BTC(ビットコイン)、2022年は受難の年?気になるアノマリーとテクニカル

Daily Market Report 2022/1/18

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大事件なければ安定成長か?

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
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上図は、2014年から2021年までの1月の始値から12月の終値での騰落率を一覧にしたものである。

現状は、米連邦準備理事会(FRB)による金融引締めや早期利上げ議論により、ハイテク株を中心とした米国株式市場の下落等といったリスクオフ的な動きから暗号資産市場も売りに押されている状況である。

BTC(ビットコイン)も昨年11月の高値770万円付近から、現状は500万円を割り込む水準まで調整している状況となっている。

足元のBTCの下落は押し目買いの好機なのか、更なる下落トレンドの始まりであるのだろうか? 難しい局面を向かえているようだ。

まずはBTC/JPYの各年次の騰落率を確認したい。

上図を確認すると、年間でマイナス成長となった年次は2014年、2018年のみで、その他の年次はばらつきはあれどプラス成長を遂げている。

マイナス成長となった年次は、いずれも400億円を超える巨額の暗号資産流出事件が起こった年であり、暗号資産全体の信任が揺らいだが故に、中心的存在のBTCの価格も大きく毀損したと言えるかもしれない。

そのため、暗号資産市場自体に大きな不信感を抱かせる事件さえ起こらなければ、BTCは安定的に成長を遂げているとの見方も可能だろうか。

暗号資産(仮想通貨)は、従来の金融商品に比べ変動率の高い市場であるが、Web3.0のように新たなテクノロジーがより一層注目され、投資家がポートフォリオの一環に購入する動きが強くなる可能性も認識しておきたい。

この場合、期間の長い機関投資家の動きに乗る形で、1年を超えるバイ・アンド・ホールドは一つの戦略として有効かもしれないだろう。

一方で、冒頭の図を見てみると、BTCが4年おきに大きく下落していることは気になる点となる。当然、論理的な裏付けがなく、いわばアノマリーではあるものの、今年、2022年はアノマリーにおいては大きく下落する年となる。

しかしながら4年おきにマイナス成長となっている点は、後述するヘッド・アンド・ショルダーの形成とともにロング派にとっては懸念される材料となろうか。

次にハッシュレートとの関係性について確認する。

ハッシュレートは上昇継続だが…

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2021/1/1から2022/1/15までのBTC/JPYの終値とハッシュレートのグラフである。

2021/5に中国は暗号資産に対する規制強化を図り、中国国内でのマイニング行為への取り締まりを強化したことで、中国に拠点を置くマイニング業者が拠点移動を強いられる事態となった。

英ケンブリッジ大によると、2021/5時点で世界のマイニングシェアの4割以上を中国国内でのマイニングが占めており、マイニング業者の中国からの大規模な撤退がハッシュレート下落の一要因となり、一時58EH/sまでハッシュレートが落ち込んでいた。

その際にはハッシュレートの低下に伴いBTC/JPYの価格も下落しており、一時300万円割れを伺う水準まで下押しした。

中国での規制に対する反応が一巡したこともあってか、2021/8頃からハッシュレートとBTC/JPY価格は揃って上昇に転じ、2021/11にはBTC/JPYの価格が史上最高値を更新する場面も見られた。

しかし2021/12からはハッシュレートの上昇が継続する中、BTC/JPYの価格は下落に転じている。

2022/1/13には、ハッシュレートが過去最高値である218EH/sまで上昇しているものの、BTC/JPYは目立った反応なく軟調な値動きとなっており、ハッシュレートの上昇と相反する動きを続けている。

ここで、直近一年のハッシュレートとBTC/JPYの動きを確認すると、ある程度の相関性が見られることから、逆相関となっている現在の状態に修正がかかる可能性も考えられる。

逆相関の修正が発生すると、ハッシュレートが上昇傾向にある状況から、価格との相関が修正されるような状況、つまり、ハッシュレートが落ち込み、足元のBTC/JPYの値動きに同調するとともに、BTC/JPYの価格がハッシュレートの水準に合わせるような動きが考えやすいだろうか。

この場合、足元ではハッシュレートが190EH/s台となっており、過去、同様のハッシュレート水準時のBTC/JPY価格を援用すると、600~650万円台への戻りの可能性もありそうだ。

また、価格が反発した場合に、ハッシュレートが現水準を超えて上昇しているようであれば、マイナーの活性化に下支えされ、史上最高値更新を視野に入れた上昇相場へと展開していくかもしれない。

最後にテクニカル面について確認する。

ヘッド・アンド・ショルダーズ形成で大幅下落へ

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、BTC/JPYの週足チャート(期間:2020/11~現在)である。

BTC/JPYのチャート形状は、2021/11/8週の約780万円をヘッド、2021/9/6週・12/27週高値付近である約600万円をショルダーとする典型的なヘッド・アンド・ショルダーズトップを形成している途中であると見ることができようか。

この場合、12/27週高値を持って反発が頭打ちとなり、下落が継続するシナリオが想定される。

ネックラインは2021/9/20週安値である427万円となり、目先の下値目処として意識されよう。

もし同水準を割り込む事となる場合には、ヘッド・アンド・ショルダーズトップが成立することとなる。

ヘッド・アンド・ショルダーズトップが成立する場合、一般的にヘッドからネックラインまでの値幅分、ネックラインから下落した位置がターゲットプライスとして意識される。

今回であれば、427万円 -(780万円 - 427万円)=74万円がターゲットプライスとなるが、現水準からはいささか現実的ではない印象を受ける。

そのため、目先は2021年に年間を通じてサポートとなった水準である300万円が意識されると考えられ、しっかりとサポートとして機能するかに注目が必要だろう。

もし300万円を割り込む場合には2021年からの参加者全員が含み損を抱えることとなり、売りが売りを呼ぶ展開となる可能性もある。

そうなった場合、上述のターゲットプライス(74万円)も現実味を帯びてくる可能性があり、300万円付近での値動きには十分に警戒をしておきたい。

(1/18 午前6:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

1/17の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-3.22%、中央値は-4.17%、標準偏差は1.97%となった。

最大上昇銘柄はLTC/JPY0.90%、最大下落銘柄はENJ/JPY-6.93%

最大上昇銘柄のLTC/JPYは、NY時間序盤に節目の17,500円をわずかに上回る場面があったが、大台を攻略できずに反落。その後は一時16,500円付近まで下押しするなど、上値の重い展開が続き、当日の上昇幅の大部分を失った。

最大下落銘柄のENJ/JPYは、直近2日間の高値付近である285円手前で押し返され、大きく反落。285円で押し返されたのち、目立った反発がないまま下落を続け、1/12からの上昇幅をほぼ吐き出すこととなった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

1/17の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.81%、中央値は6.14%、標準偏差は2.14%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY10.39%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPY3.62%となった。

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2022-01-18
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