XRP(リップル):雲の捻じれで「ひと相場終了」―200日移動平均の107円まで上昇余地あり
Daily Market Report 2022/2/16
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本稿では、XRP(リップル)について、一目均衡表とそれと寄り添う傾向のある移動平均(5日移動平均を超短期トレンド、21日移動平均を短期トレンド、90日移動平均を中期トレンド、200日移動平均を長期トレンド)による優勢定義を手掛かりとして今後の展開を考察する。
※文末に本稿の分析方法を用いた過去のレポート一覧を記したので、併せて参照いただきたい。
・XRPは「買方優勢・下落優勢」の状況―注目は雲の捻じれ
◇チャートの環境認識
XRP/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XRP(リップル)のチャート・価格情報はこちら
上図は、XRP/JPY日足チャートに一目均衡表(転換線期間:9日、基準線期間:26日、先行スパン2期間:52日)と4つの単純移動平均線(5日移動平均、21日移動平均、90日移動平均、200日移動平均)を設定した図(期間:2022/1/7~現在)である。
【一目均衡表】
現在の一目均衡表は買方優勢の状況であるといえるだろう。
その根拠は、転換線が基準線の上方に位置し、遅行スパンが実体の上にあり、実勢価格が雲の上で推移していることで、三役好転(強い買いシグナル)が点灯している点にある。
薄い雲であったが、これを上方へ突き破る動きは上値への胎動を感じさせる動きとなっている。
今後、一目均衡表における雲は、支持帯として上昇局面における下落への壁としてみる状況が想定されやすいか。また、先行きの雲が捻じれている(相場の変化日となる)ことで、実勢が同領域(雲)を下回らないという見方もサポートされるかもしれない。
一方で、上値の重さが意識され、売方優勢へ転換する条件(分岐点)は以下となる。
・実勢が基準線を割れる(転換線が基準線を下回る見込み)
・遅行スパンが実体を下抜ける
・実勢が雲下に突入する
売り方優勢となる可能性については、シナリオ分析において詳細を記載しているので、確認されたい。
【移動平均】
移動平均は一目均衡表とは逆に下落優勢の状況と判断できるだろう。
根拠は、上から200日移動平均(長期トレンド)、90日移動平均(中期トレンド)、21日移動平均(短期トレンド)の並順で、下落のパーフェクトオーダー(強い下落シグナル)となっているためである。
今後、上昇優勢へ転換する条件(分岐点)は以下のとおりであると考えられる。
・実勢が200日移動平均以上に到達する
同条件が成立することで、移動平均の並順が上から21日>200日>90日となる公算で、上昇優勢の可能性を判断する段階に突入すると考えられるだろう。
ただし、上向きの21日と下向きの90日移動平均との乖離が見られることで下落優勢継続(上昇のしづらさ)を描画しているという懸念もありうるところか。
◇シナリオの想定
XRP/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
一目均衡表と移動平均を複合的に見ると、以下のレジスタンスとサポートラインを選定することができるだろう。
- レジスタンス2:152円(2021/9/6高値、2021/11/10高値付近)
- レジスタンス1:107円(200日移動平均付近)
- サポート1:88円(一目均衡表・雲上限付近)
- サポート2:76円(一目均衡表・基準線、雲下限付近)
補足:()内はテクニカルポイントを記載
<上昇シナリオ>:雲上限支持で「買方優勢」継続―上値余地は200日移動平均
上昇シナリオは、サポート1の88円が支持となり、レジスタンス1の107円やレジスタンス2の152円に向けて上昇するシナリオとなる。
サポート1(88円):
サポート1に値する一目均衡表・雲上限が支持帯となることを想定する。先行きの雲が捻じれていることで、同領域(雲)を下回らない見方が強まっているためだ。
同時に、三役好転(強い買いシグナル)が継続する可能性もありえるだろう。
注目は、転換線と基準線の間に乖離が見られ、遅行スパンが(暫くの間は)実体を逆転しない見込みである中で、雲が捻じれた(相場の変化日が訪れた)ところにある。
レジスタンス1(107円):
レジスタンス1にあたる200日移動平均が上値余地として考えられるだろうか。
その根拠は、一目均衡表の買方優勢が継続する見込みに対して、移動平均が未だ下落優勢であるという点にある。
