ETC(イーサクラシック)はアノマリー的に4月に強く上昇傾向あり!
Daily Market Report 2022/4/13
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・価格急伸の背景は中身のない投機的な値動きか。
CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
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上図は、2022/1/1から執筆時点までのETC/JPY(イーサクラシック)の出来高(棒グラフ)と終値(折れ線グラフ)を表したものである。
年初からのETC/JPYの値動きは、500億円程度の出来高を維持しながら2,000円台半ばから4,000円手前で方向感の定まらない動きをしていた。
しかし、3月下旬に突如として出来高が4,000億円超まで急増し、価格は一時2021年11月以来の水準である6,000円台まで上昇した。
この背景の一つとして、3月下旬に米国株のAMCやゲームストップなど、いわゆるミーム銘柄(※)の取引が活発化した(3/24 Reuters)ことが挙げられるだろう。
※…企業業績等から投資判断を行わず、インターネット上(特にSNS)で共有される情報が売買判断の根拠となり、個人投資家に選好される銘柄のこと。
2021年5月にミーム銘柄急騰の火付け役となった、米投資アプリRobinhoodでETCの取り扱いがあり、当時はミーム銘柄に加えRobinhoodで取り扱いのある暗号資産銘柄(ETC含む)も急上昇した経緯がある。
今回の上昇でもETC自体の材料が見当たらないことから、昨年同様に投機的な値動きが先行したと捉えることもできようか。
3月下旬からのETC/JPYは投機的な値動きだったことを示すかのように、足元での出来高は減少傾向にあり、急騰前の水準といえる1,000億円程度まで出来高が細っている。
しかし、出来高が減少する一方で、価格は下落しながらも急騰前の水準以上である4,000円台を維持しており、一時的な急騰をきっかけに、ETC/JPYは一段レンジを切り上げたとの見方をすることも出来そうだ。
急騰劇から落ち着いたETC/JPYは今後どのような価格推移をしていくだろうか。
今回は、季節性アノマリーとテクニカル部分の両面から今後の値動きを考察する。
・季節性アノマリーでは最終的に上昇か
CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
上記は、2017~2021年での月ごとの騰落日数を一覧にした表(A)と、2017~2022年の4/1の始値を基準とした、4月中の価格の変化率を表(B)したグラフである。
表(A)からは、4月の騰落日数はいずれの年でも「上昇日数>下落日数」であることが分かる。
また、表(B)においては、4月の月間騰落率はプラス傾向となっている。
<上昇シナリオ>:季節性アノマリーに則り、4月下旬に向かって上昇を描く
騰落日数一覧表より、過去5年の傾向では、他の月に比べて4月は上昇傾向が強いことが読み取ることができる。
加えて、2017年~2021年の4月中の騰落率をグラフで確認すると、過去5年全てで4/1比で最終的に上昇を描いており、平均すると78.5%の上昇率となっている。
そうした中、ETCの今年の値動き(上図 赤破線)は、マイナス圏で推移しており過去の値動きからすると冴えない値動きであるといえよう。
しかし、2017年、2018年の値動きを確認すると4月中旬頃までにマイナス圏で推移しながらも、最終的には50%以上の上昇率となっている。
(ただし、2017年は300円台、2018年は1,500円台から始まっており、現在とは価格帯が大きく異なっている点は割り引いて見る必要があるだろう)。
そこで、過去5年間のうち最低上昇率である2019年の上昇率:23%をあてはめてみると、
2022/4/1 始値:5,525 円 × 1.23 ≒ 6,795.7 円
が目先のターゲットプライスとなろうか。
これは直近高値水準である2021/11/9高値(6,918円)に近い価格帯であり、7,000円の節目突破を見据えた上昇となる可能性もありそうだ。
7,000円を突破すれば、心理的節目である8,000円が次の目処となろう。
この水準は2021年8月・9月で2度頭が抑えられた水準であり、強い抵抗帯と考えられるだろう。
しかし、抵抗が強い分、突破した場合には上昇が勢い付くことが想定され、過去5年間の平均上昇率:78.5%をあてはめると、
2022/4/1 始値:5,525 円 × 1.785 ≒ 9,862.1 円
を見据えた上昇相場となる可能性も想定されるだろう。
・一目均衡表の形状変化に不安要素あり
ETC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、ETC/JPY の日足チャート(2022/1~執筆時点)に、一目均衡表と200日移動平均線(上図 黄色点線)を表示したチャートである。
<下落シナリオ>:一目均衡表において順次逆転が発生し、下落が継続
3/19に日足一目均衡表・雲を勢いよく上抜けて三役好転が成立し、3月下旬まで上昇相場を演じたETC/JPYであったが直近の下落により、
・転換線の向きが下落傾向にあり、基準線との距離が縮小。
・一目均衡表・雲にねじれが発生し、価格が雲上限に接近。
・ローソク足>遅行線の成立が目前。
とチャート形状が悪化傾向にある。
ここから、価格が軟調な展開を続ける場合、近々三役逆転の成立が予想され、強い下落シグナルが点灯することとなろうか。
また、この場合は200日移動平均線も割り込むこととなり、長期的にも下落傾向が強まったものと捉えらえる可能性もあるだろう。
今後冴えない展開が継続し、一目均衡表で逆転が順次成立する場合、直近の上昇の全戻しとなる3,000円付近が目先の下値目処となろうか。
もし3,000円で下値が支えられない場合、昨年4月の急騰後、終値で割り込んでいない2,500円を割り込むか否かに注目する必要があるかもしれない。
2,500円を明確にブレイクすることで約1年ぶりの安値水準に突入し、売りが売りを呼ぶ展開となる可能性もある。
そうなった場合、昨年4月の急騰前に停滞していた水準である1,000円台前半を視野に入れた、強い下落相場となることも警戒しておきたい。
(4/12 午後9:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
4/12の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は3.09%、中央値は2.94%、標準偏差は1.65%となった。
最大上昇銘柄はBAT/JPYの6.71%、最小上昇銘柄はBTC/JPYの0.88%。
4/12の当社取扱い銘柄は全面高となった。
最大上昇銘柄のBAT/JPYは、4/11の下落から反発。
早朝から堅調に推移し、午後には転換線が基準線を上抜けて90円に到達する局面も。
その後は一目均衡表の雲に差し掛かり、押し戻される形になるも80円台を維持した動きとなっている。
最小上昇銘柄のBTC/JPYは、頭重い展開。
4月以降、下落基調で推移。4/11には480万円台まで下げたが、その後は500万円を意識したもみ合い相場となり、変動の乏しい展開となった。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
4/12の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は7.47%、中央値は8.00%、標準偏差は2.32%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXTZ/JPYで11.57%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はLTC/JPYで3.99%となった。
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