ETH(イーサリアム)、来年には100万円突破の可能性?

Daily Market Report 2021/12/06

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急落局面でも底堅いETH

今年を振り返ると、暗号資産価格は全体的に上昇を見せたと言える。例えばBTC(ビットコイン)の年初来騰落率は180%であり、強気相場を予想した投資家には良い一年であったようだ。

その一方で、暗号資産全体が突然の急騰・急落となった場面も多々あった。

12/4は、当日には目立った悪材料は無かったが、新型コロナの変異株の感染拡大懸念等が意識されたためか、暗号資産は全面安となり、当社取り扱い銘柄の平均騰落率も-13%と大幅安となった。

このようなリスクオフ局面において、ETHの底堅さが目立ちつつある。

ETH/BTC 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、ETH/BTCの週足チャート(期間:2021/1~現在)である。

一般的に、市場にリスクオフのムードが漂うと投資家は安全資産に資金を退避させる。暗号資産の中であれば、その退避先は時価総額トップのBTCであるため、急落局面等のBTCの下げ幅は、他の暗号資産に比べて小さい傾向にある。

この傾向自体に大きな変化は無さそうだが、BTCと同じく、ETHもリスク退避先としての役割を担いつつあるかもしれない。

そのポイントは、上図の3点である。

(1)5/17週 ETH/BTC大幅下落(BTC高)
中国国内でのマイニング規制報道による急落(5/24 ロイター)

(2)9/6週  ETH/BTC小幅下落(BTC高)
エルサルバドルのBTC法定通貨化による事実売り急落(9/8 Bloomberg)

(3)11/29週 ETH/BTC大幅上昇(ETH高)
上記(1)(2)(3)のいずれの週も、BTC価格が100万円近く下落した場面があった日を含んでおり、暗号資産全体が弱含んだタイミングである。

このようなリスクオフ局面で、ETHはBTCよりも買いが多く(売りが少なく)、地合の悪い環境でも選好される存在となりはじめているようだ。

以下、ETH/JPYの中長期トレンドを意識し今後のシナリオを記載する。

ETH/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ETH(イーサリアム)のチャート・価格情報はこちら

上昇シナリオ

上図はETH/JPYの週足チャート(期間:2021/1~現在)である。

上昇シナリオは、ETH/JPYの底堅い推移により上昇トレンド(上図黄色ライン)が継続するものである。

12/4(11/29週)の急落局面でも黄色ラインはサポートとして一定の機能を果たしたことから、このトレンドは強く意識できるラインでありそうだ。

上昇シナリオにおいては、まずは、過去最高値の550,000円(11/8週)が一つのターゲットとなるだろう。

また、DeFi市場や、メタ社(旧ファイスブック社)が構想を進めるメタバースと関係するNFT市場の拡大といった好材料次第では、年単位の上昇トレンド継続も考えられる。

このようなファンダメンタルズ材料の後押しにより、黄色ラインの上昇ペース(48,000円/月)が維持されれば、1年間で570,000円以上の上昇も考えられ、来年末には100万円の大台突破の可能性も見えてくるかもしれない。

下落シナリオ

一方で、ETH/JPYは暗号資産全体の下落局面でも下げ幅が限定的であることから、割高銘柄であるという見方もできる。

ETHの割高感が強く意識され、戻り売りに押される展開を想定するのが下落シナリオである。

ETH/JPYが個別材料に乏しい環境となれば、単純な心理的節目が強く意識される可能性が考えられそうだ。

上昇シナリオにおいて、キーとなるトレンドライン(黄色)を割り込むような展開となった場合、調整色は強まってきそうだ。

調整としての下落展開となった場合、400,000円(約3,500ドル)、340,000円(約3,000ドル)がひとまずの目安となろうか。

一方で、暗号資産は世界的な金融緩和による“金余り”に支えられていることも事実である。米FRBによる量的緩和の縮小(テーパリング)の早期実施が現実となれば、暗号資産市場への影響も当然あるだろう。

米国の利上げ局面が、暗号資産に悪影響となる展開となった場合、ETH/JPYも230,000円(約2,000ドル)、130,000円(1,000ドル)といった価格帯へ沈む可能性も視野に入れておく必要があるかもしれない。

年末にかけて、引続き、変動が高まる可能性には注意が必要であり、先日12/4のような大幅安が繰り返される可能性を考慮する必要もありそうだ。

(12/5 午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

12/5の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-2.30%、中央値は-3.27%、標準偏差は4.09%となった。

最大上昇銘柄はBAT/JPY7.06%、最大下落銘柄はQTUM/JPY-8.85%

最大上昇銘柄のBAT/JPYは日足の中期下落トレンドから、反転上昇し上方調整された。

最大下落銘柄のQTUM/JPYは午前中に付けた高値1,320円から反転下落しており、1,150円付近を推移している。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

12/5の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は11.13%、中央値は11.85%、標準偏差は3.79%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はQTUM/JPY18.28%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY4.57%となった。

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2021-12-06
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