XRP(リップル)、買いストーリーは突然に ~“有事の買い”から“平時の買い”へ移行できるか~

Daily Market Report 2021/08/18

_

反発局面で「上昇材料」が重なった偶然

XRP/JPY 1時間足 Bidチャート(8/10 午前0時~8/16 午後7時、当社取引ツールより作成)
XRP(リップル)のチャート・価格情報はこちら

上図は2021/8/10から2021/8/16までを表示したXRP/JPYの1時間足チャートである。
XRP/JPYは、8/10の暗号資産市場の反発局面において、連れ高する形で上昇していたが、その後、8/12に入ると反落し、一時100円を割り込む場面が見られた。

しかし、8/13早朝において、地政学的リスクである「アフガニスタン政府軍(当時)の劣勢」が材料視され、報道(8/13 Bloomberg)されたタイミングから一目均衡表の雲を上放れし、再び反発局面入りした

従来は、地政学的リスクが発生した際に、金(ゴールド)や米国ドルに資金集中する“有事買い”が見られていたが、今回の地政学的リスクでは、暗号資産へも資金流入が波及したような恰好となっている。

その後もXRP/JPYは上昇を続け、130円を難なくクリアしたが、150円が意識されるまでの上昇となった8/15以降は145円付近で頭打ちとなり、雲(上図赤網箇所)を下回る水準まで調整した。

足元では115円-130円のレンジでもみあいながら、次の材料を模索する状況のように見える。

独自材料「Ripple Swell」はトレンド維持に寄与するか?

XRP/JPY 日足 Bidチャート(2021年初来、当社取引ツールより作成)

上図は、XRP/JPYの年初来日足チャートである。

2021年の値動きを踏まえると、意識される節目は以下の3つに集約できる。

① 30円ライン(白線):年初から始まる上昇サイクルの起点となった水準
② 70円ライン(赤線):2021/4から始まる大幅上昇の起点となった水準
③ 210円ライン(青線):年初来高値となった水準

これらの水準を踏まえて、今後のシナリオを以下に検討する。

<シナリオ1>:反発局面の継続

シナリオ1は、反発局面における上昇方向のトレンドが継続するシナリオである。

地政学的材料「アフガニスタン政府軍(当時)の劣勢」が上昇トレンドのエンジンとなり、反発局面が継続した場合、次の節目を目指す展開となるシナリオである。

その場合、暗号資産市場の市況感からの好材料の上昇から、XRP自身の独自材料での好環境へ移行できるかが重要である。

XRPの独自材料について、注目度が高い材料としては、毎年開催されるイベント「Ripple Swell」が2021/11/9~11/10の開催の予定が候補となっている(https://swell.ripple.com/ 発表より)。

上昇エンジンとなる材料が、“有事買い”から“平時でも買われるような材料“をXRPが包含する事が出来るようになってくるのであれば、上昇方向の節目となる③210円ライン(青線)をターゲットに見据える可能性もあるだろう。

<シナリオ2>:下押し局面へ転落

次にシナリオ2は、反発局面が頭打ちとなり、下押し局面へ転落するシナリオである。

ここまでは、地政学的リスクである「アフガニスタン政府軍(当時)の劣勢」の顕在化が、市場において反発局面の材料となるような動きであったが、この材料が一巡し、一通り消化されることで、平時の市場に戻るケースがある。

市場が平時の環境に戻る過程において、“有事買い”による資金流入の巻き戻しである“資金流出”が発生する展開がこのシナリオとなる。

その場合、一旦はキリの良い数字である100円が意識されそうであるが、100円を下回ってくるような場合、次のサポートラインの候補となる節目の、②70円ライン(赤線)に向けて下落方向の値動きへ転落する動きを想定する。

また、短期間において50日単純移動平均線と乖離するほどの上昇を見せたため、利益確定の売りに押され、一時的にも調整局面をむかえる可能性は高いかもしれない。

いずれにせよ、XRPはボラティリティが非常に高い状況となっている。ポジションを保有する際には資金管理等に十分に注意する必要があるだろう。

 (8/17午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

8/17の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-5.83%、中央値は-6.09 %、標準偏差は2.11 %となった。

最小下落銘柄はMONA/JPY-2.06 %、最大下落銘柄はETC/JPY-8.74 %

8/17の暗号資産市場は軒並み下落。米大手カストディ企業を買収したGalaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)社がビットコイン先物ETFを申請したとの報道(8/17 coindesk、CoinPost)の中で底堅さを見せたが、韓国規制強化や米国株の値下げに連れ安となったようだ。

最小下落銘柄のMONA/JPYは2日続落。暗号資産市場が売り込まれる中、161円(日足10日移動平均線付近)を下値目処として底堅い展開。

最大下落銘柄のETC/JPYも2日続落。6,500円(6/30高値、8/8高値付近)がサポートとして意識された。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

8/17の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は10.64 %、中央値は10.72%、標準偏差は3.53%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPY17.80%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY5.50 %となった。

◆本資料においてお客様に提供される情報は、株式会社DMM Bitcoinが収集・作成等したものです。

◆本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。

◆本資料は、本資料作成時点で株式会社DMM Bitcoinが信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

◆本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、株式会社DMM Bitcoinおよび本情報提供者は一切の責任を負いません。

◆本資料のグラフ・データ等は、過去の実績または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。

◆本資料に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は、株式会社DMM Bitcoinまたは権利者に帰属します。お客様は、本資料に表示されている情報をお客様自身のためにのみ利用するものとし、第三者への提供、再配信、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。

2021-08-18
ページTOPへ