10月第3週のRSIランキング、BTC(ビットコイン)が80超。 出遅れ銘柄として注目すべきは?

Daily Market Report 2021/10/12

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10/11 RSIランキング BTCの過熱感が際立つ

RSI(14日間)当社クローズレート(Mid)より作成
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、10/11 時点の当社取扱い銘柄のRSI(14日間)ランキングである。

RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は相場の加熱感を示す指標の一つであり、50を基準として100に近づくほど買いが強く、0に近づけば弱いとされる。

ランキングを確認すると、全銘柄で50を超えており、暗号資産市場は買い優勢に傾いていることがわかる。また、RSIの買われすぎの分水嶺は70以上とされるが、12銘柄中3銘柄が既に超えており、1位のBTCは80台に乗せている。

現在の上昇基調の暗号資産相場において、RSIランキング上位の銘柄は、既に価格が上がっている中でも買い意欲の強い市場参加者の存在が市場を先導している銘柄である。

一方で、ランキング下位のBATについては何らかの買われない理由がある場合もあるが、単に市場参加者が出遅れ感に気付いていない可能性もある。

その場合は遅れてランキング上位の銘柄に劣らないパフォーマンスを示すような、上昇余地をもった出遅れ銘柄となりうる。

今回は市場を先導するBTC(RSI 1位)と、出遅れ銘柄の可能性のあるBAT(RSI最下位)から、次の展開を想定してみる。

BTC上昇はドミナンスの伴った上昇

BTCドミナンス:Tradingviewより当社作成/BTC価格:当社終値(仲値)

上図は2021年4月以降の暗号資産市場における、BTC(ビットコイン)の時価総額の占有率(以下BTCドミナンス)とBTC/JPYの価格推移である。

BTCドミナンスとは、暗号資産市場におけるBTCの占有率で、0%~100%を推移する。

換言すれば、BTCドミナンスが増加する局面では、BTCがアルトコイン全体の平均よりも良好なパフォーマンスを示しているといえる。

一方でBTCドミナンスの低下はアルトコインが上昇、ビットコインの軟調な展開を表している。

上図①~④のそれぞれの期間におけるBTCドミナンスと価格の関係は以下のようになる。

①…ドミナンス低下、価格の下落
⇒BTC価格が頭打ちとなり、アルトコインに市場参加者の注目が向かう

②…ドミナンス上昇、価格の緩やかな下落
⇒ドミナンスは回復するが、価格は上昇しない。BTCの下げ幅がアルトコインほどではないことによる消極的なドミナンス上昇と考えられる

③…ドミナンス低下、価格の上昇
⇒アルトコインの反発に主導された価格上昇

④…ドミナンス上昇、価格の急騰
⇒アルトコインを上回る価格上昇といえる

足元の状況は④「アルトコインを上回るBTCの価格上昇」であり、前述のRSIランキングから他銘柄と比較したBTC/JPYの突出を説明することができる。

上図のBTCドミナンスと価格の関係をみても、直近半年間とは異なる価格上昇の強さといえそうだ。

一方で過去の局面を見てもBTCのドミナンスは上昇と下落を繰り返しており、ドミナンスの逆回転(BTC下落、アルトコイン上昇)には注意が必要である。

BATは0.75USDの節目、慎重な市場参加者は多め?

BAT/USD 価格帯別出来高(出来高の集計期間は2021,1,1 – 2021.8.25)
CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上述のようにいずれかのタイミングでBTCドミナンスの逆回転(BTC下落、アルトコイン上昇)が起きた場合、RSIが比較的低く、出遅れ感のあるBATには投資妙味が強くなる。

そこで、BATの価格位置とポイントとなるサポート&レジスタンスから次の展開を想定してみる。

上図は、BAT/USDに年初来の価格帯別出来高(右部、出来高を価格帯ごとに集計したもの)を表示させたチャートである。

BAT/USDと価格帯別出来高の関係については9/29の当社レポート「BAT(ベーシック アテンション トークン)、下値模索は続くのか」を合わせて参照されたい。

上述のRSIランキングでは61.75と最下位となったBATであるが、足元の状況と今後の展開について整理をする。

BATは5月からの下落基調が7月に反発に転ずるも、9月以降は再度上値の重たい展開が継続している。価格帯別出来高から現在のBAT/USDの重要なサポート&レジスタンスを算出すると、0.50USD(下限), 0.75USD(中間), 1.00USD(上限)となる。

足元では上値の重い展開が継続しているBATであるが、一因としては前回の0.75USDから1.00USDへの上昇(1‘→2’)の後、上値を抑えられ反落し、出来高の多い価格帯である0.75USDも下回ってしまったことで警戒感が根強く残っていることが考えられる。

従って、価格が反落した場合に、次に出来高の多い0.30USDまで下落するというシナリオも考えられそうだ。

一方で、BAT自体に明確なファンダメンタルズ上の悪材料が挙がっていない点は事実である。

現在のBTC/JPYの上昇が継続するなか、他の暗号資産市場にも見直し買いの動きが強まった場合には、0.75USD(84.2円)を突破し、再び1.00USD(112.3円)と目指す出遅れ銘柄となる可能性は視野に入れておきたい。

(10/12 午前 4:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

10/11の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は1.94%、中央値は1.57%、標準偏差は1.79%となった。

最大上昇銘柄はBTC/JPY5.29%、最大下落銘柄はBAT/JPY-1.28%

最大上昇銘柄のBTC/JPYは4営業日続伸し、一時650万円台に上乗せた。中国などのエネルギー不足から原油価格が上昇するなど(10/12 Reuters)、商品市況でのインフレ懸念もまた暗号資産市場の強気要因となっている。

暗号資産の中ではBTC/JPYの流動性リスクが低いため、大口の市場参加者の資金の逃避先として選ばれやすかったと見ることもできそうだ。

最大下落銘柄のBAT/JPYは続落。詳細は本稿で触れた通り。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

10/11の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.89%、中央値は7.97%、標準偏差は2.94%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY16.97%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はQTUM/JPY6.34%となった。

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2021-10-12
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