BAT(ベーシック アテンション トークン)、0.75USDに何があるか

Daily Market Report 2021/08/27

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出来高は価格に先行?

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
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上図は2021/3/1~8/25までの、BAT/USDの出来高と価格(終値)の推移である。

3月以降のBAT/USDの価格と出来高を振り返ると、約1ヶ月、出来高が価格に先行する傾向があるようだ。

3/16においては出来高の伴った価格上昇のなか、出来高が急増し、その30日後にあたる4/16に価格がピークをつけて出来高、価格とも下落する展開となった。

下落局面では、先に出来高が6/14に一旦の底をつけ、横ばいに近いながらもじり上げとなる。その36日後にあたる、7/20には価格が二番底をつけ、上昇した。

現在は7月以降において、出来高の緩やかな増加に伴った価格上昇が継続している印象を受ける。

前述した出来高が価格に先行する流れが継続していると仮定するならば、仮に出来高がピークアウトしたとしても、ある程度(3月においては30日程度)のタイムラグがあり、価格は横ばいか、上昇トレンドを持続させる流れが考えられそうだ。

もっとも、5月の急落と7月の上昇は異なるファンダメンタルズ(5月の下げは中国を中心とした規制強化の流れを嫌気した売りであり、7月に関しては米金融機関の暗号資産へ参入、アマゾンのBTC決済導入の観測報道、また、約2ヶ月に渡った下落トレンドの自律反発も重なり、大幅な上昇となった)であるが、前述の市場サイクルを重視する市場参加者の買い意欲が価格の下支えとなる可能性は想定しておいてもよいかもしれない。

次に、年初来の価格帯別出来高をもとに、現在の価格を考察しよう。

出来高のボリュームゾーン「0.75USD」に注目

BAT/USD 価格帯別出来高(出来高の集計期間は2021,1,1 – 2021.8.25)
CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は前述のBAT/USDに年初来の価格帯別出来高(右部、出来高を価格帯ごとに集計したもの)を表示させたチャートである。

「価格帯別出来高」の主な特性として、累積出来高の薄い価格帯では注文意欲が低いために値が進みやすく、厚い価格帯では値が進みにくいとされている。

BATと価格帯出来高については6月にも考察しており、Daily Market Report 2021/06/27「BAT (ベーシック アテンション トークン)、82.8円が目先の壁か」も併せて参照されたい。

「価格帯別出来高」から、現在のBAT/USDについて、次の4点を読み取ることができる。

  • 1.00USD未満の価格帯では、0.75USDが最も出来高の厚いゾーンとなっており、サポートやレジスタンスラインとなりやすい
  • 0.75USDから1.05USD付近は出来高が相対的に薄く、上図②のように値が進みやすい価格帯である
  • 1.05USD~1.20USDの価格帯(白楕円)からは再び出来高が厚くなるため、上値の重い展開が予想される
  • 1.20USDを上抜けた場合、今度は1.20USDが下支えとなる。加えて、年初来高値付近であるが、出来高が薄い価格帯でもあることから、上図③のような上値追い・高値更新が意識されやすい

確かに、6/15には価格帯別出来高のボリュームゾーンである0.75USDを上回ることができず、反落した実績がある。そして、①のじり上げで抜けた後の反落局面では、0.75USDを一度下回ったものの、翌日には反発した(黃矢印)。

現在のBAT/USDは②の上抜け後の値の進みやすいラインといえる。1.00USDを目指す展開も視野に入れることも一考か。一方で、直近2営業日は上値が重く、連騰する気配を見せていない点には留意しておきたい。 

最後にテクニカル指標から現在の価格分析を行ってみる。

ハーモニックパターン「バット」の反落局面はこれから?

BAT/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図では、BAT/JPYの日足チャートにハーモニックパターン「バット」(※)を描画している。
(※)ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いて目標価格となる(D)点を算出するテクニカル手法。上図はコウモリが羽を広げた姿に似ているから「バット」と呼ばれる

「バット」の成立要件は、以下のとおりとなる。

1.(B)は、(X)-(A)の38.2% – 50.0%リトレースメント(上図では44.7%)
2.(C)は、(A)-(B)の38.2% – 88.6%リトレースメント(上図では88.1%)
3.(D)は、(X)-(A)の88.6%リトレースメント(上図では91.532円となる)
4.(D)が反転のポイントとなり、このとき(B)-(C)の161.8%-261.8%プロジェクションとなる(上図、91.532円の場合は211.6%となり、満たしている)

BAT/JPYは既に1、2、4を満たしていることから、3の(D)点について考察しておきたい。問題となるのは、理想的な反転ラインである91.532円について、すでに否定されているかどうかである。

上図、D点については、現状2つの解釈がある。

一つは、①(黄矢印)とする見方で、BAT/JPYが8/16につけた➀の86.194円では、既に反落しており、これにて「バット」の反転が完了したと見ることも出来る。

この場合、価格帯別出来高とも合致する見方でもあり、今後はこのまま上昇し、110円(1.00USD)を目指す①(黄色トレンドライン)のシナリオとなる。その際は、②(赤矢印)の反落も「バット」とは関係が無く、トレンドが維持されるかが肝となるだろう。

一方、②(赤矢印)91.532円を「バット」のD点とする場合である。

8/23にDのターゲット価格である91.532円を上回る95.049円まで値を伸ばし、92.415円でクローズすることに成功したBAT/JPYであるが、翌営業日には、陰線となり91.532円を下回って引けていることから、91.532円の一時的な上抜けは「ダマシ」や、ハーモニックパターン「バット」の誤差の範囲と捉える考えである。

その場合は②(赤線)のようなじり下げの展開となる。下値の目処としては、価格帯出来高のボリュームゾーンである0.75USD(82.5円)がまず考えられる。6月下旬の価格推移もあり、0.50USD(55円)付近までは相応に分厚い価格帯となっているため、(B)点の68円前後でもみ合いとなる展開も視野に入れておきたい。

(8/26午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

8/26の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-4.86%、中央値は-4.97%、標準偏差は1.67%となった。

最小下落銘柄はETH/JPY-2.41%、最大下落銘柄はOMG/JPY-8.93%

8/26の暗号資産市場は下落。昨日、ビットコイン採掘難易度調整が+13.24%引き上げられたことによるマイナーの供給懸念や、取引所のハッキング被害があった景況の中で、米SEC(米国証券取引委員会)の責任者が暗号資産詐欺の横行で注意喚起したとの報道(8/26 CoinPost)を嫌気されたほか、韓国規制当局による国内取引所に対する閉鎖措置する可能性(8/26 CoinPartner)による思惑売りも手掛かりに、大方の銘柄が下押した。

その他は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)が8/27に開催されるジャクソンホール会議で量的緩和の縮小(テーバリング)の開始時期について言及するか注目されている(8/26 ロイター)ことから、円やゴールドが買われるなどリスクオフの雰囲気となり、暗号資産市場も物色(資金抜け)される展開であった。

最小下落銘柄のETH/JPYは下落。333,000円(日足一目均衡表・転換線、日足25日移動平均線)をサポートとして意識された。

最大下落銘柄のOMG/JPYは大幅安。645円(8/20以来の安値、日足一目均衡表・転換線付近)でやや引ける形であった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

8/26の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は9.72%、中央値は9.77%、標準偏差は2.20%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY12.74%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY6.05%となった。

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2021-08-27
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