XRP(リップル)、三角持ち合いの行方は?

Daily Market Report 2022/3/30

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三角持ち合いから上放れの可能性が近づく

XRP/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2020/12/28から執筆時点までのXRP/JPYの週足チャートである。

足元のXRP/JPYは、週足で5連続陽線を描き堅調な値動きを見せている。

この上昇により、2021/4/12週高値を起点としたレジスタンスライン(上図 黄色線)と、2020/12/28週安値を起点としたサポートライン(上図 赤線)との間で描かれる三角持ち合いの上限へ接近しており、相場の転換点を迎える可能性が出てきたといえるだろう。

直近のXRP/JPY上昇の背景の一つに、2月末からのウクライナ危機により急激に高まったリスクオフムードが和らいでいることが挙げられる。

有事の際の投資先として選好される金価格は、ロシアによるウクライナ侵攻後一時2,000ドルを超えていたが、現在は1,900ドルまで低下しており、軒並み下落していた各国株式市場も復調傾向にある。

暗号資産市場においても、リスクオフの巻き戻しの動きが見られ、BTC/JPYは600万円目前まで上昇し、他アルトコインも全般的に堅調な値動きとなっている。

XRP/JPYにおいては、2月初旬に米証券取引委員会とリップル社との間での裁判に関して進展したこと(2022/2/8 cointelegraph.com)が好感され、急騰した水準以上へ上昇しており、上昇の強さが伺えるだろう。

前述のレジスタンスラインを超えることにより、2020年末からの中期相場が転換する可能性もあり、目先のXRP/JPYの値動きはレジスタンスライン付近での攻防に注目が必要となりそうだ。

以下、レジスタンスラインを中心として、上下のシナリオについて整理する。

<上昇シナリオ>150円を目指した上昇へ

XRP/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2021/4/12週から現在までのXRP/JPYの週足チャートにレジスタンスラインとボリンジャーバンド(±2σ)を描画したものである。

上昇シナリオは、レジスタンスラインをブレイクし、2021年下半期に2度退けられた150円突破を睨んだシナリオである。

現在、XRP/JPYは100円台を維持し、2/9当社レポート(Daily Market Report 2022/2/9「急上昇のXRP(リップル)、95円から±50円がターゲットか」参照)にて紹介した週足ダブルトップのネックライン以上の水準へ上昇している。

ネックライン以上の水準を維持していることに加え、大台の100円台を回復したことで短期的には上昇傾向が強いと判断できるだろうか。

レジスタンスラインをしっかりと超えることで三角持ち合いの上放れとなり、上昇機運が高まることになろう。

加えて、レジスタンスライン付近には、ボリンジャーバンド+2σ水準が位置しており、レジスタンスラインを突破することで上昇に勢いが付き、価格がバンドウォークを描きながら一段高となる可能性もある。

終値でレジスタンスライン以上に浮上することができれば、目先の高値である150円をターゲットプライスとした上昇相場入りとなる可能性も想定したい。

その上のターゲットプライスは大台の200円台となるが、100円から200円台へ上昇する場合、単純計算で時価総額が2倍になる。これは現状で時価総額3位であるUSDT(テザー)の時価総額である約10兆円と同等の水準となってくる。

そのため、簡単に到達できる水準とは考えにくく、足元の地合いの良さだけではなく、XRPの独自材料、特に訴訟問題の進展やNFTプロジェクトの活性化などといったポジティブな材料が必要になりそうだ。

<下落シナリオ>レジスタンスラインに沿った上値切り下げへ

XRP/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図はXRP /JPYの週足チャートに一目均衡表RCI、レジスタンス・サポートライン(一点鎖線)を図示したものである。

下落シナリオは、レジスタンスラインが上値抵抗となり下落に転じるシナリオである。

週足では5連続して陽線となっているものの、テクニカル面では一目均衡表で三役逆転状態が継続していることや、RCIでは買われすぎ水準へ接近していることが上方向への不安要素となろうか。

また、レジスタンスラインと一目均衡表・雲が重なっており、2段階の上値抵抗により伸び悩む可能性もあるだろう。

一時的にレジスタンスライン以上となったとしても、ローソク足でヒゲをつけることに留まれば、下押し圧力が高いことが示唆され上値の重さが意識されかねない。

そうなれば、レジスタンスラインが目先の上値目処として居座ることとなり、価格はレジスタンスラインに沿って徐々に上値を削ることになりそうだ。

この場合、まずは執筆時点でのサポートライン水準である70円台で下げ止まるかどうかを確認したい。

70円台は今年1月に揉み合いとなり、下げ渋った水準でもあるため、一定の支えに期待できるだろう。

しかし、その水準を下抜けてしまうと、三角持ち合いの下放れとなり、強く下落が意識されるチャート形状となる。

その場合、2021年4月の急騰前の水準へ巻き戻り、50円台までの下落も想定しておきたい。

(3/30 午前6:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

3/29の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-1.42%、中央値は-1.84%、標準偏差は1.99%となった。

最大上昇銘柄はXEM/JPY3.71%、最大下落銘柄はENJ/JPY-4.51%

最大上昇銘柄のXEM/JPYは、独歩高。

日足一目均衡表で三役好転状態となっており、転換線で下値を支えられる格好で上昇を続けた。しかし、節目の15円には届いておらず、目先は同水準を超えることができるかどうかに注目か。

最大下落銘柄のENJ/JPYは、冴えない値動き。

東京時間序盤の暗号資産市場全体での急落からの戻りが鈍く、頭の重い値動きが続くと、クローズまでに東京時間序盤の急落からの反発上昇分をほぼ打ち消すこととなった。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

3/29の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.43%、中央値は7.44%、標準偏差は3.23%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPY14.87%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY3.08%となった。

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2022-03-30
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