日足と週足で景色の違うXEM(ネム)、どちらを重視?

Daily Market Report 2021/11/05

_

圧倒的弱さは変わらず

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
XEM(ネム)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2021年初から11/3時点までの当社取り扱い銘柄の騰落率ランキングと、2021/8/1から執筆時点までのXEM/JPYの出来高(棒グラフ)と終値(折れ線グラフ)を表したものである。

上昇率1位は974.3%のETC(イーサクラシック)。ETCは1/1の価格水準が低かったことに加え、今年5月の上昇時の上げ幅が驚異的であったことで、足元の5,000~6,000円台での軟調推移となる中でも、1/1比の上昇率は高い水準を保っている。

2位のQTUM(クアンタム)は、12月に初の半減期が予定され、4位のOMG(オーエムジー)は、11月中旬にエアドロップの実施が予定されている。

目先にポジティブな独自材料を持っている銘柄は、期待感での買いも入りやすく騰落率の上昇に繋がったと考えられる。

3位はETH(イーサリアム)の596.2%。ETHはDeFi(分散型金融)市場拡大での需要や、メタバース関連銘柄として選好されており、史上最高値を更新するほど力強い上昇を見せている。

一方で騰落率最下位はXEM(ネム)の3.6%。XEMは10月時点で、年初来上昇率がマイナスであったが(Daily Market Report 2021/10/20「年初来からの上昇率が目立つQTUM(クアンタム)、今後の展開は?」内ランキング表 参照)、執筆時点ではプラス水準に回復している。

しかし、他銘柄に比べて圧倒的に弱い状況は相変わらずで、次点で上昇率の低いMONA(モナーコイン、29.2%)にも大きく水をあけられている状況だ。

ここでXEMの出来高と終値の価格推移を確認すると、9/6に高値24.90円をつけた以後、押し並べて100億円以下の出来高となり取引が細る中、価格も軟調推移となっていた。

10/28以降、価格が持ち直すと出来高も増加傾向にあり、11/3には9月以来の200億円超えまで出来高が増加している。XEMに市場参加者の注目が集まり始めた可能性がある一方で、9月の様に一時的な出来高の増加に留まる可能性もある。

今後出来高が振るわない場合、価格が一旦ピークアウトする可能性もあり、出来高推移には注目をしておく必要がありそうだ。

次にテクニカル面で、上下のターゲットプライスについて考察したい。

上昇シナリオ:複数の上昇シグナルでの続伸

XEM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、XEM/JPY の日足チャート(2021/5~執筆時点)に、一目均衡表と200日移動平均線(上図 白線)、サポートライン(上図 水色破線)・レジスタンスライン(上図 黄色破線)及びフィボナッチ・リトレースメント(5/7-6/22下落)を描画したチャートである。

現在XEM/JPYは、10/21の当社レポート(Daily Market Report 2021/10/21「一人負けのXEM(ネム)、10月下落アノマリー否定となるか?」参照)において言及した、三角持ち合いを上方ブレイクし、200日移動平均線よりも上で価格推移している

加えて日足一目均衡表では、ローソク足が雲上の水準へしっかりと上抜けし、遅行線はローソク足以上の水準にあることで、2種類の上昇シグナル(好転)が点灯している。

執筆時点で転換線と基準線は同一数値となっており、三役好転については成立したと断言出来ない状況ではあるが、基準線と転換線の計算方法を考慮すると、これから先の数日間で価格が10/27安値を下回るような動きにならない限り、三役好転の上昇シグナルが発生することとなる。(※)

(※)今回の場合、基準線が当日含め過去26日間、転換線が当日含め過去9日間の最高値・最安値を用いて水準の計算を行う。
現時点では両者とも、最高値に11/3高値、最安値に10/27安値を用いて価格が計算されるため、同様の数値となり線が重なりあう。
しかし短期線である転換線は、ここから10/27安値を更新しない限り、計算上の最安値が切り上がることとなり、転換線は基準線以上となることが見込まれる。

上昇する場合のターゲットプライスは、まず9/6に頭を抑えられた水準である25.00円や、フィボナッチ・リトレースメントの半値戻し水準である26.83円が想定される。

その後、さらに上値追いが継続して、相場に勢いがある場合においては全戻し水準である5/7高値44.88円の奪還を目指した上昇相場となる可能性もあるだろう。

次に下落シナリオであるが、週足チャートを確認すると日足チャートとはまた違った景色が広がっている。

下落シナリオ:週足での抵抗帯に阻まれ、ダブルトップ成立

XEM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上記は、XEM/JPY の週足チャート(2021/4~執筆時点)に、一目均衡表とダブルトップ形状(上図 黄色矢印)を図示したものである。

下落シナリオは、25円を回復しきれず、11/3高値24.09円で頭打ちとなり下落に転ずるシナリオである。

日足で確認すると、目先9/6高値以外には目立ったレジスタンスが見当たらないが、週足では一目均衡表・転換線や今年5月以降上値を抑えており、52週移動平均線が25円前後に集まっている。

足元では25円に届かず押し戻されたが、こうしたレジスタンスが意識され、伸び悩んだ可能性もある。

また、一目均衡表を確認すると三役逆転状態となっており、中期的には下落傾向にある状況と判断できよう。

9/6高値24.90円を一番天井、11/3高値24.09円を二番天井と見た場合、ネックラインは9/29安値である13.86円となるため、まずはここが目先の下値目処となろうか。

もしネックラインを明確に割り込む場合、ダブルトップ形状が成立することとなる。

この場合、二番天井からネックラインまでの値幅分、ネックラインから下落した位置がターゲットプライスとして意識される。

そのため今回であれば、13.86円 -(24.09円 - 13.86円)=3.63円がターゲットプライスとなる。

現在価格の21円から考えると80%以上下落した水準となり、簡単に到達する水準とは言えないが、2019~2020年の停滞期の中心的な価格帯であったことを考慮すると、決して非現実的な価格でもないだろう。

下落が進み、今年6月以来の10円割れとなり、価格が一桁台へ突入する場合はターゲットプライスを目指した強い下落となる可能性も想定したい

(11/5 午前6:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

11/4の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-1.34%、中央値は-2.80%、標準偏差は5.85%となった。

最大上昇銘柄はOMG/JPY17.72%、最大下落銘柄はXEM/JPY-5.45%

最大上昇銘柄のOMG/JPYは、大陽線を描き、節目の2,000円台手前まで上昇。今月にエアドロップを控えていることがサポートとなったのか、当社取り扱い銘柄唯一の上昇となった。

最大下落銘柄のXEM/JPYは、11/3に高値24.09円をつけたものの、その後は下落傾向が継続している。現時点では大台である20円割れは回避しているものの、反発力に乏しく、先安感の残る状況となった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

11/4の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.00 %、中央値は7.34%、標準偏差は3.14%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY16.71%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY4.20%となった。

◆本資料においてお客様に提供される情報は、株式会社DMM Bitcoinが収集・作成等したものです。

◆本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。

◆本資料は、本資料作成時点で株式会社DMM Bitcoinが信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

◆本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、株式会社DMM Bitcoinおよび本情報提供者は一切の責任を負いません。

◆本資料のグラフ・データ等は、過去の実績または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。

◆本資料に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は、株式会社DMM Bitcoinまたは権利者に帰属します。お客様は、本資料に表示されている情報をお客様自身のためにのみ利用するものとし、第三者への提供、再配信、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。

2021-11-05
ページTOPへ