ETH(イーサリアム)、ハードフォーク通過で上昇転換か ~2018年と2021年の明確な違い~

Daily Market Report 2021/08/11

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ETHハードフォーク通過、戻り高値をブレイク

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2020年10月初めから現在までのETH/JPYの日足チャートである。

ETH/JPYは、19万円のラインをサポートに3度の反発を試し、2021/8/6には、ついに2つの戻り高値を明確に上方へブレイクアウトするチャートとなった。

現状、47.8万円までレジスタンスポイントとなる節目がないため、トレンドが継続した場合には、史上最高値を更新する可能性も考えられる。

また、ダウ理論で見ると、戻り高値をブレイクしたことにより、「下落局面→レンジ局面→上昇局面」のトレンド転換サイクルが進行として定義されるため、上昇局面への転換と捉えることもできるであろう。

ETHは、トランザクション手数料の高騰化抑制を実現するため、8/6にハードフォーク「LONDON(ロンドン)」を終えたばかりである(Daily Market Report 2021/07/29「ハードフォークを控えたETH(イーサリアム)、今後の行方は?」参照)。

さらに、今後予定されているイーサリアム2.0へのアップグレードにより、コンセンサスアルゴリズムがPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと移行する見通しとなっている。

これによりマイニングに加えて、ステーキング(暗号資産を保有することでブロックチェーンのネットワークに参加し、その対価として報酬を受け取る仕組み)によって、ネットワーク参加が可能となる。また今後は、ステーキングによるネットワーク管理の影響度が高まることとなる(https://ethereum.org/ja/eth2/)。

そのため、報酬を得ることを目的としてETHを保有する市場参加者の影響も同時に高まることとなるだろう。

2018年と2021年比較:今、明確な違いを見る

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2017年11月初め~2018年6月末のETH日足過去チャート(以下、過去チャート)である。

過去チャートをエリオット波動(※)の観点から分析すると、エリオット波動の推進第2波終了時の安値①から、推進第5波終了時の高値②までの上昇率は72%。推進第5波終了時の高値②から調整第3波終了時の安値③までは60%の下落率となった。
(※)エリオット波動:「相場にはサイクルがあり、値動きには一定のリズムがある」という仮説を元に「上昇5波・下降3波」と周期性をもって動く規則性をラルフ・ネルソン・エリオットが編み出した相場分析法。

では次に、2020年10月初めから現在までのETH/JPY日足チャート(以下、現在チャート)を改めて確認し、上図と比較する。

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

現在チャートをエリオット波動の観点から分析すると、エリオット波動の推進第2波の終了時の安値①から、推進第5波終了時の高値②までの上昇率は71%。推進第5波終了時の高値②から調整第3波終了時の安値③までは60%の下落率となった。

過去チャートと現在チャートの値動きを比較すると、相似する部分があるため、市場参加者が過去の値動きを踏襲したとも考えられる。

しかし、安値③以降は過去チャートと現在チャートの値動きで明確な相違点が確認できる。

過去チャートでは安値③以降に下落が継続したことで下落第5波を形成したのに対し、現在チャートでは安値③で下落が停止し、その後に戻り高値をブレイクしたことにより上昇第1波へ転換を確認する展開となっている

このことからも、相似するチャートを比較する際には、過去チャートの値動きを踏襲し下落するシナリオに加えて、現在チャートのような下落局面から上昇局面へ転換する可能性も視野に入れるべきであろう。

直近のETH/JPYシナリオであれば、上昇1波を確認するため②478,000円へ上昇するシナリオに加えて、下落の再開を確認するため③190,000円へ再度調整するシナリオ、どちらの想定も必要となるだろう。

(8/10午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

8/10の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.82%、中央値は3.16%、標準偏差は1.61%となった。

最大上昇銘柄はXRP/JPY5.09 %、最小上昇銘柄はBTC/JPY0.29 %

最大上昇銘柄のXRP/JPYは、100単純日移動平均線からの上抜けに成功した展開となり、また、7日間連続で陽線を付けた。好調な波はありそうなものの、XRPの発行元であるリップル社が証券法違反の疑いにより米SECから社内通信データの提出要請を受けている(8/10 CoinPost)等の上値を抑えそうな材料もあるので、ファンダメンタルズ関連の動向にも注意したい。

最小上昇銘柄のBTC/JPYは、8/9に5/17以来となる500万円の節目を突破してから、500万円付近での攻防が続いている。490万円付近には長期的なトレンド判断の目安となる200日単純移動平均線が位置しており、“一段高の展開”と“もうひと押しの展開”のどちらの想定も必要だろう。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

8/10の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.24 %、中央値は6.96%、標準偏差は1.38%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はMONA/JPY9.39 %。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY4.17 %となった。

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2021-08-11
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