BTC(ビットコイン):一目均衡表では買方優勢へ転換も ―200日移動平均割れで下落優勢も

Daily Market Report 2021/12/14

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BTCは「売方優勢・上昇優勢」の状況

◇チャートの環境認識

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、BTC/JPY日足チャートに一目均衡表(転換線期間:9日、基準線期間:26日、先行スパン2期間:52日)と4つの単純移動平均線(5日移動平均、21日移動平均、90日移動平均、200日移動平均)を設定した直近1ヶ月の図(期間:2021/11/5~現在)である。

本稿では、5日移動平均を超短期トレンド、21日移動平均を短期トレンド、90日移動平均を中期トレンド、200日移動平均を長期トレンドとして考察する。

一目均衡表(レンジ)でみた相場状況は、転換線が基準線を逆転、遅行スパンが実体を逆転、実勢は雲を逆転していることから、売方優勢(※)であることが分かる。
(※)売方優勢: 9日レンジ中央値(転換線)が26日レンジ中央値(基準線)を下回りボックス下げ相場である中、26日前の売方が含み益(買方は含み損)であることや、実勢が雲(抵抗帯)を割って推移していることで、売方が優勢であるということ。

一方で移動平均(トレンド)でみた相場状況は、上から90日移動平均(中期トレンド)、21日移動平均(短期トレンド)、200日移動平均(長期トレンド)の並び順で、上昇優勢(※)の状況であるが、200日移動平均に接近しており注意が必要な局面となる。
(※)上昇優勢:実勢が長期移動平均上で引けており、短中期移動平均と長期移動平均間の乖離によって上昇優勢継続が手厚い状況であるということ。

一目均衡表と移動平均を複合的に検討すると、一目均衡表から見る売方優勢の流れを移動平均200日で持ちこたえている状況が今のBTCの相場であると言える。

このまま、売方優勢が進むのか、反転の兆しが見えてくる局面となるかどうかは、200日移動平均のサポートにかかっているといっても言い過ぎでない展開となっている。

実勢が200日移動平均である長期移動平均をデスクロスすると、短中長期移動平均が揃って下向く公算であることから、同線同士のデスクロスを手始めに需給とトレンドが均衡を図ることで、下落優勢へと転換する展開も視野に入ってくる。

以上のチャート環境認識を踏まえ、<上昇シナリオ><下落シナリオ>について検討してみる。

◇シナリオの想定

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

シナリオを分析する前に、現在値から上下のレジスタンスとサポートを確認する。

現在値から想定できる上下のレジスタンスとサポートの候補は、次の4つが挙げられる。

中でも、レジスタンス1・サポート1は、優勢が転換しうる重要な価格として選定している。

レジスタンス2:616万円(21日移動平均、一目均衡表・雲下限、90日移動平均付近)
レジスタンス1:584万円(一目均衡表・基準線、12/7高値付近)
サポート1:520万円(200日移動平均、12/4以来の安値水準)
サポート2:465万円(9/24以来の安値水準)
補足:()内はテクニカルポイントを記載

<上昇シナリオ>:200日移動平均支持で「買方優勢」へ転換か

上述のチャート環境認識より、売方優勢・上昇優勢の状況から、価格はサポート1である520万円を下支えに上昇するシナリオとなる。

200日移動平均である520万円を割り込まず、日柄を重ねていく展開となれば、21日・90日移動平均線と200日移動平均線との間に乖離を確認できる局面となるため、トレンドと需給が均衡を図り、買方優勢へと転換する展開が想定される。

上げ相場中の押し目の候補としては、200日・5日移動平均が想定されるであろう。

同時に、上昇優勢継続を手厚くしている21日移動平均と90日・200日移動平均の乖離幅に注目しておきたい。

サポート1を下回らずに上昇する場合は、レジスタンス1である584万円(一目均衡表・基準線、12/7高値付近)の上抜けを始め、レジスタンス2である616万円(21日移動平均、一目均衡表・雲下限、90日移動平均付近)が一旦のターゲットとなりそうである。

サポート1を下抜けした場合には、21日・90日・200日移動平均が揃って下向き始めることから、需給とトレンドの均衡(※)を図る展開が想定でき、次の<下落シナリオ>が視野に入ってくる。
(※)需給とトレンドの均衡:売方優勢が継続するのであれば、トレンドは下落優勢となる水準を目指すという視点のこと。

下落シナリオ>:200日移動平均下抜けで「下落優勢」へ転換の兆し

サポート1である520万円を下抜けると200日移動平均を下方ブレイクすることになり、サポート2である465万円に向けて下落するシナリオとなる。

実勢が200日移動平均を下抜けると、21日・90日・200日移動平均が下向く公算で、トレンドと需給の均衡を意識され、下落優勢へと転換する展開が想定される。

下げ相場中の戻り目の候補としては、下向きの21日移動平均や、遅行スパン逆転中での基準線を意識される可能性がある。

サポート1を下抜けるとサポート2が一旦のターゲットとなるが、下落優勢の判断となる21日・90日・200日移動平均の並順に着目し、下落トレンドが継続となるかを見極めたい。

 (12/14 午前6:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

12/13の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-8.99%、中央値は-8.51%、標準偏差は2.11%となった。

最小下落銘柄はBTC/JPY-6.04%、最大下落銘柄はBAT/JPY-13.02%

最小下落銘柄のBTC/JPYは、下落トレンドを築く展開で、511万円(日足200日移動平均、日足21日移動平均-2σ、ピボットポイント・S3付近)で引けた。

最大下落銘柄のBAT/JPYは、133円(日足一目均衡表・転換線付近)で始まると、下落トレンドを形成。115円(日足一目均衡表・雲上限、ピボットポイント・S2付近)で下げ止まった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

12/13の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は13.93%、中央値は13.73%、標準偏差は2.40%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPY18.85%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY10.93%となった。

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2021-12-14
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