対円で最高値から半値になったETH(イーサリアム)、今こそ対BTCに注目
Daily Market Report 2022/1/28
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・ETH/BTCの平行チャネル、3度目の反発なるか
ETH/BTC 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ETH(イーサリアム)のチャート・価格情報はこちら
上図は、ETH/BTCの2019年5月から現在までの週足チャートである。
日本においては、対円で暗号資産(仮想通貨)が取引されるために、BTC/JPYやETH/JPYが当然ながら注目されるが、クリプト/クリプトの交換レートは、直接、その暗号資産の力関係を図るのに、非常に有効でありもっと着目されてもよいだろう。
DMM Bitcoinでは現物取引でETH/BTCの売買が可能であるが、レバレッジではさらに7種類のクリプト/クリプトの取引が可能となっている。
詳細は取引概要等、当社ウェブサイト(https://bitcoin.dmm.com/)を確認頂きたい。
さて、ETH/BTCのチャートは、主に以下の理由から世界的に注目されている。
・暗号資産時価総額1位、2位の銘柄ペアであり、法定通貨を介さないこと
・上図で白色の平行チャネル上限の発生が2019年10月と2年以上前でありながら、今も続いていること
・チャネル上限の的中率が相応であること(レジスタンス4回、サポート2回、うちブレイクは1回のみ)
・サポート&レジスタンスの発生に約4ヶ月の規則性があること
そして1/27現在、再びこのチャネル上限へ接近しつつある。
平行チャネルに着目すると今後のシナリオは以下のとおりとなる。
<上昇シナリオ>平行チャネル上限で反発し、再び直近最高値を目指す展開
上昇シナリオは、平行チャネル上限で反発し、再び直近最高値の0.084825BTCを目指す展開である。
最高値の0.084825BTCを超えた場合は、約2年以上にわたって、主なレジスタンスが存在しない価格帯となるため、上値追いが続きやすい展開となることが考えられる。
ETH/BTCの過去の値動きを振り返ると、上図チャートでは、2021/3/22週と、6/21週の下落では、サポートに接することなく、翌週から反発局面となる事例があった。
一方、今回は1/24週の急落で既に接していることから、このまま反発すると決めつけるのは難しいと考えられる。
しかし、前回の10/18週の反発ではレジスタンスに接してから陽線をつけていること、2019-2021年のレジスタンスに着目すると、過去4度とも上値が接してから下落(逆行する下)ケースがあったため、このまま下がると決めるのも早計といえるかもしれない。
<下落シナリオ>平行チャネルを下抜け、平行チャネルの仲値、下限がレジスタンス
下落シナリオは、半年ぶりに平行チャネルの上限がブレイクされ価格が下方向に進む展開を想定する。
直近においては3度、平行チャンネルで下落を防いでおり、確固としたチャネルであった分、ブレイクされた時には影響が大きくなる可能性が高いかもしれない。
一度下落した場合において、平行チャネル仲値の0.051000BTC、下限0.041000BTC、0.028347BTCがターゲットとして反発が起こるのかを確認しながらの下値模索状況をみることが必要になる。
次に、ファンダメンタルズの観点からETH価格の下支え要因を考察する。
ETHは「NFT」市場における取引手段としての一面を持っていることから、「NFT」への関心も価格の下支えの一助となっている可能性が推察できる。
そこで、今回は、直近2回の反発のあった期間に焦点をあて、「NFT」検索数とETH/BTC価格の関係も考察する。
・「NFT」への関心の逓増に対し、ETH/BTCは軟調
Googleトレンド 検索:「NFT」, 場所:全世界
ETH/BTC (当社クローズレートETH/JPY BTC/JPYより合成)
上図は、2021/6/1~2022/1/24までのGoogleトレンドにおける「NFT」の検索数と、当社ETH/BTCの終値価格(Mid)の比較チャートである。
(図中の○印は前述のETH/BTCの反発した箇所を示している)
Googleトレンド:「NFT」検索数(左軸)は、その期間の検索数の最大値を100とし、0から100の相対的な数値で示している。
Googleトレンドに着目すると、9月から10月にかけて減少する傾向がみられたもののの、8月から概ね右肩上がりであり、日を追うごとに「NFT」検索数が増えているといえる。
直近では26日に、自民党のデジタル社会推進本部が「NFT政策検討プロジェクトチーム(PT)」の設置を発表しており、官民問わず「NFT」への関心が高まっているとうかがえる(1/27 CoinPost)。
次に、同期間のETH/BTC価格にも着目しよう。
ETH/BTC価格と「NFT」検索数の推移をみると、9月にかけての上昇・増加と、10月にかけての下落・減少、12月にかけての上昇・増加と、転換のタイミングが概ね一致しており、価格と「NFT」検索数に相関性が伺える。
この背景としては、NFTとの親和性が高いETHは、「NFT」への関心度合からETH/BTCの価格へ一定程度の影響を与えた可能性が考えられるだろう。
「NFT」への関心がETH/BTCの価格の下支えとなったとするならば、ETH/BTCは12月以降も「NFT」検索数とともに右肩上がりで上昇したと推定できるが、12月に入ってからのETH/BTCは軟調な動きを見せている。
引き続き「NFT」への関心の強さがETH/BTCのサポート要因と機能する展開は想定しやすいが、市場全体が冷え込む局面においてはアルトコインからの資金抜け(アルトコインの下落)とBTCの堅調化となる展開も想定する必要があるかもしれない。
以上を踏まえると、現在のETH/BTCの行方を考えるうえで、テクニカル&ファンダメンタルズの双方から材料を注目する必要がある局面といえそうだ。
(1/27 午後10:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
1/27の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は0.09%、中央値は0.40%、標準偏差は2.04%となった。
最大上昇銘柄はBAT/JPYの5.03%、最大下落銘柄はMONA/JPYの-4.41%。
最大上昇銘柄のBAT/JPYは、4日続伸。東京時間午後から底堅い推移となり、欧州時間に節目の90円を回復したことで上昇に勢いが付いた。
NY時間序盤には100円手前まで上昇したものの、その後BTC/JPYが下落したことにつれる格好で上げ幅を縮め、90円台前半でクローズを迎えた。
最大下落銘柄のMONA/JPYは東京時間午前に大きく下落し105円付近まで下押しした。
東京時間午後からNY時間序盤にかけては反発傾向にあったが、早朝の水準には届かずその後失速。上昇幅を失うほどの下落にはなっていないが頭の重い値動きが継続している。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
1/27の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は8.95%、中央値は9.55%、標準偏差は2.52%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPYで14.81%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPYで6.06%となった。
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