下げ渋った今こそ見たいRSIランキング:BCH(ビットコインキャッシュ)の反発は続くのか
Daily Market Report 2022/2/7
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・米雇用統計を通過し、暗号資産市場は買い戻し?
2/4 RSI(14日間終値)ランキング
当社クローズレートMid(2/5 7:00算出)より作成(日足)
上表は2/5 午前7時に算出した当社取扱銘柄のRSIランキングである。
※RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は相場の加熱感を示す指標であり、50を基準として100に近づくほど買いが強く、0に近づくほど売りが強いとされる。
2022年1月の暗号資産市場は昨年末に続き、ほぼ一貫して下落基調だったが、2月に入り、上昇の兆しを見せつつある。
2/4は米雇用統計が発表され、予想前月比15万人増に対し、結果46万7000人増と、労働市場の底堅さを示した(2/4 ロイター、Bloomberg)。
これはFRBの利上げ圧力を強める結果だったともいえるが、BTC/JPYは約11%超の反発で応えており、その後も値を崩していない。
上表ランキングをみても、14銘柄中13銘柄のRSIが50を超えており、足元においては市場参加者が「売り」から「買い」へ傾きつつあるようだ。
一方で、RSIが50を下回ったBCHについては何らかの買われない背景もありうるが、出遅れ感が目立つ状況となっている。
今後、ランキング上位の銘柄に劣らないパフォーマンスを示すような、上昇を見せる銘柄となりうるかもしれない。
今回は、出遅れ銘柄の可能性のあるBCHについて、次の展開を想定してみる。
<上昇シナリオ>「バタフライ」を足場に反発、8万円台が中長期的な視野
BCH/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BCH(ビットコインキャッシュ)のチャート・価格情報はこちら
上昇シナリオは、ハーモニックパターン「バタフライ」の完成を根拠として、4万円台、5万円台前半の主要レジスタンスを攻略していく展開を想定するものになる(※)。
※ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いて相場の転換点を探るテクニカル分析の一種。上図は蝶が羽を広げている姿に似ていることから「バタフライ」と呼ばれる。
上図BCH/JPYの週足チャートに描画している「バタフライ」の成立条件は、以下4点となる。
・条件1.(B)は、(X)-(A)の78.6%リトレースメント(上図では76.4%(※))
(※)(A)-(B)の値幅(35,165円)/(X)-(A)の値幅(46,019円)≒76.414%となる
・条件2.(C)は、(A)-(B)の38.2% – 88.6%リトレースメント(上図では83.9%)
・条件3.(D)は、(X)-(A)の127.2%リトレースメント(上図では28,381円となる)
・条件4.(D)が反転のポイントとなり、このとき(B)-(C)の161.8%-224.0%プロジェクションとなる(上図、28,381円の場合は179.2%)
まず、BCH/JPYは条件2や条件4に収まっているとみてよいだろう。問題となるのは、条件1の「78.6%」に対し、上図では「76.4%」と-2.2%の開きがある点、条件3の(D)点の理想値「28,327円」に対し、結果「28,381円」と-54円の上放れがある点を誤差と捉えるかである。
条件3については、当日のBCH/JPYが長い陰線となったように、ボラティリティが急拡大する中でつけた価格であることも考慮し、誤差の範囲とするのも一考だろう。
条件1については、より取扱高の高い暗号資産ペアである対USDやUSDT価格を用いて算出するのも一つの方法かもしれない。
BCH/JPYが「バタフライ」である場合の値動きは以下の通りとなる。
1.<下押し局面>(期間:2021/11/10 – 2022/1/22)
11/8週高値の(C)を起点とした下落である。9/27週の安値(B)53,220円で約4週間の攻防となったが、更に一段押し下げられた。
1/24週以降の反発もあり、現状として1/22につけた28,381円が直近の安値となっている。
2.<反発局面>
1/22の安値を(D)点として、(X)43,259→(B)53,220→(C)84,526円のように、それまでの節目となる価格帯を攻略していくシナリオとなる。
特に(B)→(C)の価格帯ではレジスタンスとなりうる主な節目が少ないため、(B)攻略後に急な上昇となる可能性もあろう。
一方、現在のところ(D)点の理想値である「28,327円」には達していないため、再びの下押しで回収に向かう展開についても視野に入れておきたい。
<下落シナリオ>平行チャネル下限のレジスタンスを背に再び安値更新
BCH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、BCH/JPY日足チャートにRSIと平行チャネル(上限:2021/9/6起点、下限:9/29起点)を描画している。
2021年後半のBCH/JPYは下落トレンドながらチャネル内のレンジ相場だったともいえるだろう。
12/4に一時的にチャネル下限を下抜ける場面もあったものの、その後1か月に渡ってチャネル内に回帰しており、2022/1/10の接触でも小幅に反発して応えたといえる。
下落シナリオは、1/21の下落で下抜けたこのチャネル下限がレジスタンスに転じたとする見方となる。
直近のBCH/JPYは2/4に続いて、2/5も続伸したことで、RSIも急回復しており、戻り高値をつけた12/27以来の水準といえる。
チャネル下限のレジスタンスと急回復したRSIに着目した戻り売りが、1/22の安値28,381円を下抜けるほど強かった場合には、下値模索となる展開も考えられそうだ。
(2/6 午前5:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
2/6の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は0.31%、中央値は0.19%、標準偏差は1.92%となった。
最大上昇銘柄はXLM/JPYの3.74%、最大下落銘柄はXTZ/JPYの-2.63%。
最大上昇銘柄のXLM/JPYは、3日続伸。雇用統計のあった2/4のBTC/JPYの上昇率は11.5%だったが、この日のXLM/JPYは7.4%に留まっていた。
市場が落ち着いた休日に循環物色の流れができ、相対的な値ごろ感からXLM/JPYが買われやすくなったとする見方もできそうだ。
XLM/JPYは27円付近に昨年9月から発生したサポートラインがあるが、これが現在レジスタンスに転じている可能性がある。27円の関門を突破できるかにも注目しておきたい。
最大下落銘柄のXTZ/JPYは、小幅に続落。
XTZ/JPYは1/28から2/4まで8日続伸していたが、雇用統計の相場変動をきっかけとしたトレンド転換がの一部の市場参加者に警戒された模様。
・24時間 ボラティリティ(%)
社内データより作成
2/6の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は6.06 %、中央値は6.76%、標準偏差は2.16%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はMONA/JPYで10.26%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPYで2.83%となった。
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