韓国ライセンス制度施行―アジア売りに警戒か
Daily Market Report 2021/09/24
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・韓国、暗号資産取引所のライセンス制度施行―アジア売りの影響はいかに
<韓国で暗号資産取引所のライセンス制度施行>
9/24、韓国で暗号資産取引所のライセンス制度が施行される。同国内の取引所はKFIU(韓国金融情報分析院)に登録する必要があり、9/21時点で完了しているのは4つの取引所のみであるようだ。その他の70近い取引所はサービスを停止する恐れがあると報道されている(9/21 Coindesk)。
同国の取引所の閉鎖の影響が大きければ、流動性低下の懸念から売りが先行する可能性がある。特に、XEM(ネム)などKRW建ての取引が旺盛な暗号資産については、注意を払っておきたい(KRW建てが多い暗号資産に関するレポートはこちら)。
<リスクオフムードから「無風買い」>
足元の相場状況は中国の恒大集団のデフォルト懸念や米FOMCを前にリスクオフムードが広がり、暗号資産市場は急落・軟調な展開が継続していた。だが一転、同企業が9/23に利払いを実施するとの報道(9/22 Reuters)や、9/22に米FOMCを終え、市場は「無風買い」となった。
現在、暗号資産市場は堅調に推移しているものの、9/24の韓国規制の影響が市場にとってどれほどの重石となるか注目される。
・【一目均衡表分析】マーケット-インプレッション:「無風買い」は「韓国規制」のインパクトを上回るか
BTC/JPY 日足チャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら
上図は、BTC/JPY日足チャートに一目均衡表(転換線期間:9日、基準線期間:26日、先行スパン2期間:52日)と4つの単純移動平均線(5日移動平均、21日移動平均、90日移動平均、200日移動平均)を設定した図(期間:2021年6月~現在)である。
※一目均衡表についてはこちら:暗号資産(仮想通貨)のトレンドを分析する「一目均衡表」とは
本稿では、5日移動平均を超短期トレンド、21日移動平均と転換線・基準線を短期トレンド、90日移動平均と遅行スパンを中期トレンド、200日移動平均と雲を長期トレンドとして考察する。
足元のBTC/JPYは、21日移動平均(短期トレンド)および基準線が重石となり急落した格好だ。BTC/JPYの一目均衡表分析は下記のレポートも参照頂きたい。
(「米ビットコインETF承認を再延期、規制強化連想で上値が重いか―米SECの動向に注目【仮想通貨相場】」内の「【一目均衡表分析】マーケット-インプレッション:「規制ムード」をなかなか払拭できず―ネガティブ・サプライズで急落もあるか」のテクニカルコラム参照)
その後は、上昇中の90日移動平均線(中期トレンド)と一目均衡表・上昇雲の下限(先行スパン2)がサポートとなるように反発している。
現在は、転換線が基準線を下回り(=上図Ⓐ)、遅行スパンが実体を下抜け(=上図Ⓑ)、上昇雲内で推移(=上図Ⓒ)していることから、二役逆転で売方優勢の展開と考えられる。
長期トレンドの変化日(転換)となりやすい雲のねじれ(=上図Ⓓ)も近く、下押しに警戒が必要な局面となっている。
移動平均線を見てみると、下向きの21日移動平均、上向きの90日移動平均、横ばいの200日の移動平均線は収束しつつあることがわかる。10月初旬にこれら3本の移動平均線が収束していくような展開になれば、当面は大きなトレンドは発生しにくいことが考えられる。
短期の値動きについては、5日移動平均(超短期トレンド)と21日移動平均(短期トレンド)が主導する動きとなる事が想定される。
以上の環境認識を踏まえ、三役好転に至るまでの<上昇シナリオ>、三役逆転に至るまでの<下落シナリオ>が想定される、以下、各シナリオについて説明しよう。
・21日と90日移動平均の収束まで意識されるバンド帯
BTC/JPY 日足チャート(当社取引ツールより作成)
シナリオを分析する前に、現値から上下のレジスタンスとサポートラインを確認してみる。現値から想定できる上下レジスタンスとサポートラインの候補は、次の4つがある。
レジスタンス2(図②):500万円~512万円(200日移動平均、基準線、雲上限、21日移動平均)
レジスタンス1(図➀):480万円~490万円(転換線、5日移動平均、三尊ネックライン)
サポート1(図③):455万円(90日移動平均)
サポート2(図④):427万円~438万円(9/21安値、雲下限)
※価格帯は中央値をチャート上に引くこととする(レジスタンス2:506万円、レジスタンス1:485万円、サポート2:432.5万円)
