BTC(ビットコイン)、アノマリー通りの上昇相場は続くのか。騰落率ランキングと市場の異変を振り返る

Daily Market Report 2021/10/13

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BTC(ビットコイン)、10月アノマリーは上げ!

Bloombergより当社作成

上図は2016年から2021年10月12日までのBTC(ビットコイン)の月別騰落率を可視化したヒートマップである。

月別騰落率を確認すると、9月は直近5年間、2016年以外はマイナスとなっている一方で、10月は2018年以外はプラスとなっている。10/13現在においても、+31.0%で推移している。

現在、市場全体としてはテーパリング(量的緩和縮小)による金融引き締めの思惑と米金利の上昇、中国恒大集団の債務問題に関するチャイナリスク、コロナウイルスによる供給制約などを受けた商品価格の高騰など株式や暗号資産にとって悪材料が顕在化している。

こうしたなかで、BTC(ビットコイン)にとっても岐路に立たされている状態が継続しているといえるが、10月の月別騰落率は、現在31.0%の上昇と力強い推移をみせてきたことがわかる。

9月の弱気相場に支配されることなく、BTC(ビットコイン)の価格は、5月の中国国務院によるマイニングと取引を規制する声明を発表する前の価格まで値を戻すこととなった。

今後も強気派優位の上昇基調の相場となるのか。当社取り扱い銘柄の年初来騰落率ランキングからBTC(ビットコイン)の現在地点を見ていきたいと思う。

年初来騰落率ランキング

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は2021年1月1日を起点とした当社取扱い銘柄の騰落率、下表はそのランキングである。

ポイントとしては下記の点があげられる。

ETC(イーサクラシック)の騰落率は900%超と他銘柄を引き離して上昇

XEM(ネム)以外は年初来騰落率でプラスを記録

BTC(ビットコイン)の騰落率は100%と、ランキングは中間より下に位置している

ランキング1位のETC(イーサクラシック)は5月に年初来2,485%を記録、その後は調整局面を迎えているものの、現在も年初来962%で推移している。

ETC、QTUM、OMGをはじめとしたアルトコインがBTC(ビットコイン)の騰落率を大きく上回っていることがわかる。

騰落率を確認すると、2021年の暗号資産相場はアルトコインの伸びが大きく、BTC(ビットコイン)はプラスの騰落率となったもののアルトコインに対して伸び悩んでいるのがわかる。

しかし、今回のBTC(ビットコイン)の上昇はアルトコインの騰落率を追いかけ、2020年と同様の年末ラリーにむけた上昇相場となる可能性があるため下図で紹介したいと思う。

BTC(ビットコイン)、年末ラリーの起点となるか

Bloombergより当社作成

上図は2021年1月1日を起点としたデータプロバイダーであるCoinmarketcapが提供する世界の暗号資産の90%以上をカバーするCMC200 Indexと、BTC(ビットコイン)の騰落率グラフである。

CMC200 Indexはいわば、暗号資産全体の環境を俯瞰するための指標ともいえる。

BTC(ビットコイン)とCMC200 Indexの騰落率を比較すると、アルトコイン優位で2021年の相場が形成されてきたために、騰落率ではCMC200 Index>BTC(ビットコイン)の状態であることがわかる。

注目点は黒色枠線部分の動きである。

CMC200 Indexが直近高値(CMC200 Indexに接する黄色線)を更新できておらず伸び悩んでいる中、BTC(ビットコイン)は直近高値(BTCに接する黄色線)の更新に成功しており、その後、上昇速度が加速していることがわかる。

10月相場の上昇アノマリーの追い風に乗り、BTC(ビットコイン)>アルトコインで相場が進行している可能性を示すデータであることから、過去最高値の更新を試すのか注目される。

潮目は変わった

Bloombergより当社作成

アルトコインとの比較においては、BTCの上昇可能性が高まっている局面であるようだが、ドルとの比較ではどのようなことが言えるのであろうか。

上図は2021年1月1日を起点としたドルインデックスとBTC(ビットコイン)の週足をベースにした比較グラフとなる。

2020年(緑色枠線)、2021年(黄色枠線)のドルインデックスとBTC(ビットコイン)の推移を比較すると、

・2020年:ドルインデックスが下落するにつれて、BTC(ビットコイン)は上昇

・2021年:ドルインデックスが上昇するにつれて、BTC(ビットコイン)は上昇

上記のとおり、2021年は2020年と異なり相場の潮流に変化が生じていることがわかる。

2020年にBTC(ビットコイン)が高騰した一つの要因背景として、コロナショックをトリガーとした、例をみない金融緩和が要因として挙げられる。

金融緩和によるインフレを回避するインフレヘッジを目的としてBTC(ビットコイン)に注目が集まり、ドルの価値が毀損していく(ドルインデックスの下落)状況下でBTC(ビットコイン)の価格は上昇を続けてきた。いわば逆相関の関係であった。

2021年になると、市場が金融緩和によるインフレのヘッジとしての選好ではなく、金融政策の正常化を視野に入れた「テーパリング」と「利上げの開始」が意識されることで、ドルインデックスとBTC(ビットコイン)の相関関係は正の相関へと変化した可能性がある。

年末に向けてこのまま正の相関を維持し、ドルとともにBTCは上昇するのか、はたまた2020年のように逆相関となりドルとBTCは逆方向に向かうのか。

ポイントは、米国金利の上昇圧力を背景にドルは引き続き堅調となる可能性からドルインデックスは強含む状況であることだ。ドルインデックスと正の相関が維持されればBTCの上昇可能性も強くなるといえそうだ。

一方で、ドルとBTCの正の相関が崩れた場合、ドルは引き続き上昇するがBTCはピークアウトし下落基調となる。

ドルとBTCの相関関係には引き続き注目していきたい。

 (10/13 午前 0:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

10/12の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.51%、中央値は-1.31%、標準偏差は2.58%となった。

最大上昇銘柄はOMG/JPY7.48%、最大下落銘柄はLTC/JPY-2.28%

最大上昇銘柄のOMG/JPYは2営業日続伸。多くの銘柄が陰線で引ける中、OMG/JPYは一時10%を超える上昇となった。

最大下落銘柄のLTC/JPYは反落。昨日の上昇幅を帳消しする下落となり、20,000円を割り込む推移となった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

10/12の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は7.88%、中央値は7.38%、標準偏差は2.59%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY15.28%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はETH/JPY4.09%となった。

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2021-10-13
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