雲のねじれで大幅上昇、正念場を迎えたXRP(リップル)

Daily Market Report 2022/3/16

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雲が支えとなるか

XRP/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、XRP/JPYの日足チャート(期間:2021/11/11~現在)である。

一目均衡表を見てみると、XRP/JPY は2月下旬より雲の中でもがいており、方向感の見えにくい展開が続いていたが、雲のねじれをきっかけに一転上昇機運が高まった。

雲のねじれは変化日でもあり、ねじれ以降は急な動きが発生しやすいことで知られているが、今回は3/11(変化日)に大幅上昇し、一気に雲を突き抜けた。

その後も、雲上限をサポートとしてしっかりした動きとなっている。

一方で、ファンダメンタルズ要因に目を転じると、地政学リスクが依然重くのしかかっており、視界の晴れない状況だ。

また、暗号資産についても当局の規制情報にマーケットが懸念する場面もあった。

「欧州議会で14日投票が予定される暗号資産(仮想通貨)法案「MiCA」に、ビットコイン(BTC)などPoW銘柄を規制する条項が再び盛り込まれることがわかった」(2022/3/14 CoinPost)、との報道などにより、暗号資産市場全体が急落した。

この急落に伴い、XRP/JPYは再び雲上限を割り込む場面も見られたが、前述の条項が欧州議会の経済開発委員会の投票で非承認された影響もあってか、雲上限まで値を戻し、下げ止まった。

足元は雲上限を支えに耐えている様子だが、雲の中へ逆戻りの展開となった場合、先の雲が薄いため、あっさりと下抜けてしまうかもしれない。

日足では①のレジスタンスと②のサポートで三角保ち合いを形成しており、しばらくは上値が伸び悩む可能性も考えられる。

はたまた、雲上限が強力なサポートとなり上昇の勢いが戻り、①のレジスタンスを抜ければ、いよいよトレンド転換の訪れと捉えることもできそうだ。

では次に、今後の値動きについてシナリオを考えてみる。

フィボナッチ・リトレースメントによる分析

XRP/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、XRP/JPYの日足チャートに昨年11/10の高値150円と今年1/22の安値60円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメントを反映させたものである。

直近のXRP/JPYの値動きをフィボナッチ・リトレースメントから確認すると、2/4からの上昇で、上限価格38.2%水準:95円と下限価格23.6%水準:82円を節目とするレンジ圏内での推移が続いている。レンジの上値は100MA、下値は50MAが意識されているようだ。

では、今後の考えられるシナリオを、以下に整理してみたい。

<上昇シナリオ>: 95円上抜けを目指して反発

上昇シナリオは、2月~3月に何度も上抜け失敗している、フィボナッチ38.2%水準:95円突破へ向けて反発するシナリオである。

足元は、上限価格:38.2%水準:95円と下限価格:23.6%水準:82円を節目とするレンジ圏内から抜け出せずにいるが、3/11の大幅上昇以降、100MAをサポートに90円付近で耐え忍んでいる。

100MAがサポートとして機能し続ければ、現在強力なレジスタンスラインとなっている38.2%水準:95円を突破して、もう一段落上のレンジである50%水準:105円への回復も視野に入ってくるかもしれない。

暗号資産の時価評価において6位となっているリップルであるが、100円を超えて更なる高みに昇るには、暗号資産全般をサポートするファンダメンタルズ要因だけでなく、リップル固有の材料が必要なところか。

その点、リップルを管理する米リップル社は、初めてNFTプロジェクトに取り組む独立系クリエイターに出資すると発表(3/14 CoinPost)している。NFTは注目度の高い話題であるため、今後のさらなる情報に期待したいところである。

<下落シナリオ>: 100MAを割り込み、82円目途に下落

下落シナリオは、現在サポートになっている100MAを下抜け、フィボナッチ23.6%水準:82円をターゲットプライスとして、下落トレンドが継続するシナリオである。

足元は3/12に97円まで上昇後、調整している状況であるが、下落圧力が更に強まり100MAを割り込んだ場合は、下値目途としてフィボナッチ23.6%水準:82円(50MA水準)が意識されることになるだろう。

82円は、直近2/21から3/11までサポートとして機能していた水準である。

この82円ラインを下抜け、過去の値動きを踏襲した場合、フィボナッチの起点(0%)の60円まで一気に下押す展開も想定されるため、急激な下落が起こり得ることも注意しておきたいところだ。

この下落シナリオを補強するファンダメンタルズ要因は、何といっても地政学リスクの悪化であろう。

ウクライナ戦争が更に泥沼化し、エネルギー価格も再度急上昇するようなことがあれば、マーケットは各国のスタグフレーションリスクを織り込むことになり、米国を始めとした株式の下落が暗号資産市場にも大きな影響を及ぼすことになる。

(3/15 午後6:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

3/15の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は3.19%、中央値は2.49%、標準偏差は3.04%となった。

最大上昇銘柄はBAT/JPY13.14%、最小上昇銘柄はMONA/JPY0.11%

最大上昇銘柄のBAT/JPYは4日続伸。昨日は欧州時間から押し目らしい押し目もなく上昇が続き、目先の上値抵抗であった3/1高値86.67円を上抜けた。

直近高値更新後に弾みがつくと90円台を易易と回復し93円手前まで上昇した。

現在は日足一目均衡表・雲下限付近で小休止となっている。

最小上昇銘柄のMONA/JPYは、方向感に欠けた値動き。2月下旬から105円~110円のレンジ内で上下動を繰り返しており、昨営業日も同様にレンジ内での動きに終始した。

レンジを大きく逸脱する動きも見られず、ある意味安定した値動きを続けている。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

3/15の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.93%、中央値は5.99%、標準偏差は2.27%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPY14.15%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPY4.05%となった。

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2022-03-16
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