、最大下落銘柄はXYM/JPY-2.94%

最大上昇銘柄のETH/JPYは、3日続伸し、当社取り扱い銘柄の中で逆行高となった。

ETH/JPYは4/13にコンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSへ移行する「The Merge」の実施が22年後半となることが発表された(4/14 CoinPost)。

発表翌日は利益確定売りに押され、発表時の上げ幅を打ち消したものの、直近3日間は再び下値を切り上げており、PoS移行の期待感に買い支えられているようだ。

最大下落銘柄のXYM/JPYは反落。

XYM/JPYは3月末から4月上旬にかけて下落基調だったが、12日の反発を経てからは、下げ止まりの様相を見せつつも方向感に乏しい展開となっている。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

4/17の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は3.69%、中央値は3.91%、標準偏差は0.81%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXTZ/JPY4.98%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はETH/JPY1.92%となった。

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2022-04-18
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