反発か反落か、岐路に立つLTC(ライトコイン)

Daily Market Report 2021/10/29

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出来高と価格推移の関係性に変化が?

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
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上図は、2021/7/1から執筆時点までのLTC/JPY(ライトコイン)の出来高(棒グラフ)と終値(折れ線グラフ)を表したものである。

上図でLTC/JPYは、年初来安値11,062円をつけた7/20を起点に反発傾向を見せており、価格の上昇に併せて、出来高も増加傾向にあった

米ウォルマートが決済にLTCを導入するというフェイクニュース(9/13 Reuters)により、9/13に出来高が急増するイレギュラーがあったものの、直近高値25,190円をつけた9/6前後(上図 青枠部分)で、出来高が一旦ピークアウトしていることがわかる。

その後、9月下旬にかけ出来高の減少を伴って価格が下落しており、出来高と価格の推移は、上下どちらの方向でも概ね正の相関性にある状況となっていた。(上図 水色矢印)

しかし、直近安値15,367円をつけた9/29を起点にした動きは、価格が上昇しているにもかかわらず、出来高は減少傾向にあり、出来高と価格の関係性に変化が生じていることが読み取れる(上図 緑矢印)。

出来高の減少は、注目度や新規資金を引きつける魅力が低下していると捉えることもできるため、たとえ価格が上昇していても、相場に弱さが内包されていると考えられる。

価格と出来高が逆相関を描き始めたことにより、価格が確実に下落に向かうと言えるわけではないが、先々の上昇力の低下に注意をしておきたいところだろう。

価格は執筆時点で20,000円台を保っており、7月以降の値動きに限れば比較的高値圏にあるため、上昇に陰りが見えた場合、値幅を伴った下落にも警戒する必要がありそうだ。

一方、テクニカル面を確認すると、LTCは今後の上下の方向を決める岐路に立っている状況に見受けられる。

本日は、重要局面となっているLTCについて、今後の値動きについて考えていく。

上昇シナリオ ~エリオット波動・推進3波成立を目指した上昇~

LTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、LTC/JPYの日足チャートにエリオット波動(上図 水色矢印)と一目均衡表を描画したものである。
(※)エリオット波動:「相場にはサイクルがあり、値動きには一定のリズムがある」という仮説を元に「上昇5波・下降3波」と周期性をもって動く規則性をラルフ・ネルソン・エリオットが編み出した相場分析法。

エリオット波動においては、7/20~9/6の上昇をエリオット波動の推進1波、9/6~9/29の下落を推進2波と見た場合、9/29からの上昇を推進3波としてLTC/JPYの上昇が継続すると見るシナリオである。

足元のLTC/JPYは、9/29安値15,367円を起点に上昇傾向にあり、10/21に9/6高値25,190円に接近した。

10/21以降、LTC/JPYは伸び悩んでいるものの、日足一目均衡表では三役好転状態(上図 吹出A・B・C)を維持しており、まだ上昇傾向が崩れたとは断定できない状況である。

一目均衡表のしっかりとしたシグナルは、エリオット波動における推進3波の形成途中の補強として捉えることも可能だろう。

視点を変えて、エリオット波動の長さに着目してみるとどのようなことが言えるであろうか。エリオット波動は一般的に上昇5波動のうち、第3波が最も短くなることはないとされる。

そこで、推進1波から第3波の可能性を想定してみると、以下ようなことが言える。

・推進1波:7/20安値11,062円から9/6高値25,190円への上昇
・価格差分:25,190円-11,062円=14,128円

→推進3波の成立には、始点から少なくとも14,000円以上の伸びが必要になる。

エリオット波動における推進3波のターゲットはのようになる。

・推進3波の始点:9/29安値である15,367円
・価格差分:15,367円+14,128円=29,271円

エリオット波動の形成途中と見るならば、29,271円がターゲットとなり、大台である30,000円を超える上昇の可能性があると言えそうだ。

下落シナリオ ~ダブルトップの成立~

LTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図はLTC /JPYの日足チャートにダブルトップ形状(上図 黄色矢印)を図示したものである。

下落シナリオは、直近の上昇が10/21の高値をもって頭打ちとなり、下落に転ずるシナリオである。

現在の水準から下落を続ける場合、直近の安値が集まりサポートとなっている15,000円が目先のターゲットプライスとなろうか。

もし15,000円を割り込むこととなる場合、15,000円をネックライン、9/6高値25,190円と10/21高値24,047円をそれぞれ天井とした、ダブルトップ形状が成立することとなる。

ダブルトップが成立する場合、一般的に二番天井からネックラインまでの値幅分、ネックラインから下落した位置がターゲットプライスとして意識される。

今回であれば、15,000円 -(24,047円 - 15,000円)≒6,000円がターゲットプライスとなり、これは2020/11以来の安値水準となる。

現在価格の21,000円からターゲットプライスの6,000円までには、年初来安値である7/20安値11,062円や、大台である10,000円など一定の下支えに期待できるサポート帯も見受けられ、易易と到達できる水準ではないと考えられる。

しかし、そうしたサポートが陥落し、10,000円以下の水準まで下落すると、目立ったサポートラインも見当たらず、悲観的なムードが強まることとなろう。

損切りや順張りでの売り圧力が高まり、徐々に下値を拡大する値動きを続け、ターゲットプライスを目指した動きになる可能性も想定しておきたい。

(10/28 午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

10/28の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.99%、中央値は3.47%、標準偏差は1.97%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPY6.03%、最大下落銘柄はOMG/JPY-0.95%

最大上昇銘柄のETH/JPYは反発上昇。45万円まで価格を落としていたが、昨日の下げ幅を全て戻し、48万円まで上昇することとなった。

最大下落銘柄のOMG/JPYは3日続落。売り優勢の展開が継続し1,400円前半台での推移となった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

10/28の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.64%、中央値は8.74%、標準偏差は1.11%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPY10.30%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はOMG/JPY6.34%となった。

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2021-10-29
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