LTC(ライトコイン)、保有数と価格の関係から見る次の展開

Daily Market Report 2021/10/5

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過去の保有高と価格の傾向から

LTC保有数量: https://jvcea.or.jp/about/statistics/より、LTC価格:当社月末終値仲値、当社作成

上図は2019年1月から2021年7月までのLTC(ライトコイン)の現物保有数量とLTC/JPYの価格推移である(LTC保有数量は日本暗号資産取引業協会資料を参照)。

<保有高と価格が連動する2019年>

まずは2019年と2020年を振り返ってみる。

2019年はLTC保有数量とLTC価格が連動する状態だった。

現物LTCの保有数量は2019年1月から2019年5月にかけて増加し、442,854LTCから509,045LTCへと増加した。LTC価格も同時期に上昇し、同年1月末時点では3,391円であったが、6月末時点では14,140円となった。

その後、2019年6月から2020年2月にかけてLTC保有高が減少に転じ、LTC価格も同様に下落に転じた。

<保有高は増加、価格は低迷する2020年>

2019年の流れが変調したのは2020年3月以降である。

2020年3月から2020年10月にかけてLTC保有数量は増加したが、LTC価格は低迷となり、2019年とは異なる関係性がみられた。

同年2/14にマークした9,104円を下回る日が続き、2020年10月まではLTC価格は軟調な展開が続いた。割安感から買いが入ったとも読み取れるが、LTC価格を押し上げるほどのエネルギーはなかったようだ。

2020年11月に入り、価格が上昇基調に転じると、逆にLTC保有数量は大幅に減少した。2020年10月末時点で560,694LTCあった保有数量は、12月末時点では490,210LTCとなった。このことから価格の上昇により、LTCの保有者が利益確定に動いたことが読み取れる。

<再び低迷しそうな2021年 >

では2021年の動きを見てみる。

2021年1月から3月にかけてはLTCの保有数量、価格ともに増加・上昇したが、4月のLTC価格の大幅な上昇で、LTC保有数量は大幅に減少した。

1月以降は500,000LTC以上の保有数量を維持してきたが、それを割り込み、4月の保有数量は480,300LTCを記録した。

5月に入り、LTC価格が年初来高値40,510円(2021/5/10)をマークした後に下落に転じ始めると、押し目が入りLTC保有数量は再び増加した。6月、7月も価格の下落基調は継続となり、保有数量の増加となった。7月末時点では保有数量517,937LTC、価格は15,972円となっている。

5月から7月はLTC価格が低迷する中で保有数量だけが増加となったことから、2020年の低迷期の動きに類似しているように見える。

ただし、足元の保有数量は上昇しており、このまま保有数量が伸びるようであると、LTCの価格は、再度30,000円を伺う可能性も高くなろうか。

次にLTCの値動きについて、2019年、2020年、2021年を比較してみる。

2019・2020・2021日次変化率

日次変化率分布(当社クローズレートより作成)

上図は2019年と2020年の1月1日から12月31日までと2021年1月1日から10月2日までのLTC/JPYの日次変化率の分布である(日次変化率は、前日の終値から当日の終値の変動幅をX%で示したもの)。

2019年、2020年、2021年とも±2%のところに大きな山を作っていることが分かる。

全体の分布形状は同じように見えるが、以下で収束率を整理してみる。

過去3年の±5%以内に収束した日数および割合は以下である。

2019年:288回(78%)
2020年:287回(78%)
2021年:183回(66%)

2019年度に±5%以内に収束した日は288回、2020年度は287回である。2019年は365日、2020年はうるう年で366日であったので、2019と2020の2年間は78%が±5%に収束していたことになる。

では2021年はどうだろうか?

±5%以内に収束したのは183回で、10/2までの275日を考慮すると66%となる。

例年通りの値に収束するのであれば残りの約3ヶ月は±5%以内に収束する可能性は高い。

最後にテクニカル分析で今後の値動きを整理する。

フィボナッチ・リトレースメントによる分析

LTC/JPY  Bid日足チャート(当社取引ツールより作成)
LTC(ライトコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、LTC/JPYの週足チャートに2021/5/10の高値44,240円と2021/7/20の安値11,062万円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメントを反映させたものである。

<シナリオ1>:下落シナリオ

現在LTC/JPYはフィボナッチ23.6%水準の赤ライン(18,892円)付近を推移している。

9/3に一度は23.6%水準(上図赤線)の上抜けに成功したが、9/6に38.2%水準のオレンジ色のライン(23,736円)の上抜けに失敗しした。その後は再び23.6%水準まで押し戻され、9/20には同価格水準をも下抜けた。

足元23.6%水準のレジスタンスラインに上値を抑えられているLTC/JPYであるが、このまま下落に転じた場合は6/22、7/20にタッチした0%水準の11,062円がサポートラインとして下値の目安となるであろう。

<シナリオ2>:上昇シナリオ

フィボナッチ23.6%水準の赤ライン(18,892円)の上抜けに成功すれば、38.2%水準のオレンジ色のライン(23,736円)が次のターゲットとなる。

オレンジ色のライン(23,736円)の上抜けを9/6に失敗し、9/13のウォルマートがライトコイン財団と提携したとの報道があった際も、すぐに事実でないことが判明し(9/14 COINTELEGRAPH JAPAN)、長い上髭をつけて上抜けに失敗した。

オレンジ色のライン(23,736円)に接近する展開となる場合には、3度目の正直で上抜け成功となるか、動向を注視したい。

(10/4 午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

10/4の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.56%、中央値は-1.22%、標準偏差は1.91%となった。

最大上昇銘柄はOMG/JPY2.60%、最大下落銘柄はBCH/JPY-3.63%

10/4の暗号資産市場は、全体的に軟調な地合いであった。

中国恒大の株式売買停止(10/4 Bloomberg)や、資源高や米国の金利上昇によるインフレ懸念(10/5 Reuters)が改めて意識され、市場は全体的にリスクオフ局面へと傾いた。

その流れに併せるように暗号資産も下落基調となったが、インフレヘッジ資産の側面があるBTC(ビットコイン)などが買い戻される動きも見られた。

最大上昇銘柄のOMG/JPYは6日連続の続伸となり、月初からの上昇率は既に42%を記録した。一時は1,900円台まで上昇した場面もあり、次の節目となる2,000円台を突破できるか注目だ。

最大下落銘柄のBCH/JPYは昨日までの4日連続の続伸から反落した形となった。30日単純移動平均線がレジスタンスラインとなっており、上値が重たい印象だ。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

10/4の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.11%、中央値は7.25%、標準偏差は3.10%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY16.90%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY5.16%となった。

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2021-10-05
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