実勢(480万円付近)に最も近いレジスタンス1(図①)は上値目処として意識されやすい状況だ。
上述した移動平均線による環境認識では、上値を抑えつけるような21日・200日移動平均線と、下値を支えるような90日移動平均線が、収束しつつある。そのため、日足でのトレンドが生じづらい環境であることから、短期的にはレジスタンスライン・サポートラインで価格は素直に反転する流れが想定しやすいかもしれない。(レジスタンス2(図②)、レジスタンス1(図①)で上値が重くなり、サポート1(図③)、サポート2(図④)では底堅く推移することになる。)
レジスタンス2をハイブレイクするか、サポート2をローブレイクする場合について、以下の<上昇シナリオ>または<下落シナリオ>を想定する。
<上昇シナリオ>:多くのテクニカルポイントを攻略できるか
BTC/JPY 日足チャート(当社取引ツールより作成)
上述したレジスタンス1とレジスタンス2を攻略すると、三役好転シグナルが点灯することになる。
同価格帯(レジスタンス1~レジスタンス2)は、多くのテクニカルポイントが密集しており、強力な抵抗帯となっていることから、突破の難易度は高いことが想定される。
上昇トレンドをフォローする際は、90日移動平均(中期トレンド)と200日移動平均(長期トレンド)の収束を待ってから臨むことが望ましいだろう。
堅調な90日移動平均(中期トレンド)の流れが、強力な抵抗帯(レジスタンス1~レジスタンス2)を突破出来るか確認したいところだが、確認出来る水準ではすでに雲の上となり、また、抵抗帯を攻略すると三役好転となるため、青天井(テクニカル的な許容幅を超える大相場)の到来となるか、判断する必要があるかもしれない。
<下落シナリオ>:雲を割れると、三尊等倍やCME先物の窓埋めを意識されるか
BTC/JPY 日足チャート(当社取引ツールより作成)
サポート1とサポート2が攻略されると、380万円(三尊等倍、CMEビットコイン先物価格の上窓付近)が、ターゲットとなりそうである。
同価格は、CMEビットコイン先物価格が、7/23の終値、32,270ドルから、7/26の始値34,475ドルへ上に、窓を空けた(ギャップアップした)水準にあたり、未だ窓埋めされていないため、下げ止まりとなるか特に注目しておきたい。
同価格に到達する過程では、雲を下方ブレイクし、三役逆転シグナルが点灯することになり、強い下落トレンドを意識する展開となる。
下落途中の戻り目としては、日足トレンドが生じづらい環境で、短期トレンド主導の動きとなる可能性から、急落するようであれば追撃型の5日移動平均(超短期トレンド)を、しばらく停滞するなら巡航速度の21日移動平均(短期トレンド)を意識しておきたい。
(9/23 午後9:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
9/23の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は2.68%、中央値は3.30%、標準偏差は1.34%となった。
最大上昇銘柄はMONA/JPYの4.19%、最小上昇銘柄はXRP/JPYの0.16%。
9/23の当社取扱い銘柄は全面高となった。9/22のFOMCが市場の想定どおりに無事通過したことや、中国恒大の債務問題への警戒感が一服したことにより、リスク資産が買われる動きとなった(9/24 日本経済新聞)。
暗号資産市場においては、Twitter社発表の投げ銭機能にビットコインが採用されていたことが伝わり、好感されている(9/24 日本経済新聞)。
最大上昇銘柄のMONA/JPYは、前日に続けて反発。23日の東京市場が休みだったことから、株式の代わりに暗号資産を買う動きも考えられそうだ。
最小上昇銘柄のXRP/JPYは実体の乏しい十字線。前日22日に11%近く上昇したことから、心理的な割高感が意識されていたようだ。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
9/23の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は5.31%、中央値は4.94%、標準偏差は1.26%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPYで9.04%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はETC/JPYで4.17%となった。
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