ウクライナ侵攻でボラティリティ増加。先週の騰落率と注目すべきトピックス
Daily Market Report 2022/3/3
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・当社取扱い14銘柄の騰落率
騰落率ランキング(期間2022/2/20 – 2022/3/1)
当社クローズレート(Bid)より作成
上記は2022/2/20~2022/3/1における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。
2/24のロシアによるウクライナ侵攻の影響で金融市場には動揺が広がり、株式や為替、暗号資産は一時大幅に下落するも、翌2/25には反発し値を戻すという値動きが激しい一週間だったといえよう。
結果的に対象期間においては全14銘柄が上昇しているが、ロシアに対する世界各国からの経済制裁など、情勢次第では再びボラティリティが急速に高まる可能性もあり、予断を許さない展開が続きそうだ。
個別のニュースでは、ウクライナ軍の支援を掲げる慈善団体へのビットコイン(BTC)募金額が2/25時点で約8,100万円を超えるなど、暗号資産の活用事例として目立った(2/25 CoinDesk)。
・ビットコインのチャートで見る先週からの出来事(2/24~3/1)
地政学リスクが増加し経済への悪影響も懸念される中、なぜ暗号資産は反発し値を戻したのか。
時価総額1位の暗号資産、ビットコインのチャートで出来事をまとめる。
BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら
まず、日本時間の2/24 午前11:30に安保理緊急会合の最中にプーチン大統領による緊急演説が行われた。
周知のとおり、演説内容はウクライナへの宣戦布告であり、遅滞なくウクライナへの攻撃が始まると共にビットコインの価格はすぐさま急落の反応を示した。
しかし、米国時間では深夜であるにも関わらずビットコインは底堅さを見せる事となる。
一時は心理的節目の400万円(35,000ドル)を割るシーンもあったものの、1/24につけた安値へ近づくとそれ以上下落することなく反発し、宣戦布告から24時間後には急落前の水準である450万円のラインまで回復を見せた。
その後は、数日にわたり450万円台でのもみ合いが続くが、2/28から3/1にかけて一気に500万円を突破した。
ロシアに対する制裁発動を受け、国外資産移転で優位性のある暗号資産への注目が高まったことが原因であると考えられる。
ここで2/24~3/1のビットコイン価格の流れについて整理してみる。
2/24のビットコインの価格については、地政学リスクの影響で市場がリスクオフの流れから、NYダウ、Nasdaqが下落したことと共に、Nasdaqと相関関係が高まっているビットコインの価格も同様であったことは有事における自然な動きと考えることができそうだ。
また、地政学リスクの影響は、過去の事例から習うと比較的短期である事が多いとされており、ビットコインの価格が宣戦布告前の水準へ回復した事も珍しい現象ではないだろう。
しかしその後、ロシアのSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除およびウクライナへの暗号資産の寄付活動によってビットコインの需要が高まり、3/1にはこれまでの流れが一転。2/28~3/1にかけてBTC/JPYは10%以上の値上りが認められた。
2/27、米欧主要6カ国とEUはロシアの一部銀行に対してSWIFTからの排除を発表した。この金融制裁は別名「金融核兵器」と称されるほど強力であり、これによりロシアでは貿易取引や証券投資等にて収益を上げる事が困難になると共に外貨獲得も難しくなる見通しとなろう。
実際、2/28にはロシアの自国通貨ルーブルは一時30%も暴落し、ロシア中央銀行がこれまで9.5%であった政策金利を20%まで引き上げる事態に発展した。
これらの理由からロシア側としては、自国通貨の暴落への対抗策としてビットコインを買い増す理由は十分に存在し、3/1へのビットコインの価格上昇に影響を与えたと捉えることもできるだろう。
また、ウクライナ側としてはロシアによる侵攻を受け、政府によって暗号資産の寄付をSNSで呼びかけた。これにより、2/27までに1,890万ドルもの資産が集まる事となった(2/28 ロイター)。
2/25から2/27までのビットコイン価格は日本円で440万円~450万円とほぼ横ばいで推移したものの、ビットコインが法定通貨の代替手段として使用できる例を世界中に印象付けたともいえるだろう。
加えて、自国通貨が暴落した事はウクライナにとっても同様であり、ロシアによる侵攻によりウクライナの自国通貨フリブニャは下落し、対USDでは2015年以来の水準となった。
これにより、ウクライナでも同様に暗号資産の需要が高まり、3/1にビットコインが急騰した要因となったと考えることもできるだろう。
(3/2 午後3:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
3/2の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は0.04%、中央値は-0.54%、標準偏差は1.97%となった。
最大上昇銘柄はOMG/JPYの6.17%、最大下落銘柄はXEM/JPYの-1.40%。
最大上昇銘柄のOMG/JPYは、479円でオープンし、508円で終わりを迎えた。依然、一目均衡表の雲の上(4時間足)を推移し、3日連続で日足陽線となった。
最大下落銘柄のXEM/JPYは、一時、一目均衡表の雲(1時間足)に差し掛かるも反発した。RSIは50付近(1時間足)を彷徨っており、緩やかな値動きとなった。
・下線つき見出し
社内データより作成
3/2の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は6.13%、中央値は5.60%、標準偏差は1.86%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXTZ/JPYで10.14%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPYで3.73%となった。
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