BCH(ビットコインキャッシュ)、他力本願の上げ ~反発局面を維持できるか~
Daily Market Report 2021/07/27
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・Amazonは暗号資産の救世主となれるか
BTC/JPY 1時間足 Bidチャート(7/22 午前7時~7/26 午後9時、当社取引ツールより作成)
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上図はBTC/JPYの1時間足チャートである。
BTC/JPYは一目均衡表の雲を支えに、テクニカル的には上値へのブレイクを模索する展開となっていたが、ファンダメンタルズの好材料をきっかけに急上昇する動きを見せた。
7/26の午前7時10分頃、「Amazonが今年中にもビットコイン決済受け入れか」(7/26 コインテレグラフジャパン)との報道をきっかけに動意付き、425万円超までいっきに上昇した。
BTC/JPYは、7月初旬につけた386万円の戻り高値を抜けず、だらだらと下値模索の展開となっていたが、昨日は7月の月間高値を更新して力強い上昇を見せ、一時445万円をつけて6月高値付近まで上昇した。
・他力本願のBCH、連れ高したものの強気維持できるか
BCH/JPY 日足 Bidチャート(2021年初以降、当社取引ツールより作成)
BCH(ビットコインキャッシュ)のチャート・価格情報はこちら
一方でBCHは、上記報道に関して直接的な関連はないものの、BCHへも資金流入が波及し、結果的にBTCと連れ高する形で昨日は56,000円付近まで、大きく上昇している。
上図は、年初からのBCH/JPY日足チャートである。
足元のBCH/JPYの値動きを見ると、年初来安値ラインである①40,000円(上図白線)でサポートを2度(上図白丸、6/22及び7/20)確認した後、ダブルボトムを付ける形で反発を試している。
しかしながら、50日単純移動平均線(上図黄線、以下50MA)がレジスタンスとして反発上昇に蓋をする格好で位置しており、上昇トレンドを維持できるか重要な局面を迎えている。
以下では、今後のシナリオについて整理してみたい。
<シナリオ1>:50MA(上図黄線)突破、65,000円奪還
シナリオ1は、現在のレジスタンスポイントとなっている50MA(上図黄線)を上方ブレイクするシナリオである。
50MA(上図黄線)を明確に超えた後は、次のレジスタンスラインとして、②65,000円(上図赤線)が目標価格の節目と想定することができる。BCH/JPY = 65,000円は直近の高値であり、7月初旬に上抜けできなかった価格帯であることを踏まえると、強く意識されることが考えられる。
さらにブレークした65,000円がサポートとして機能するようであると、次のターゲットは③80,000円(上図青線)の可能性も出てくるであろうか。BCH/JPY = 80,000円は2月と4月において価格転換となった価格帯であり、同価格帯でのポジション保有者が多いことが想定される。また、80,000という数字的にも節目として意識されることが想定される。
ただし、7/26の急上昇がBCH自身の材料ではなく、他銘柄(BTC)の材料に連れ高する“他力本願”的な急騰であることを考慮すると、BCH自身のレジスタンスポイントでの値固めに時間を要する展開も想定が必要であろう。
65,000円近辺には200日移動平均線(上図緑線)も控えており、上値を重くする一因になりそうである。
本格的な上昇には、50MAが上向きとなり、55,000円-65,000円のレンジで日柄をこなした後になる展開を想定するのが現実的であろうか。
<シナリオ2>: 40,000円への後退
次にシナリオ2は、現在のレジスタンスポイントとなっている50MA(上図黄線)の上方ブレイクに失敗するシナリオである。
その場合、BTCの材料に連れ高する“他力本願”的な上昇が、BCH自身のレジスタンスポイントに敗北したことを意味するため、50MAは引き続きレジスタンスとして強く機能する展開が想定できる。
再度、下落基調となった場合、従来のサポートラインまで、価格が後退する可能性が高くなり、度々サポートラインの機能を果たしている①40,000円(上図白線)まで下値の想定が必要かもしれない。
40,000円のサポートは、今年になって一度も大きくブレークされていないポイントであるが、50MA(上図黄線)が時間経過とともに下降してくることを勘案すると、最後の砦である40,000円もブレークされる可能性も高くなってくる。
50MAを超えられず、40,000円-50,000円でのレンジ推移が長くなるほど、下方リスクも高くなる展開には注意が必要となるであろう。
(7/26午後9:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
7/26の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は3.92%、中央値は3.94%、標準偏差は2.38%となった。
最大上昇銘柄はBCH/JPYの8.81%、最小上昇銘柄はXLM/JPYの0.01%。
7/26の暗号資産市場は米Amazon社の報道(詳細は上述の通り)をきっかけに全面高となった。
これまでに、米ツイッター社のCEOジャック・ドージー氏が決算説明会でツイッター関連サービスの決済手段としてBTCを導入する考えを示したほか、テスラ社のイーロン・マスク氏がマイニングに使用される電力の50%が再生可能なエネルギーになれば、決済を再開する可能性があると述べたことも背景としてある(7/26 ITmediaビジネス)。
最大上昇銘柄のBCH/JPYはBTC/JPYを上回る8.81%の上昇となった。
最小上昇銘柄のXLM/JPYは小幅高。29.258円(7/23高値)が上値抵抗線としての役割を果たし、ローソク足の実体よりも上髭の方が長く引けたことで弱気リバーサル(上昇トレンドから下降トレンドに反転するプライスアクション)の足型を形成した。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
7/26の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は13.70%、中央値は13.45%、標準偏差は2.76%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPYで18.00%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPYで8.61%となった。
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