ボラティリティ縮小中のBCH(ビットコインキャッシュ)、次の急拡大に備えて足場をチェック

Daily Market Report 2021/12/1

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ヒストリカル・ボラティリティ、昨年末の水準まで低下

BCH/JPY 週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図では、BCH/JPYの週足チャート(2020/8~現在)に当社取引ツールのヒストリカル・ボラティリティを描画している。

この期間におけるBCH/JPYの値動きを大まかに振り返ると、インフレヘッジとしての暗号資産への注目などを背景にBTCは2020年後半から上昇し、市場参加者の投資意欲も改善した。

決済手段としての採用や、XRP等の一部アルトコインの急騰が発生する中での循環物色も背景にBCHにも買いが集まり、2021/5には、17万円台に到達している。

その後、5月月中旬からは一転してBCH/JPYは下落基調となった。

テスラ社のBTC決済の延期発表や、中国による暗号資産への規制が強まるなかで、暗号資産市場は冷え込み、BCH/JPYは40,845円を記録、2021/2の水準まで値を切り下げた。

8月以降においてはBTCや主要アルトコインを中心に反発上昇、底堅い展開が継続している。BCH/JPYも下値を切り上げ、上昇基調であることが伺えるが、BTCやETHが5月高値を回復し、年初来高値を更新している状況と比較すると、BCHは上値の重い印象である

次に上図チャートのヒストリカル・ボラティリティ(以下HV)を確認しよう。

HVはBCHの価格推移と似たような推移をしていることが分かる。年初より上昇し、5月の急落時に500付近へ到達してからは、ほぼ一貫して切り下げており、現在のHV、106はBCH/JPYが本格的な上昇に入る前の2020/11頃の水準といえる。

暗号資産に限らず、ボラティリティが縮小した銘柄は再び急拡大し、上昇または下落のトレンドが発生することが頻繁にみられる。昨年11月のBCHをみても、ボラティリティが100未満まで縮小したのち、上放れており、1年ぶりの100割れ水準を試している現状は注目しておきたい局面であるといえる。

現在の相場環境は、新型コロナウイルス変異株の広がりと各国の対応策、米国の金利動向に左右される展開となっている。

仮に2020年の株式市場のように中長期的には回復(≒反発)に向かうと想定した場合、下押し後の上昇となるとしても、どこまで下押すかは判断の難しい展開であるといえそうだ。

今回はフィボナッチの数値を利用したパターン分析の一つ、ハーモニックパターンを用いて、「下落後反発のシナリオ」における、反発に向かうまでの下値を算出してみる。

3万円を足場とした将来的な反発も視野?

BCH/JPY 週足Askチャート(当社取引ツールより作成)

上図では、短期的には下落、中長期的には上昇という展開を想定し、今後の下値の目処を算出するための一例として、BCH/JPYの週足チャートがハーモニックパターン(フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析の一種)の成立要件を満たしている点に着目し、「バタフライ」と呼ばれるパターンを描画している。

「バタフライ」の成立要件は、以下4点となる。

1.(B)は、(X)-(A)の78.6%リトレースメント(上図では78.66%(※))
(※)(A)-(B)の値幅/(A)-(X)の値幅=78.66%となる

2.(C)は、(A)-(B)の38.2% – 88.6%リトレースメント(上図では85.6%)

3.(D)は、(X)-(A)の127.2%リトレースメント(上図では30,647円となる)

4.(D)が反転のポイントとなり、このとき(B)-(C)の161.8%-224.0%プロジェクションとなる(上図、30,647円の場合は179.2%)

まず、BCH/JPYは2,3,4の条件に収まっているようだ。そして、条件1の「78.6%」が「バタフライ」を発見するうえでの鬼門となるが、今回のBCH/JPYは78.66%と「バタフライ」の理想値に極めて近い点に注目しておきたい。

最後に上述の「バタフライ」を踏まえ、今後のシナリオについて整理をする。

1.<下押し局面>

まず、現在のリスク資産に席捲している弱気色が強まり、9/27週の安値(B)53,220円を下抜けした場合、更に一段押し下げられた7/19週の安値(X)43,295円を一つのターゲットプライスとして想定しておきたい。

その後(X)43,295円を下抜けした場合、BCH/JPYは2021/2以降、(X)未満の価格帯にサポートとなりうる節目がなく、一段の下落を視野に入れておきたい。

このようなケースであると、上図(D)30,647円が一つの目標となりそうだ。

2.<反発局面>

上記のシナリオのように30,647辺りまで下落すると、3万円の心理的節目を足場とした買いにより、反発上昇する流れが考えられる。

下落時に揉み合った価格帯を意識しつつ、(X)43,259→(B)53,220→(C)84,526円のよう、ハーモニックパターンの節目を意識するのも良いだろう。

なお、2で述べた心理的節目である3万円を割りこむような展開となった場合は、2020年の水準に市場が押し戻されることになる。このケースでは損切りの加速からさらなる下落を呼び込む可能性も考えられるため、注意しておきたい。

 (11/30 午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

11/30の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.38%、中央値は-0.19%、標準偏差は3.39%となった。

最大上昇銘柄はQTUM/JPY4.48%、最大下落銘柄はBAT/JPY-8.13%

最大上昇銘柄のQTUM/JPYは、11/19に付けた安値1,550円付近を再度タッチし、反発上昇した。

最大下落銘柄のBAT/JPYは、長期上昇トレンドの調整局面で価格推移している。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

11/30の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.33%、中央値は7.27%、標準偏差は2.90%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はQTUM/JPY13.85%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPY5.46%となった。

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2021-12-01
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