実勢が200日移動平均へ到達することで、移動平均の並順が上から21日>200日>90日となる公算で、上昇優勢と判断する段階に突入すると捉えられようか。
レジスタンス2(152円):
レジスタンス2は、2021/9/6高値と2021/11/10高値のレジスタンスライン(心理的な節目)に値する。
一目均衡表の三役好転(強い買いシグナル)かつ移動平均の上昇のパーフェクトオーダー(強い上昇シグナル)が成立する場合は、高値模索の展開となるが、心理的な節目が上昇一服の手がかりとなるだろうか。
<下落シナリオ>:雲上限割れで「下落優勢」継続―注目は雲の捻じれし
下落シナリオは、サポート1の88円を下割れ、サポート2の76円を目指すシナリオとなる。
サポート1(88円):
実勢がサポート1に値する一目均衡表・雲上限を割れることを想定する。注目すべきは、先行きの雲が下方向に捻じれ(下落の時代が訪れ)、下降雲が形成される展開となる点になろう。
先行きの雲が下向きに捻じれる場合は、同領域(雲)は抵抗帯としての見方が強まることになるため、同領域(雲)の下限まで下押す想定が妥当となるだろう。
サポート2(76円):
サポート2に値する一目均衡表・雲下限まで下押すことを想定する。この場合は、(先行きの雲が下向きに捻じれていることを前提として)同領域が抵抗帯としての見方が強まることで、同領域下限以下までの下押しが妥当であると考えられるだろう。
雲を下回ると21日と90日移動平均の乖離幅も意識されることになる。つまり、移動平均の下落優勢(強い下落シグナル)継続が本格化する恐れがあり、一目均衡表の三役逆転成立までを下値余地とする安値模索の展開を想定する必要があるかもしれない。
■本稿の分析方法を用いた過去のレポート一覧
・2022/02/14「MONA(モナーコイン):一目均衡表・基準線反発で買方優勢への転換条件とは?」
・2022/01/20「MONA(モナーコイン):一目均衡表・基準線突破で上値余地あり!-パーフェクトオーダー前に2020年以来の安値死守なるか」
・2022/01/13「XRP(リップル):雲の捻じれ間近!―基準線攻略で形勢逆転なるか」
・2022/01/06「MONA(モナーコイン):21日移動平均攻略で買方優勢転換なるか-145円に注目」
・2021/12/29「XRP(リップル):買方優勢へ転換間近か―97円に注目!」
・2021/12/20「MONA(モナーコイン):安値模索の展開か―200日移動平均攻略で買方優勢転換も」
・2021/12/16「XRP(リップル):さらなる下押しに警戒も一目均衡表・基準線攻略で買方優勢転換となるか?」
・2021/12/02「MONA(モナーコイン):上昇優勢継続が手厚い―転換線下抜けで形成逆転の展開も」
・2021/11/26「MONA(モナーコイン):上昇優勢継続も薄い一目均衡表の雲が気がかり」
・2021/11/18「MONA(モナーコイン):短長移動平均支持で上昇トレンド優勢継続か」
・2021/11/04「MONA(モナーコイン)、200日移動平均攻略で上昇トレンド転換の兆し」
・2021/10/28「MONA(モナーコイン)、雲下限を死守できるか」
(2/16 午前6:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
2/15の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は5.46%、中央値は5.09%、標準偏差は3.32%となった。
最大上昇銘柄はQTUM/JPYの15.86%、最小上昇銘柄はBCH/JPYの2.39%。
最大上昇銘柄のQTUM/JPYは、732円(日足21日移動平均付近)でオープンし上昇。901円(日足一目均衡表・雲下限付近)で引けた。
最小上昇銘柄のBCH/JPYは、37,200円(日足5日移動平均付近)で反発し、39,300円(ピボットポイント点R1付近)で引ける形となった。
・24時間 ボラティリティ(%)
社内データより作成
2/15の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は8.34%、中央値は7.57%、標準偏差は3.93%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はQTUM/JPYで21.35%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBCH/JPYで5.50%となった。
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