ETC(イーサクラシック)三役好転が成立。次の上昇ステージへは8,950円到達が必要か
Daily Market Report 2021/08/24
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・直近はETCの上昇振るわず
CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
上図は、当社取扱銘柄における、7/20から現在(8/22)までの上昇率と、1/1から現在(8/22)までの上昇率、1/1から年初来高値までの上昇率のランキングである。
ETC/JPYは現在7,000円付近で取引されているが、5/6には一時17,500付近まで上昇する場面があり、1/1から現在までの上昇率、1/1から年初来高値までの上昇率のどちらもETC(イーサクラシック)が圧倒的に高い。
しかし、ピークからの下落幅も大きく、市場の転換点であった7/20以来の上昇率では8位に留まっており、年初来のパフォーマンスを鑑みると冴えない状況であると言える。
一方、QTUM(クアンタム)、XRP(リップル)が7/20以来の上昇率ランキングで、200%超のパフォーマンスとなっている。
XRPは、「今年11月の、年に1度リップル社が主催するイベントである「Ripple Swell」の開催が近づいてきたこと」、QTUMは、「今年12月に初の半減期を迎えること」が材料視され、期待感から買いが入り他銘柄に比べて上昇していると考える事が出来そうだ。
一方、ETCでは7/24にハードフォーク「Magneto」を無事完了したことで、目先の材料が消化された状況である。一般的に、好材料となるイベント通過後は、事実売りが警戒されるが、今回のハードフォーク通過後には、大きく相場が崩れるような事はなかった。
また、ETCは、発行上限や半減期のないETHに対し、発行上限が約2.1億ETCであること、500万ブロック毎にブロック報酬が20%減少することを考慮すると、ETCに一定の投資妙味があると言えるのではなかろうか。
ETCは循環物色の際には選好される可能性もあるが、イベント通過で材料不足となったことが足を引っ張る可能性も考えられる。
今回は目先の材料を失ったETCについて、テクニカル面から今後の相場の方向性を分析してみる。
・200日移動平均線が強力なサポート
ETC/JPY 日足 Bidチャート(当社クローズレートより作成)
ETC(イーサクラシック)のチャート・価格情報はこちら
上図はETC/JPYの4月下旬からの日足チャートGMMA(※)と200日移動平均線を表示したチャートである。
(※)GMMA:短期移動平均線(3,5,8,10,12,15日(図白線))と長期移動平均線(30,35,40,45,50,60日(図赤線))を6本ずつ表示し、短期線と長期線の束の方向や束の収縮状況をみてトレンドを判断するテクニカル指標である。
ETC/JPYは、今年1/3に200日移動平均線を上抜けして以来、現在に至るまで一度も同線を下回っておらず、これは当社取扱銘柄の中で唯一である。
5月から6月にかけて急落した時でも、200日移動平均線を下回っていないことで、安値での買い意欲が強いことが窺える。
また、200日移動平均線は上向きでの推移を維持しており、長期的に上昇傾向が継続していることを示唆している状況である。
GMMAでも、7月末頃に短期線の束(上図白線)が長期線の束(上図橙色)を上抜き、ゴールデンクロスを形成(上図白丸)した。
その後も、ローソク足が短期線の束に支えられる形で上昇を続けており、長期線の束の間隔も発散に向かい始め、上昇傾向を示すシグナルが複数発生していると読み取ることが出来る。
しかし、短期線と長期線の束の間隔がまだ狭く、ローソク足が長期線の束に接する場合、上昇傾向が否定される可能性がある点は懸念材料となるだろう。
・三役好転発生で大きく上昇
ETC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、日足チャートに一目均衡表を表示したチャートである。
上図では、
・7/9終値をもって、遅行線がローソク足実体を上抜け(上図青丸)
・7/30に転換線が基準線を下から上に抜けるゴールデンクロスが発生(上図橙丸)
・8/7終値が一目均衡表・雲以上の水準にある
以上により、三役好転が成立している。
三役好転は強い買いシグナルといわれており、実際に今回の三役好転成立後には、雲抜けを果たした8/7終値(6,145円)を基準として、8/16高値(7,993円)までに約30%の上昇となった。
その後下押しする場面もあったが、現在は転換線付近で推移を続けており、目先は上昇傾向継続と判断できそうである。
しかし、ここから価格が転換線以下の水準で推移し始める場合、反応の早い短期線である転換線が徐々に下向くこととなる。
その場合、前述のゴールデンクロスの否定に繋がり、三役好転状態が崩れることとなるため、転換線とローソク足の位置関係を注目しておきたい。
最後に上記を踏まえ、今後のシナリオを整理する。
<シナリオ1>:上昇傾向継続の場合
ETC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、ETC/JPYチャートであるが、日足の下値からの戻りの目処を探るため、フィボナッチ・リトレースメント(※)を5/6高値から6/22安値にむけて描写している。
(※)フィボナッチ・リトレースメント:「1:1.618」という黄金比率をチャートに組み込み、その後の動きを予想するテクニカルな分析方法。
上昇トレンド継続となる場合、7/20安値から引いたトレンドライン(上図黄斜線)に沿った上昇に期待でき、5月の急落以後の戻り高値の位置する水準である8,500円(上図白線)やフィボナッチ・リトレースメント・38.2%戻し水準の位置する8,950円などが目先の目処となるだろうか。
それを超える事が出来れば、心理的節目である、10,000円や50%戻し水準である10,690円が視界に捉えることが出来る。10,000円のラインでの売りをしっかり攻略する事が出来れば、5/6に付けた年初来高値18,000円を目指す流れとなる可能性も考えられるだろう。
<シナリオ2>:下落に転じる場合
シナリオ2は、8/16の高値で頭打ちとなり下落へ転落するシナリオである。
この場合、トレンドラインを下回ることや一目均衡表での三役好転が崩れることで、上昇傾向を示していたシグナルが否定される格好となる。
下落トレンドとなる場合、まずは、7/20-8/16上昇の半値押し水準である5,900円付近が意識されることが想定されるだろう。
その下の水準では一目均衡表・雲の位置する水準が目標となろうか。現在であれば5,000円付近に雲が位置しているが、9月以降の雲は上昇を描くことになるため、雲に沿って下値を支える可能性もある。しかし、雲も薄いため、三役逆転の成立の可能性も想定する必要があるだろう。
雲の下には年初来から触れていない200日移動平均線が控えているが、ここを割り込むことになれば、トレンド転換が強く意識されることになるだろう。その場合、6/22安値更新を視野に入れた大きな下落に警戒する必要があるだろう。
(8/23午後10:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
8/23の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は3.85%、中央値は3.34%、標準偏差は2.07%となった。
最大上昇銘柄はOMG/JPYの9.98%、最小上昇銘柄はBTC/JPYの1.70%。
8/23の当社取扱い銘柄は全面高となった。
BTCの5万ドル突破が支えとなり、当社取扱銘柄も上昇の流れに牽引された模様。
最大上昇銘柄のOMG/JPYは反発上昇。
当社取扱い銘柄で最もボラティリティが高かった銘柄でもあった。
7/21より反発を繰り返しながら上昇を続けており、800円まで回復できるか注目される。
最小上昇銘柄のBTC/JPYは続伸。
5万ドルの節目を越えた後に深夜帯で失速したが、再び緩やかに反発している。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
8/23の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は7.47%、中央値は6.50%、標準偏差は3.34%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPYで16.96%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPYで4.18%となった。
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