BTC(ビットコイン)、大型アップデート織り込みか。今知りたい注目指標とは?

Daily Market Report 2021/10/26

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BTC(ビットコイン)、今後の動きは?

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は2021/8/27を起点とした当社取扱い銘柄の過去60日間の騰落率を比較したグラフである。また、下表はそのランキングである。

ポイントとしては下記の点があげられる。

OMGの騰落率は140%超と他銘柄を引き離して上昇
BTCは過去60日騰落率で29%上昇と3位を記録
XRP、MONA、ETC、XEM、BATなど失速気味の銘柄も目立つ

ランキング1位のOMG(オーエムジー)は騰落率147%。10月上旬に一時179%上昇、年初来高値を更新する展開となり、その後も堅調な推移となっている。(詳しくは「OMG(オーエムジー)年初来高値更新!史上最高値目指して続伸なるか。」参照)

BTC(ビットコイン)はOMGと同様に年初来高値を更新しているが、わずかながらETH(イーサリアム)の騰落率を下回り、騰落率29%でランキング第3位を記録することとなった。

今回の騰落率を確認すると、7位のBCH(ビットコインキャッシュ)より下の順位を記録した銘柄は過去60日間騰落率でマイナスのパフォーマンスとなっている。

暗号資産時価総額が一時2.7兆ドルまで上昇したことで、世界時価総額ランキング1位のApple(時価総額2.4兆ドル)を超える一大マーケットとなったが、個別銘柄でみると8月の高値を超えられず、伸び悩みをみせている銘柄もあり、10月の上昇は全ての銘柄が時価総額上昇の恩恵を受けたとはいえないようだ。

BTCに着目すると、足元の価格7,200,000円は前月比46.43%の上昇となっており、これは過去の10月の価格変化率で2017年10月の64.25%に次ぐ上昇である。

ただし、年初来高値を更新した後は、上値の重さが意識される展開となっているのは事実であり、材料不足から一旦の調整を警戒する声も聞かれる。

BTCはこのまま年末ラリー相場を迎えるのか、それとも反動安となるのか。

今回は景気に敏感に反応する銅と、暗号資産インデックスとの比較から、BTCの相場展開を確認したい。

BTC(ビットコイン) vs 銅

Bloombergより当社作成

上図は2017年1月からの銅価格とBTCの価格比較をしたグラフである。

グラフを見ても分かる通り、銅とBTCは同じような値動きとなっており、高い相関を示している。

大きなサイクルとして具体的には、下記のとおりとなる。

BTCは大きな上昇と下落を繰り返しながらも、世界経済の成長に寄り添って銅と同様な値動きで推移していたことがわかる。

銅価格はかつて2008年のリーマンショック発生の1か月前に急落。2020年コロナショックでも1か月前に価格はいち早く下落しており、世界経済を占う道標と言われている指標である。

BTCをはじめとした暗号資産の今後の動向は、世界経済の先行指標であり炭鉱のカナリアとも呼ばれる銅が鍵となる可能性がある。

今月にBTCが過去最高値を更新した際に銅はBTCと同じく上昇基調で推移しており、10/21の反落相場となった際にも銅はBTCと同じく反落相場となっていることから、概ね正の相関関係が継続しているように思われる。

先行指標である銅価格の続伸がBTCに波及することで、BTCは一段高を狙える水準に位置していると思われるが、以下の図で示す点が懸念される。

Bloombergより当社作成

上図は2021年1月からの銅価格とBTCの価格比較をしたグラフである。

銅とBTCの価格は正の相関関係を保ちつつ推移しているが、グラフを確認すると、今回BTCが過去最高値を更新することに成功したが、一方の銅価格は5月の高値の更新に失敗していることがわかる(赤色横線)。

銅の調整は小幅にとどまっている状況であり、下値は堅いように思われるが、景気の先行指標でもある銅の価格がもう一段下落するようなことがある場合、暗号資産に波及し、調整をより強める展開には注意しておきたい。

銅の価格は、現時点のBTCの行方を左右する注目すべき指標の一つかもしれない。

BTC(ビットコイン) vs CMC200/CMC200EX

Bloombergより当社作成

上図は2019年1月からのBTCとCMC200/CMC200EXの比較をしたグラフである。

上図は2019年1月からのデータプロバイダーであるCoinmarketcapが提供する、BTCと世界の暗号資産の90%以上をカバーするCMC200インデックス、及びBTCを除いた銘柄で構成されるCMC200EXを使用し、BTCとアルトコインのどちらが優位であるかを可視化したグラフである。

グラフでは、インデックス提供当初の2019年以来のBTCが優位な状態であることが分かる。

2021年度に入りBTC優位の状態が維持されてきた背景として、BTCは今年の11月に大型アップデートとしては2回目のタップルート(Taproot)が控えていることが考えられる。

タップルートの実装により、プライバシー機能、処理速度向上やスマートコントラクト面の強化が実施され、アルトコインに対する優位性を獲得することで、BTCの価値を一段と高める可能性も考えられる。

大型アップデートが間近に迫りつつあり、今後の値動きが荒い展開が想定される。暗号資産マーケットから目が離せない展開となりそうだ。

(10/25 午後10:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

10/25の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は1.63%、中央値は1.38%、標準偏差は0.94%となった。

最大上昇銘柄はBTC/JPY3.26%、最小上昇銘柄はMONA/JPY0.44%

最大上昇銘柄のBTC/JPYは上述の通り。

最小上昇銘柄のMONA/JPYは反発。上値重く、160円台でのレンジ推移となった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

10/25の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は3.88%、中央値は3.68%、標準偏差は1.20%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY6.81%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXEM/JPY2.58%となった。

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2021-10-26
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