リスクオフの今こそ見たいRSIランキング:逆行高のBAT(ベーシック アテンション トークン)は年初来高値へ

Daily Market Report 2021/11/29

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暗号資産市場もリスクオフに巻き込まれたか

11/27 RSI(14日間終値)ランキング
当社クローズレート(Mid, 11/28 7:00算出)より作成

上図は11/28 午前7時に算出した当社取扱銘柄のRSIランキングである。

RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は相場の加熱感を示す指標であり、50を基準として100に近づくほど買いが強く、0に近づくほど売りが強いとされる。)

11/26は新型コロナウイルスの変異株確認を契機として、リスクオフの流れが加速。全世界同時株安となった。

暗号資産市場もリスクオフの影響が波及して下落基調が強くなった。、上図ランキングをみると、12銘柄中11銘柄のRSIが50割れとなっている。

11/9のレポートに記載している月初のRSIでは、12銘柄の全てが60%を超える水準とであったが、足元においては市場参加者が「買い」から「売り」へ傾いたようだ。

RSIの売られすぎを示す分水嶺は30未満とされるが、ETC、BTC、OMG、XRPの4銘柄は30を下回っており、中でもOMG、XRPの2銘柄は20を下回り19台の水準まで下落している。

これらの銘柄は、さすがに“売られ過ぎ“の水準から自律反発的な上昇となる可能性が高くなる展開が想定しやすいか。

一方で、1位のBATは78もの高水準を保っており、下落基調の中で逆行高である点にも注目しておきたい。

BAT/JPYの価格は10月末の急騰を経て、11月は概ね100円から150円のレンジ幅で推移してきたが、25日に再度上昇を加速させて上放れると、26日午前には7ヶ月以上前につけた年初来高値(173.03円)を更新した。

地合いの悪さもあり、26日午後には往って来いとなったが、翌27日に切り返し、28日に再び年初来高値を更新している。

現在のBATの力強さの源泉としては、11/9のBrave(BATをトークンとして用いるブラウザ)による暗号資産「SOL」ネットワークの機能統合の発表(11/9 CoinPost)が挙げられ、他の銘柄と違い、ファンダメンタルズ材料が逆行高のエンジンとなっているようだ。

また、週末のリスクオフの影響から逃避した資金の向かい先として、逆行高で注目を集めていたBATに向かいやすくなったともみることもできそうだ。

次に、フィボナッチ・リトレースメントを用いて、BATの今後の展開について分析してみる。

28日の高値は127.2%

BAT/JPY日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BAT(ベーシック アテンション トークン)のチャート・価格情報はこちら

上図では、BAT/JPYの日足チャートの2021/4/9高値(173.039円)から6/22安値(44.869円)に当社取引ツールのフィボナッチ・リトレースメントを反映させている。

過去にサポート&レジスタンスとして機能した価格は23.6%, 50.0%, 76.4%, 127.2%で、このうち、50.0%の黃矢印のように、50.0%, 76.4%, 100.0% では反発後、上昇の展開となった実績から、特に意識されている価格帯とみることができそうである。

以上の状況を踏まえ、以下のシナリオについて検討してみる。

<シナリオ1>:100.0%で反発し、127.2%を突破、161.8%ラインを目指す展開

直近では、28日の日中に127.2%から100.0%の間で推移し、短期的なレンジ展開の様相となっている。

レンジでのもみ合い後、100%レベルとなる173円台が維持できれば、ここを足場として再び上昇するのがシナリオ1となる。

173円を足場とした上昇において、次のターゲットとなる127.2%の173円であるが、さらにこのレベルを抜けるようであれば、白矢印のように、次のフィボナッチ・リトレースメントの節目となる161.8%(252.248円)を目指した続伸の可能性が考えられるだろう。

<シナリオ2>:100.0%を下抜けるも、76.4%で踏みとどまる展開

シナリオ2はRSIが78となっている過熱感に着目し、短期的な調整から142円に向けて下落するシナリオとなる。

このシナリオにおいても、100.0%水準である173円がシナリオ1と同様にキープライスとなる。

173円を割り込むようであると調整色が強まり、76.4%水準の142円台へ下落する可能性が高くなってくる。

ただし、ファンダメンタルズ材料があるBATにおいて、142円からさらに下落するには他の材料が必要となる。

このため、142円を下抜ける場面があっても一時的な調整となり、10月末の高値付近が意識され、76.4%(142.791円)をサポートに踏みとどまる展開が考えられる。

反発後は、テクニカルとファンダメンタルズ材料をにらみながら、当面は76.4%から100.0%のレンジ相場への移行する可能性がこのシナリオにおいては高くなる。

<シナリオ3>:100.0%、76.4%を下抜け、10月末の急騰から往って来いの展開

最後のシナリオ3はRSIの過熱感と新たな買い材料がなく、再度、10月の反発前の水準である70円台に押し戻されるシナリオとなる。

上述のフィボナッチポイントである173円、142円があっさりと短期間で割込まれるようであると、下落が加速し、10月末の上昇を打ち消す展開も考えられる。

これは、現在の新型コロナウイルス変異株の悪影響が強く認識され、金融市場全般にリスクオフが加速した場合に起こりうるシナリオとなる。

一方で新型コロナウイルス変異株の影響が大きくない場合は、再度リスクオンとなる可能性が高くなるが、この場合にはBATから他の暗号資産へと資金が逆回転し、BATでは調整色が強まる相場展開となる可能性に留意しておきたい。

(11/28 午後10:00時点)

銘柄別価格前日比  (%)

社内データより作成

11/28の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.68%、中央値は0.83%、標準偏差は3.04%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPY4.38%、最大下落銘柄はBAT/JPY-7.82%

最大上昇銘柄のETH/JPYは、朝から軟調な値動きが続いたが、翌午前3時頃に底値をつけると反発し、クローズ時点には前日の終値を上回る結果となった。

最大下落銘柄のBAT/JPYは、午前10時頃と午後8時頃に下落し、翌午前3時以降反発するも弱く、一日を通して軟調な推移となった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

11/28の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は9.18%、中央値は7.88%、標準偏差は4.79%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPY24.75%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はETC/JPY5.87%となった。

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2021-11-29
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