XRPの展望は?~ボラティリティを用いた考察~

Daily Market Report 2021/09/06

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XRP(リップル)のボラティリティは高い傾向

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
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上記の表は2021年1月から8月までの、当社取引銘柄別の月中のヒストリカルボラティリティ(以下、HVと言う)(※)を表した表である。
(※)ヒストリカルボラティリティとは、過去の価格の変動率(ボラティリティー)をもとに、標準偏差を利用して計算されるテクニカル指標。HVとあらわされることが一般的。ある一定期間のボラティリティを年率換算したもの。HVが低ければ変動が生じにくい銘柄となり、逆にHVが高い場合、比較的大きな変動が生じている銘柄と言える。

上記の表から、HVの特質すべきポイントは以下となる。

・HVが最も高かった時期と銘柄は、2021年5月のQTUM/JPY329%、最小は2021年7月のMONA/JPY 47%

・全銘柄の月間平均のうち、最もHVが高いものは、2021年5月で、逆に3月と7月と8月が低い

・銘柄別平均では、XRP/JPY、XEM/JPY、QTUM/JPY、ETC/JPY、OMG/JPY が高く、BTC/JPYとETH/JPYは低い

8月の全銘柄の平均HVは94%と比較的変動が小さかったようだ。当該期間中HVが100%を上回った銘柄はXRP、QTUM、ETC、OMGの4銘柄となった。

今回は、当該期間におけるXRPについて掘り下げてみたい。

図の赤丸の部分に注目してほしい。2021年8月の当社取引銘柄中二番目のHV であったXRP/JPYだが、同期間の全銘柄の平均HVが94%であったことから他の銘柄よりも大きく動意付いていることが分かる。

原因として考えられるのは、マーケット全体への影響としてのアフガニスタン情勢の急変に加え、XRP社の訴訟案件およびRipple Swellが考えられる。8/13の「アフガニスタン政府軍(当時)の劣勢」報道に伴う地政学的リスクの高まり、XRP社の訴訟関連の進展および11月に開催を控えているRipple Swellの3つの大きな材料が背景にあるであろう。
(詳細は以下を参照)

・Daily Market Report 2021/08/18「XRP(リップル)、買いストーリーは突然に ~“有事の買い”から“平時の買い”へ移行できるか~

・Daily Market Report 2021/08/23「反発した今こそ見たいRSIランキング:1位はXRP(リップル)で70超

通算のボラティリティも上位

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2021年1月から8月における各通貨の変動率(以下、ボラティリティ)と時価総額の順位である。

通算のボラティリティにおいても、XRP/JPYは3番目に大きい数字となっている。一方で時価総額1位・2位・4位のBTC/JPY・ETH/JPY・LTC/JPYのボラティリティは下位となっており、定説通り大型銘柄のボラティリティは乏しい傾向にあることが示されている。

ボラティリティ上位のQTUM・ETC・XRPの共通点はなにか。それはカタリストの存在である。ETCは7月にハードフォークが完了、QTUMは12月に半減期を迎える予定であり、XRPに関しては11月にRipple Swellが控えている。
(詳細は以下参照)

・Daily Market Report 2021/08/17 「QTUM(クアンタム)、初の半減期迫る!二度目のテンバガー(10倍銘柄)なるか!?

・Daily Market Report 2021/08/18「XRP(リップル)、買いストーリーは突然に ~“有事の買い”から“平時の買い”へ移行できるか~

・Daily Market Report 2021/08/24「ETC(イーサクラシック)三役好転が成立。次の上昇ステージへは8,950円到達が必要か

元々、既存アセットの株式や債券とは異なる値動きを形成する暗号資産であるが、このように、暗号資産ごとの独自の材料によって大きく異なる値動きが形成されることがわかる。

XRP/JPYの価格推移自体は現在、今年7月20日につけた安値57円から、138円と40%の上昇率となっている。順調に価格は推移しているが、今後の値動きに関しては、上述のRipple Swellに加えて、SECとの訴訟がどのように終結するかも注視しておく必要があるだろう。

(9/5午後9:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

9/5の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は5.14%、中央値は4.27%、標準偏差は3.30%となった。

最大上昇銘柄はOMG/JPY12.11%、最小上昇銘柄はETH/JPY1.31%

休日の暗号資産市場は軒並み上昇。

CMEビットコイン先物のラストレート(=50,210ドル;以下CMEレート)を挟む形で横ばい推移していたが、9/7に中米エルサルバドルで施行される「ビットコイン法」の期待(9/5 CoinPost)を背景に、CMEレートで反発すると、一気に上昇。合わせてBTCドミナンスも向上し、アルトコインやステーブルコインなどからも物色される展開であった。

最大上昇銘柄のOMG/JPYは、756円(日足一目均衡表・転換線、8/24高値付近)で反転し、845円(日足20日移動平均線+3σ、5/27高値付近)を突破。ボリンジャーバンドがエクスパンション(拡大)し、日足スローストキャスティクスは買われ過ぎ圏(80%以上)に突入、日足14日RSIは買われ過ぎ圏(70%以上)を背に低下した。

最小上昇銘柄のETH/JPYは、9/3からインサイドバー(小競り合い)。下値は420,000円(9/4安値、ピボットポイント・S1付近)、上値は433,000円(ピボットポイント・R1、9/4高値付近)を目途に、レンジ推移した。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

9/5の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は7.61%、中央値は7.10%、標準偏差は3.96%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はQTUM/JPY16.43%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY2.87%となった。

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2021-09-06
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