XEM(ネム)、2021年を振り返って~価格はイベント次第なのか?~

Daily Market Report 2021/12/27

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XEM(ネム)の価格と出来高の推移

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

2021年、大型アップデートやハードフォークと何かとイベントに事欠かないXEMだったが、イベントによって価格や出来高、人々の関心、保有高にどのような影響があったのか振り返って見てみる。

上図は、2021年に入ってからのXEM/JPYの価格と出来高の推移である。

3月に実施された大型アップデート「カタパルト」の影響により、2月から3月の頭にかけて価格、出来高ともに上昇した。価格は3/3に81.48円に到達し、出来高も2/23に2,000億円を超えている。

そのあとの動きは、山高ければ谷深しとなった。

3月から6月にかけては下落の流れに歯止めがかからず、6/22には10.79円まで値を下げた。

7月からは売りも一巡したのか、12月現在にかけては下落の流れが一服し、価格は12円から26円の間を上下しながら低調な推移となった。

11/19頃に予定されていたXEMのハードフォーク「Harlock(ハーロック)」への期待感から価格と出来高がともに上昇した局面もあったが、3月に実施された「カタパルト」ほどの影響はなく、12/1にハードフォークが完了すると価格は下落した。

このことから価格と出来高ともにイベントに大きく左右されていることが読み取れる。次にGoogleTrendsの検索値から投資家たちの関心を調べてみよう。

XEMへの関心もイベント次第

キーワード「ネム」で検索したGoogleTrends結果および当社クローズレートより当社作成

上図は1/1から12/19までの期間において、キーワード「ネム」で検索したGoogleTrendsの結果である。指定した期間の中で、最も「ネム」というキーワードが検索された日を100として相対的な推移を示している。

「カタパルト」に沸いた3月にGoogleTrendsの検索値は100をマークし、その後は価格とともに下降の一途を辿った。

検索値は20を切る日々が続いたが、9月にオプトインと呼ばれるXYM(シンボル)の受領手続きを控えて検索値は25をマークし、10月と11月ではXEMのハードフォーク「ハーロック」を控えて検索値は23と若干上がった。

しかしそれでも「カタパルト」には及ばず、価格も人々の関心を反映して限定的な上昇にとどまった。

国内投資家の保有状況

JVCEA統計情報 (https://jvcea.or.jp/about/statistics/)より当社作成

上図はJVCEAが発表している国内の暗号資産交換業者における現物XEMの保有状況を表したものである。

2020年11月時点では20億XEMの保有高があったが、2021年3月には12.9億XEMとなっている。これは「カタパルト」の影響により価格が上昇したことを背景に国内投資家が利確売りに動いたことが読み取れる。

3月以降は緩やかに保有高は増加し、10月時点では14.5億XEMとなっている。これに円換算評価額を合わせて見てみると、3月以降の保有高は緩やかに増加しているのに対し、円換算評価額は6月まで減少が続き、6月以降に増加している。

6月までは価格の下落を背景に押し目買いが入り、XEMの保有高を引き上げていたことを示唆していると考えられる。

6月から10月末時点ではXEMの保有高と円換算評価額はともに増加しており、特に保有高は一定の水準を保ちながら増加していることからさほど9月のオプトインの影響は受けなかったように見受けられる。9月に円換算評価額が減少してるのは価格が下がったためである。

11月と12月の数値次第ではイベントとは関係なく投資家たちの買い意欲が回復しているのを確認できるかもしれない。

さて、そんなXEM/JPYのテクニカル分析を見てみよう。

フィボナッチ・リトレースメントによる分析

XEM/JPY 週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XEM(ネム)のチャート・価格情報はこちら

上図は、XEM/JPYの週足チャートに3/1の高値82.551円と6/21の安値8.788円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメント一目均衡表およびボリンジャーバンドを反映させたものである。

上図の通り、XEM/JPYの週足チャートはフィボナッチリトレースメントの白(0.0%:8.788円)と赤のライン(23.6%:26.196円)の間で推移し、ボリンジャーバンド2σの下限がサポートラインとして機能し、ぶつかったところで反発している状況である。

ボリンジャーバンドは縮小(スクイーズ)しており、今後上下どちらかに大きく値動きしそうにも見える。

<シナリオ1>:上昇シナリオ

上昇シナリオにおいては、まずフィボナッチの23.6%となる赤のラインである26.196円に注目したい。

ここは7月以降のレンジ相場の上限付近とも見られ、協力なレジスタンスとして機能している。

9月と10月の上昇においても赤ライン手前、25円付近で押し戻されており、上昇するには難なくクリアしておきたい価格であろう。

26.196円を抜けると次のターゲットはオレンジのライン(38.2%:36.965円)となる。

ただし、ここからは一目均衡表の分厚い雲が立ち込めており、相当上値の重い局面が続くことが考えられ、上昇シナリオの真価が問われる場面となってくる。

一目均衡表の雲をクリアするような強い基調となった場合は、オレンジのライン(38.2%:36.965円)、紫のライン(50.0%:45.670円)をも突き抜けることになり、再び白のライン(100.0%:82.551円)を目指す足取りは軽いかもしれない。

<シナリオ2>:下落シナリオ

下落シナリオにおいては、節目となる10円の維持に注目しておきたい。

ネムの価格は現在16円近辺で推移しており、節目となる20円を割りこんでいる状況だ。

足元はボリンジャーバンド2σの下限がサポートラインとして機能し、やや反発している状況であるが、上には赤のライン(23.6%:26.196円)と厚い雲が広がり、上昇のきっかけをつかめないでいる。

日数が経過し、いよいよ一目均衡表の雲下限が見えてくると、下落速度を速める局面となるかもしれない。

下落基調となった場合、節目である10円が維持できるかがポイントとなるだろうか。

ネムは11月以降の強い調整局面でも10円割れはなく維持されている価格であるが、ここを破られると今年6月の安値9.5円と白のライン(0.00%:8.788円)に近づく展開が想定しやすいか。

白のライン(0.00%:8.788円)がサポートラインとして機能しなければ、2020年の1月から7月の価格帯だった3.5円から5円までの下落も考えられるだろう。

(12/26午後 10:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

12/26の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.57%、中央値は-0.35%、標準偏差は2.03%となった。

最大上昇銘柄はXTZ/JPY4.12%、最大下落銘柄はLTC/JPY-3.35%

最大上昇銘柄のXTZ/JPYは、前日から底堅い値動きとなり続伸。

現在の価格帯は直近2週間の高値圏ともいえるラインに位置しており、このまま上放れるか、それとも一旦の調整入りとなるか、注目を集めつつある。

最大下落銘柄のLTC/JPYは、2日続落。

朝方から下落を加速させ、正午に一旦の底をつけたが、夜間に向けて再び軟調な動きとなった。

一方で、夜間から明け方にかけては戻り基調となった。今回の値動きが底入れのサインとされる「ダブルボトム」といえるのか見極めたいところだ。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

12/26の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.27%、中央値は5.62%、標準偏差は2.45%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXTZ/JPY11.24%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPYで3.00%となった。

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2021-12-27
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