BTC(ビットコイン)とGOLD(ゴールド)は逆相関、逃避的な資産として補完的か

Daily Market Report 2021/08/12

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2021年以降、BTCとGOLDは負の相関(逆相関)

BTC対GOLD比較図(Investing.comより当社作成)
※XAU=GOLD(ゴールド)の通貨コード

上図は、2021年1月1日から8月10日のスポット市場におけるBTC(ビットコイン)とGOLD(ゴールド)の価格を比較したグラフである。

同期間のBTCとGOLDの相関係数は-0.62と負の相関関係にある。BTCはデジタルゴールドと呼ばれることがあり、マーケットにおいて、ゴールドと同じ分類をされることが多い。BTCの発行総量(上限)は約2,100万BTCと決められていることや、GOLDは再生可能な資源ではなく埋蔵量の限られた枯渇性資源であることから、市場に出回る供給量が限られており、一般集中規制がない。そのため、BTCとGOLDはインフレヘッジの逃避先として安全な資産であるとみなされる特色がある。

以上のことを踏まえると、上図は正の相関となるはずであるが、実際は負の相関となった。要因として1つ挙げられるのは「高いボラティリティ」である。

BTCはGOLDを大きく上回るボラティリティ

BTC対GOLD ボラティリティ比較表(Investing.comより当社作成)

上表は、同期間(2021年1月1日から8月10日)のBTCとGOLDの前日比をまとめた表である。最大値、最小値、平均値(上昇)、平均値(下落)の4項目ともにBTCの方がGOLDよりもボラティリティが高いことが分かる。

BTCはGOLDより約6~7倍のボラティリティ(平均値(上昇):4.35%÷0.61%≒7倍。平均値(下落):-3.86%÷-0.69%≒6倍)、逆相関で見ると約6倍(4.35%÷0.69%≒6倍、3.86%÷0.61%≒6倍)を誇り、投機筋(短期的な利益を狙った運用)にとっては、想定を超える過度なボラティリティによるロスカットが多発しやすいため、ボラティリティがさらなるボラティリティを招くことになる。

また、安全資産としての括りで見るとすれば、運用において急変リスクを避けるために乗り換えを行っている可能性が考えられる。例えば、BTCが急落した場合にBTCを売り、GOLDを買うといった行動である。これはBTCとGOLD間に負の相関関係を引き起こす一因となりうる。

また、市場がBTCとGOLDを1つのポートフォリオとして互いに干渉している可能性もありうる。BTC価格が、テスラ社のイーロン・マスク氏のツイッター上でのツイートや米Amazon社が決済手段としてBTCを採用するとの報道(後日、米Amazon社は報道を否定 ※7/27 CoinPost)などで吊り上がったことは記憶に新しいが、暗号資産市場はネガティブ・ポジティブニュースやFUD(Fear(恐怖)、Uncertainty(不確実性)、Doubt(疑念)の頭文字を組合わせた言葉)に敏感に反応する傾向がある。

こうしたアクティブな動きが、逃避的な市場として互いに補完し合い、結果としてBTCとGOLDの逆相関を導いていると言えるかもしれない。

BTCは調整局面入りするのか?

現在のBTCは5月以降の下落局面から値を戻している局面となっている。BTCは直近安値の7/20から約55%(上昇幅:29,800USD~46,300USD)の上昇を果たしている。

対するGOLDは同期間において約6%(下落幅:1,730USD~1,830USD)の下落である。
BTCの上昇幅はGOLD下落幅のおよそ9倍(55%÷6%≒9倍)で、前述した約6倍のボラティリティ記録を目安とすると、現在はGOLDは下げ足らず、BTCの勢いに偏っているようだ。

従って、BTCが続伸を維持するためには、GOLDが今年3月以来の安値水準(1,670USD:7/20以来の下げ幅が-9%となり、BTCの上昇幅+55%との比率が約6倍となる水準;55%÷9%≒6倍)まで下押すのが妥当と言える。

GOLDがその水準まで到達せずに下げ幅を戻すようであれば、BTCは帳尻を合わせるために調整局面へ突入するかもしれない。その場合、8/13の午前9時頃に控えた+9%の難易度調整(8/11午後8時時点の概算値)がトリガーとなる可能性も視野に入れておきたい。

 (8/11午後8:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

8/11の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は6.21 %、中央値は5.43 %、標準偏差は4.95 %となった。

最大上昇銘柄はXRP/JPY21.12 %、最小上昇銘柄はBTC/JPY1.27%

最大上昇銘柄のXRP/JPYは、8連騰目にして大幅高となった。韓国の送金業者のRippleNet加入発表への好感が後押しとなった模様(8/11 CoinPost)。XRP/JPYはSECによる社内通信データ提出要請(8/10 CoinPost)もあり、強弱材料で動意づくボラタイルな相場となっている。

最小上昇銘柄のBTC/JPYは小幅上昇。
日中は堅調な株式市場に連れ、前日比+2%を超える場面もみられたが、翌午前5時になると値を崩した。同時間帯にXRPが動意づいたことによる資金流出のほか、電子商取引大手のebay決算にて、売上高が市場予想を下回ったことも要因として挙げられるだろう(8/12ロイター)。同社が過去に暗号資産決済を検討していたことや(5/14 CoinPost)、経済活動再開を背景とした電子商取引の需要減が、BTC/JPYへの連想売りに繋がったとする見方もできそうだ。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

8/11の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.92 %、中央値は7.87 %、標準偏差は4.86 %となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPY23.15 %。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY3.23 %となった。

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2021-08-12
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