なぜMONA(モナーコイン)は保有され続けるのか?

Daily Market Report 2021/08/20

_

増加し続けるMONA(モナーコイン)の保有高

当社クローズレートおよびJVCEA統計情報(https://jvcea.or.jp/about/statistics/)より当社作成
MONA(モナーコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2020年1月から2021年6月までのJVCEA(日本暗号資産取引業協会)が公表している国内の暗号資産交換業者における現物MONA(モナーコイン)の保有状況と当社の月末のクローズレートを表したものである。

MONAの保有残高は、緩やかに増加を続け、同期間のMONA/JPYは上昇と下落を繰り返しており、MONA保有残の価格感応度は低いことが分かる。

一般的な市場参加者の行動パターンは、「下落している中で購入し、上昇している中で売却する」という傾向が多いが、MONAに関しては異なる投資行動となっていた様子だ。

なぜMONAの保有高は上昇を続けるのだろうか?

値動き、心理的なトレンドの観点から考察してみる。

①MONAは価格上昇不足

騰落率BTC & XRP & MONA(当社クローズレートより作成)

上図は2021年1月1日を基準としたBTC、XRP、MONAの対円価格における騰落率の比較チャートである。

この期間においては、MONA/JPYに比べてXRP/JPYのパフォーマンスが、圧倒的にが良かったことが分かる。

8/18時点の当社のクローズで騰落率はBTC/JPYは+62%、XRP/JPYは+401%、MONA/JPYは+20%であった。(価格はBTC/JPYは490万円、XRP/JPYは123.2円、MONA/JPYは166.8円)

MONA/JPYはマーケットの地合いが良かった4/17時点においても、196%の上昇にとどまっており、同期間のBTC/JPY+128%は上回ったものの、4/19のXRP/JPY+702%に対して大きくアンダーパフォームする形となった。

MONA/JPYの値動きは投資家からすると少し物足りなかったのかもしれない。

MONA保有高上昇の一つの可能性としては、上昇率、価格の面でBTC/JPYとXRP/JPYに及ばず、売却による利益確定が起こりにくかったということがあるのかもしれない。

②MONAは比較的急変動が少ない

日次変化率分布(当社クローズレートより作成)

上図は2021年1月1日から8月17日までのXRP/JPY、BTC/JPY、MONA/JPYの日次変化率の分布である(日次変化率は、前日の終値から当日の終値の変動幅をX%で示したもの)。

MONA/JPY、BTC/JPY、XRP/JPYの3銘柄とも±3%に分布が集中しているが、中でも分布の範囲が狭いのはBTC/JPYで、-5~5%に分布の山を作り、全体は-12~16%の間の分布となっている。

MONA/JPYは-3~3%に大きな山を作りながらも、分布はBTC/JPYよりも広く、-24~33%の間まで広がっている。

XRP/JPYについてはさらに広く、-28~45%にまたがっており、MONA/JPYはBTC/JPYより変動幅があるが、XRP/JPYに比べて少ない事が解る。

上図から、XRP>MONA>BTCの順で分布のばらつきが広かったことは、それだけボラティリティが高かったことを示している。
MONA/JPYは同じ価格帯のXRP/JPYよりもボラティリティとしては低く、上昇している回数も少ない。そのため売却して利益確定するチャンスも少なかった可能性がある。

暗号資産は既存アセットに比べると、ボラティリティが大きく短期目的の市場参加者に魅力的な傾向があるが、その中で相対的にボラティリティの小さいMONA/JPYは、他通貨に比べて「ボラ低下による収益機会の減少」を通じて市場参加者により長期保有を促していることがありかもしれない。

③MONAは常に高い関心

キーワード「モナコイン」で検索したGoogleTrends結果および当社クローズレートより当社作成

上図は1/1から8/15までの期間において、キーワード「モナコイン」で検索したGoogleTrendsの結果である。指定した期間において日本の中で、最も「モナコイン」というキーワードが検索された日を100として相対的な推移を示している。

上図から、1月から6月までの期間においては、MONA/JPYに対する関心が非常に高かったことが読み取れる

2月から4月にかけては、MONA/JPYもBTC/JPYや他の暗号資産に牽引されるかたちで価格が上昇した。

MONA/JPYの価格がピークになった4/17にGoogleTrendsの検索値は100をマークしたが、他の日も比較的に検索値の値が高く、50以上をマークする日が17回ある。常に一定の関心が払われていることが読み取れる。

気になるのは、7月に入り、検索値がかなり少ない日が多数存在することだ。

JVCEA統計情報は現在、6月までの集計結果しか公表されていないが、7月以降におけるMONAの保有高には、変化が生じているかも知れない。

フィボナッチ・リトレースメントによる分析

MONA/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、MONA/JPYの日足チャートに4/17の高値433円と7/19の安値111円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメント(※)を反映させたものである。
(※)フィボナッチ・リトレースメント:「1:1.618」という黄金比率をチャートに組み込み、その後の動きを予想するテクニカルな分析方法。

5月からの下落トレンドが底を打ち、7月下旬から安値を切り上げているMONA/JPYであるが、足元は雲の上抜け挑戦を目前にしてやや調整している状況と言えそうだ。

このまま雲の上抜けに失敗し、雲上限がレジスタンスとして機能するような展開になった場合は、7月安値の111円まで下押しする可能性も考えられる。

一方、7月以降の上昇が長期化した場合においては、雲の上抜け後の187円、フィボナッチ半値戻しの272円がターゲットプライスとして射程圏内に入ってくるかも知れない。

(8/19午後8:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

8/19の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は6.05%、中央値は4.69%、標準偏差は4.63 %となった。

最大上昇銘柄はOMG/JPY20.52%、最小上昇銘柄はMONA/JPY2.03%

8/19の暗号資産市場は軒並み上昇。

昨日の暗号資産の使用拡大に伴うリスクについて記録されたFOMC議事録公表に継ぎ、取引所のハッキング報道(8/19 CoinPost)がさらなる悪材料となり下押したものの、ニューヨーク市場時間に入ると、思惑売り勢による買い戻しや、米大手取引業者の国内サービス開始(8/19 CoinPost)による暗号資産関連株の上昇を好感されたほか、国内取引所初の上場(8/18 CoinPost)を控えるADA(カルダノ)の高騰に牽引され、値を戻した。

最大上昇銘柄のOMG/JPYは急伸。2日続落から切り返し、637円(8/16高値付近)をブレイクしたことで加速した。

最小上昇銘柄のMONA/JPYは小幅高。3日続落から153円(日足20日移動平均線付近)で好転した。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

8/19の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.92 %、中央値は7.23%、標準偏差は4.32%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY22.30%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY5.60%となった。

◆本資料においてお客様に提供される情報は、株式会社DMM Bitcoinが収集・作成等したものです。

◆本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。

◆本資料は、本資料作成時点で株式会社DMM Bitcoinが信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

◆本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、株式会社DMM Bitcoinおよび本情報提供者は一切の責任を負いません。

◆本資料のグラフ・データ等は、過去の実績または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。

◆本資料に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は、株式会社DMM Bitcoinまたは権利者に帰属します。お客様は、本資料に表示されている情報をお客様自身のためにのみ利用するものとし、第三者への提供、再配信、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。

2021-08-20
ページTOPへ