なかなか手放せないXEM(ネム)。フィボナッチからみる今後の行方

Daily Market Report 2022/2/22

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現物保有高2021年度

JVCEA統計情報 (https://jvcea.or.jp/about/statistics/)より当社作成

上図は、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が発表している利用者現物保有状況の推移をグラフ化したものである。(当社で取り扱いのある11銘柄のみ使用)

2021年度の推移を見てみると、BTCが圧倒的なシェアを誇り、次いでETH、XRPが後を追っている。4番目に保有されているのはXEM(ネム)であり、引続き日本においては根強い人気があるようだ。

今回はさらにその後を追うXEMについて取り上げる。

割合は低下しても、保有高は増加

JVCEA統計情報 (https://jvcea.or.jp/about/statistics/)及び当社クローズレートより当社作成

上図左のグラフはXEMの現物保有高(円換算)を11銘柄の現物保有高合計(円換算)で割ったものに、XEM/JPYの当社月末レートを重ねたものである。

XEM/JPYの価格下落と共に11銘柄の中での割合が落ち込んでいることが分かる。

2021年2月時点では約9%の割合を占めていたが、同年5月以降は3%を下回り、9月には2%を下回った。12月時点では1.5%となっている。

これを見る限り、XEMへの購買意欲が価格低下によって削がれたような印象を受けるが、上図右のグラフのXEMの現物保有高(円換算)とXEM/JPYの当社月末レートを重ねたものでは様相が違って見える。

XEM/JPYの価格は2021年以降下落しているが、保有高はさほど影響を受けていないようである。

2021年1月時点ではXEMの保有高が18億XEMあり、同年3月には12億XEMまで落ち込んだが、その後は持ち直し、14億XEM前後の推移を維持している。

XEM/JPYの価格は2021年2月をピークとして下落基調であるが、保有高が14億XEM前後で推移しているということは、押し目買いが下落時に入っていることを意味しており、根強いXEMの人気が読み取れるだろう。

さて、そんなXEMの値動きをテクニカルチャートから分析してみよう。

フィボナッチ・リトレースメントによる分析

XEM/JPY 週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XEM(ネム)のチャート・価格情報はこちら

上図は、XEM/JPYの週足チャートに2021/3/1の高値82.551円と2022/1/24の安値9.584円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメント一目均衡表およびボリンジャーバンド(±2σ)を反映させたものである。

<現状>

XEM/JPYは2021年6月から上昇し、11月初旬には22円台を推移していたが、ボリンジャーバンド+2σがレジスタンスラインとして機能し、行く手を阻んだ。レジスタンスラインの上抜けに失敗したXEM/JPYは下落に転じ、ボリンジャーバンド-2σのサポートラインまで下落した。現状の価格は10円台前後で推移している。

<上昇シナリオ>:26.304円を目指して反発

上昇シナリオにおける最初のターゲットはフィボナッチリトレースメントの赤のライン(23.6%:26.304円)となるだろう。

現在XEM/JPYは10円前後で推移しており、フィボナッチリトレースメントの白のライン(0.0%:9.584円)に向かって下落しているが、この白のラインに接したところで過去二回反発上昇している実績から、再び上昇に転じる公算はあるだろう。

他方、赤のライン(23.6%:26.304円)を突破し、雲の中で価格が推移することとなれば、11月から続いていた下落トレンドも一服とみなすこともできようか。

そうなれば、5月以来の高値となるオレンジ色のライン(38.2%:37.457円)も見えてくるだろう。

<下落シナリオ>:9.584円を割り込み、下落トレンド継続

下落シナリオにおける最初のターゲットはフィボナッチリトレースメントの白のライン(0.0%:9.584円)となるだろう。

上昇シナリオに沿って赤のラインまで上昇しても、頭上には一目均衡表の厚い雲が広がっている。この雲をクリアしていくにはファンダメンタルズ要因を含めて相当のパワーが必要であり、雲に跳ね返されて再び白のラインを目指す可能性もある。

過去二回はこの白のラインで反発上昇したが、下抜けた場合は2020年前半の価格帯である5円台も視野に入ってくるだろう。

(2/21 午後7:30時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

2/21の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-5.25%、中央値は-5.39%、標準偏差は2.01%となった。

最小下落銘柄はETH/JPY-0.83%、最大下落銘柄はXLM/JPY-7.96%

最小下落銘柄のETH/JPYは、316,000円(日足5日移動平均付近)が打診となり、290,000円(ピボットポイント・S1付近)まで下押した。

最大下落銘柄のXLM/JPYは、22円(日足5日移動平均付近)で頭打つと、20円(2020/1/23安値、ピボットポイント・S2付近)まで急落する展開となった。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

2/21の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は11.42%、中央値は11.98%、標準偏差は2.10%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY15.19%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY7.62%となった。

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2022-02-22
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