材料消化のETC(イーサクラシック)、1万円台復帰なるか
Daily Market Report 2021/07/28
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・ハードフォーク消化後も下値を切り上げる
図①:ETC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図はETC/JPYの日足チャートである。
ETCは7/24にハードフォーク「Magneto」が無事完了した。イベント消化後の事実売りを警戒する見方もあったが、ETC/JPYについては大きく値を下げることなく推移しているようだ。
上図チャートを見る上で、まず注目しておきたいのは、50日移動平均線と75日移動平均線(以下50MA、75MA)であり、5月下旬から6月上旬にかけて、50MAと75MAは、サポートとして機能していたことが分かる(上図黄矢印)。
5月下旬に、中国国務院が、ビットコイン取引とマイニングに対する取り締まり強化を本格化したことを背景に、暗号資産市場がリスクオフとなると、ETC/JPYも下値する展開となり、6/16に75MAを下抜けると、6/22には約2ヶ月ぶりに、3,300円台の安値をつけるまで下落した。
その後、ETC/JPYは、6月末から7月上旬にかけて値を戻すも、ここでは50MA,75MAに上値を抑えられる格好で反落し、移動平均線がサポートからレジスタンスに移行したことが確認された(赤矢印)。
また、50MAが75MAを下抜け(デッドクロス)することによる弱気入りの示唆も、7月下旬の陰線の連発で説得力が増しており、警戒しておきたい。
一方で、7/20に下髭陰線をつけてからは4連騰し、一時的にではあるが、50MAを上抜けたことや、ハードフォークによる材料消化後も大きく値を崩していないことから、依然として一定の買い支えはあるものとも推測できる。
今後の展開をみるうえで、6/22安値と7/20安値を結んだ上向きのトレンドライン(上図白線)と50MAと75MAには着目しておきたい。
トレンドラインについては、価格がこのラインを下回らない限り、大きく値を崩す展開を想定する必要はないかもしれない。
50MAと75MAについては、ETC/JPYの価格がじり上げとなる場合に、2つのMAが収束してゴールデンクロスを形成し、ETCが上方向にアウトパフォームする可能性も想定しておきたい。
その場合の上値の目処の算出方法の一例として、今回は、フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析の一種である、ハーモニックパターンを用いてみた。
・6/30の反発に注目、上昇後の鬼門は7,400円か
図②:ETC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図はETC/JPYに「ガートレー222」(※)を描画したチャートであり、6/30高値(B)が5/25高値(X)から6/22安値(A)の61.8%戻しに近いことに着目している。
(※)ガートレー222…最も古典的なハーモニックパターンの一つ。名称はH.Mガートレー氏が1935年に出した本の222ページに記載されていることに由来している。原典ではフィボナッチ比率に振れておらず、後世で取り入れられるようになった。
「ガートレー222」の成立要件は、
① (B)は、(X)-(A)の0.618リトレースメント、61.8%戻し(上図では60.7%)
② (C)は、(A)-(B)の0.382-0.886リトレースメント(上図では82.7%)
③ (D)は、(X)-(A)の0.786リトレースメント(上図では78.6%)
④ (D)がポイントになり、(B)-(C)の1.113-1.618プロジェクションで、赤矢印への反転期待ゾーン
となり、現状でETC/JPYは概ね「ガートレー222」を満たしているようだ。
その場合はX-A値幅の78.6%戻しである7,400.8円(D)をターゲットプライスとして、値が進む展開を想定しておきたい。
一方で、上図(B)の位置は、X-Bの60.7%戻しとなっているが、後世で確立された「ガートレー222」の理想形は61.8%とされ、約1%の開きがあり留意する必要があるだろう。
・7,400円を明確に上抜けるなら、1万円台乗せも視野か
図③:ETC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、前述の7,400円を明確に上抜けた場合に考えられる展開の一例で、「クラブ」(※)を描画している。
(※)クラブ…カニのハサミに似ていることに由来している
「クラブ」の成立要件は、
① (B)は、(X)-(A)の0.382-0.618リトレースメント(上図では60.7%)
② (C)は、(A)-(B)の0.382-0.886リトレースメント(上図では82.7%)
③ (D)は、(X)-(A)の0.618エクステンション(上図では161.8%)
④ (D)がポイントになり、(B)-(C)の2.618-3.618プロジェクションで、赤矢印への反転期待ゾーン
となり、ETC/JPYは満たしているようだ。
特に、「クラブ」の成立要件が「ガートレー222」と明確に異なる点として、「ガートレー222」の(B)がX-Aの61.8%戻しであるのに対し、「クラブ」は38.2%-61.8%と広く、今回60.7%のETC/JPYは明確にクリアしているといえる。
ETC/JPYが「クラブ」である場合の上値の目処は、X-A値幅の1.618エクステンションとなり、(D)は、11,700.8円まで値が進む可能性も想定される。
仮に(D)点まで到達できた場合、その後は利益確定売りや、「クラブ」に着目した新規の売りに押され、(D)で相場反転することも想定される。再び、1万円を割ってくるような場合には、6,477.2円(X)までレジスタンスとなりうる主要な価格が存在しない点も、警戒する必要があるだろう。
・トレンドラインを割る場合、2,000円台に後退か?
他方で、上述した6/22安値と7/20安値 を結んだ上向きのトレンドライン(図①白線)を割ってくるような展開となった場合、再度の下値模索の動きにも警戒しておきたい。
一旦は6/22に付けた3,300円が一つの目途となりそうだが、3,300円を割り込むような場合、2021年5月以前の水準、2,000~3,000円程度レンジに落ち込んでしまう可能性もあり、注意する必要があるだろう。
(7/27午後9:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
7/27の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は0.96%、中央値は1.22%、標準偏差は1.40%となった。
最大上昇銘柄はXEM/JPYの3.00%、最大下落銘柄はQTUM/JPYの-1.29%。
7/27の暗号資産市場は、7/27午前5時頃に米Amazon広報担当者が、年内のBTCでの支払い受け入れ報道を否定したことを受け、下落した流れを引き継ぎ早朝から売りに押される展開となった。
しかし、BTC/JPYが節目の400万円付近で踏みとどまり、上昇に転じるとアルトコインも連れて底堅い推移を辿った。
最大上昇銘柄のXEM/JPYは、概ねBTC/JPYに連れた動きとなり底堅く推移。
7月半ばに取引高が急増し上昇した経緯があり、XEM/JPYの取引が活気づく中下値が支えられやすい状況となり、他銘柄に比べて値持ちした印象を受ける。
最大下落銘柄のQTUM/JPYは、昨日の上昇分を吐き出しており、冴えない展開となった。しかしながら、他銘柄の変化率は大きく変わらず横並びとなっており、取り立ててQTUM/JPYが弱い状況ではない様子が伺える。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
7/27の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は7.21%、中央値は7.05%、標準偏差は1.51%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPYで10.01%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPYで3.94%となった。
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