市場感応度2.58倍になったENJ(エンジンコイン)、2022年も注目の銘柄?

Daily Market Report 2022/1/17

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2021年、ENJ(エンジンコイン)のβ(ベータ)が急増

Tradingviewと当社クローズレートより時価総額をもとに当社作成

上図は、当社取扱銘柄の暗号資産の時価総額に対する月次β(ベータ)を2021年、2020年、2020-2021年の3期間について算出したランキングである。

βは市場感応度とも呼ばれ、主に市場平均(ベンチマーク)を上回るパフォーマンスを目指す投資家に注目される指標である。上の表では、暗号資産の時価総額をベンチマークに用いていることから、個別銘柄が暗号資産市場全体(以降、「市場」とする)から受ける影響の大きさの順位としてみることもできる。

一例として、10位のBTC(ビットコイン)をみてみると、2020年のβは1.04となっている。これは、2020年のBTCが市場の上昇局面では1.04倍大きく上昇し、下落局面では、1.04倍下落する傾向があったと換言することもできる。また、2021年のBTCのβは0.90であるが、これは2021年のBTCが市場の0.90倍動く傾向になった(≒前年より市場感応度が鈍くなった)ともいえる。

そして、2020年2月1日から2022年1月1日の2年を通してみると、BTCのβは1.00を下回ることとなった。

この期間の市場の時価総額とBTC/JPYを比較したのが下図である。

暗号資産の時価総額(USD):Tradingview(https://jp.tradingview.com/)
BTC/JPY:当社クローズレート より当社作成
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

2020年は市場、BTC/JPYとも3月前後のコロナショックを除き概ね上昇一辺倒となったが、上図、BTC/JPYのラインチャートをみても市場の面グラフに一度も触れることのないまま、翌年まで持ち越していることが確認できる。2020年のBTC/JPYは上昇局面で市場よりも高いパフォーマンスを示す傾向にあったようだ。

2021年の4月末からはBTC/JPYのラインチャートが市場の面グラフに接近するようになる。その後のBTC/JPYの値動きをみると、下落局面のBTC/JPYは市場全体のパフォーマンスを下回りにくく(赤矢印)、上昇局面では市場のパフォーマンスを上回りにくくなっていることが確認できる(青矢印)。

株式市場において、βの低い銘柄はディフェンシブ銘柄とも称されるが、確かに2021年からのBTCをみても市場動向に左右されにくくなったとみることができそうだ。

次に、ランキング1位のENJを考察する。

ENJ の2020年-2021年の2年通算βは1.56となっているが、2021年のβが2.58と前年の0.63から著しく増加したことによる可能性には留意する必要がありそうだ。

実際にこの期間の市場とENJ/JPYを比較したのが下図である。

暗号資産の時価総額(USD), ENJ/BTC:Tradingview(https://jp.tradingview.com/)
ENJ/BTCと当社クローズレートのBTC/JPYより当社作成
ENJ(エンジンコイン)のチャート・価格情報はこちら

まず、2020年1月から2020年末までの期間をみてみよう。ENJ/JPYのラインチャートは市場の面グラフを上回らないばかりか、年末にかけて市場の面グラフに出遅れる結果となっている。

2020年の市場パフォーマンスが概ね右肩上がりだったことを踏まえると、ENJ/JPYの2020年の低いβは前項のBTC/JPYのような下落局面での強さを発揮したからではなく、単に上昇局面で出遅れた結果であると推察できそうだ。

次に、2021年以降をみていこう。ENJ/JPYは年初からジリ高基調となり、2月から急騰を開始し、3月に上図の市場面グラフを上抜けた。

5月の下落では、市場の面グラフを再び下回るが(赤矢印)、市場の反発と概ね同タイミングで上昇し、11月には再び面グラフを超過している(青矢印右)。

これは、前項のBTC/JPYの上昇・下落とも鈍かった動きとは対象的であり、2021年のENJ/JPYの高いβを裏付ける動きであるといえそうだ。

以上を踏まえると、2022年以降の市場がレンジ展開となったとしても、ENJ/JPYが上昇・下落とも高い市場感応度をもつと見ておく必要がありそうだ。

この場合、金融市場が米金利の上層によってリスクオフとなり、暗号資産市場も収縮するような展開となれば、ENJはより大きく下落することになる。

反対に、懸念とは裏腹に金利上昇の影響が限定的となり、金融市場が引き続きリスクオンの状態から暗号資産市場ももう一段拡大する展開となれば、ENJはより大きく上昇する可能性が高まる。

2021年のENJ/JPYの急騰の背景や、今後の展開については、2021/12/28の当社レポート「年初来28倍上昇のENJ(エンジンコイン)。テクニカル指標からは更なる大躍進も?」も参照されたい。

(1/16 午後10:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

1/16の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-1.22%、中央値は-0.81%、標準偏差は1.10%となった。

最大上昇銘柄はENJ/JPY0.27%、最大下落銘柄はOMG/JPY-3.04%

最大上昇銘柄のENJ/JPYは、去年12月末から続く下落のトレンドの戻り目に価格が位置している。

最大下落銘柄のOMG/JPYは、下落基調。中期で緩やかに価格を下げているが、下落のトレンドラインにぶつかり価格を下げている印象だ。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

1/16の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は4.72%、中央値は4.21%、標準偏差は1.60%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY8.78%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPY2.31%となった。

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2022-01-17
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