堅調推移のBTC(ビットコイン) ~ETH・XRPとの比較から~

Daily Market Report 2021/11/01

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アルト勢には見劣るがプラス成長のBTC

当社クローズレートより作成

上図は2021年のBTC/JPY、ETH/JPY、XRP/JPYの騰落率をグラフにしたものである(1/1基準)。

10/30時点において、ETHが548%、XRPが397%、BTCが132%の上昇となっており、BTCはアルトコイン勢に若干見劣りするものの、着実に上値を伸ばしてプラス成長を遂げている。

アルトの活況に押され気味

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は2021年以降のBTC、ETH、XRPのドミナンス推移とその騰落率(1/1基準)の推移を表したものである。
(※)ドミナンス:暗号資産市場全体の時価総額を100%とした時に、各銘柄の時価総額が何%かを示す指標。

現時点の各銘柄ドミナンスはBTC44.7%、ETH19.5%、XRP1.9%とBTCのドミナンスが大きい。ETHは19.5%とBTC半分以下、XRPに至っては1.9%とETHに対しても大きく引き離されている。

一方で、三銘柄のドミナンス騰落率に目を移してみると、BTCのドミナンスが低下しているのに対し、ETHとXRPが上昇していることに気づくだろう。

年初来からの価格上昇を背景に時価総額を伸ばしてドミナンスを獲得してきたのだ。BTCも価格上昇を背景に時価総額を伸ばしてきたが、アルト勢の伸び率の方が大きく、押された格好だ。

次に日々の価格の変化から価格上昇の背景とBTCとETH・XRPの特徴を探ってみよう。

日次変化率

当社クローズレートより作成

上図は2021年1月1日から10月29日までのBTC/JPY、ETH/JPY、XRP/JPYの日次変化率の分布である(日次変化率は、前日の終値から当日の終値の変動幅をX%で示したもの)。三銘柄とも±2%以内に分布が集中し、また、1/1以降の302日のうち、上昇した日が半数以上を占めている。以下に整理する。

【BTC/JPY】
±2%以内:120(39.74%)
プラス:161(53.31%)

【ETH/JPY】
±2%以内:100(33.11%)
プラス:173(57.28%)

【XRP/JPY】
±2%以内:100(33.11%)
プラス:156(51.66%)

プラス上昇となった回数が多い順はETH>BTC>XRPである。

年初来からの価格騰落率の大きさの順はETH>XRP>BTCであるため、意外な結果となった。この背景にはXRPのボラティリティの高さがあると考えられる。

BTCの裾野は上下ともに15%程度なのに対し、ETHは25%、XRPは下は30%、上は45%程度となっている。日々の上昇回数はBTCより少ないが、XRPは急騰が複数回あった。そのためBTCよりもXRPの騰落率が高くなったということが考えられる。

最後にBTCの価格推移についてテクニカルの視点から検証してみよう。

フィボナッチ・リトレースメントによる分析

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、BTC/JPYの日足チャートに2021/7/20の安値3,184,115円と2021/10/20の高値7,653,063円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメント一目均衡表、及びボリンジャーバンドを反映させたものである。

<シナリオ1>:上昇シナリオ

直近のターゲットは白ライン(0%水準:765.3万円)が想定される。

10/20- 10/21において、白ラインの765.3万円でピークアウトした後、現状は白ライン(0%水準:765.3万円)と赤ライン(23.6%:659.8万円)の間で推移している。

下値サポートは23.6%ラインの659.8万円(上図赤線)が想定され、サポートされた場合は再度765.3万円の白ラインを目指す値動きになる可能性もある。

また、765.3万円はボリンジャーバンド2σの上限近辺でもあり、強く意識されるであろう。そのため、再びトライして上抜けした場合においてはBTCJPY = 800万円、900万円の史上最高値更新が再び見えてくるかもしれない。

<シナリオ2>:下落シナリオ

直近のターゲットは赤ライン(23.6%:659.8万円)が想定される。

10/28に一度同価格帯を下回るも、現在は価格を戻しての推移となっている。また、先の方では赤ライン付近で雲が広がり、サポートとして機能してくれる可能性も考えられる。

早々に赤いラインを下抜けした場合、一目均衡表の雲が薄い状況から、仕掛け的な短期筋の売り崩しには注意が必要か。

この場合、38.2%水準(上図黄線)594.5万円、50%水準(上図紫線)541.8万円に注目しておきたい。これらのラインが破られるようであると、下落シナリオにおいては、500万円割れも視野にいれておきたい。

(10/31 午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

10/31の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は1.13%、中央値は2.12%、標準偏差は7.80%となった。

最大上昇銘柄はQTUM/JPY12.50%、最大下落銘柄はBAT/JPY-21.98%

最大上昇銘柄のQTUM/JPYは1,390円(ピボットポイント・S1付近)で底打ち急伸。一旦は1,620円(日足21日移動平均+3σ付近)で引ける形となった。

最大下落銘柄のBAT/JPYは、昨日の急騰による日足21日RSIが買われ過ぎ圏(70%以上)に突入したことを受けて調整。110円(日足一目均衡表・転換線、ピボットポイント・S1付近)をサポートとして意識された。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

10/31の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は10.89%、中央値は7.34%、標準偏差は10.11%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPY41.94%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY3.67%となった。

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2021-11-01
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