BTC(ビットコイン)、今見ておきたい指標をチェック
Daily Market Report 2021/07/21
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・炭鉱のカナリアに暗号資産も左右されるか
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
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上図は2020年7月からの銅価格と暗号資産時価総額の価格比較をしたグラフである。
グラフを見ても分かる通り、銅とBTC(ビットコイン)は同じような値動きとなっており、高い相関を示している。
今年の5月から始まった調整局面においては、BTCの調整が目立つ格好となっているが、BTC(ビットコイン)をはじめとして、暗号資産の今後の動向は世界経済の先行指標であり、炭鉱のカナリアとも呼ばれる銅が鍵となる可能性が高い。
銅価格はかつて2008年のリーマンショック発生の1か月前に急落。2020年コロナショックでも1か月前に価格はいち早く下落しており、世界経済を占う道標と言われている指標である。
直近の銅価格は、5月10日に付けた高値を上回ることができずに失速していた。
一方の暗号資産時価総額も、銅価格が高値を付けた同時期に時価総額2.5兆ドルという史上最高値を付けたが、世界経済の循環サイクルを反映する銅の失速と同時に調整を迎えたことがわかる。
暗号資産に比べて、銅の調整は小幅にとどまっている状況であるが、先行指標である銅の価格がもう一段下落するようなことがあると、暗号資産に波及し、調整をより強める展開には注意しておきたい。
次に、BTC(ビットコイン)について他の指標から示唆されるものも確認したい。
Bloomberg(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は直近一年(2020年7月21日から現在)のBTC(ビットコイン)価格と米期待インフレ率の比較をしたグラフである。
暗号資産の代表格であるBTC(ビットコイン)が高騰した背景として、コロナショックをトリガーとした例をみない金融緩和が要因として挙げられる。
グラフから、中央銀行が供給する資金量が増大するに連れてビットコインは上昇を続け、期待インフレ率も同じく上昇を続けてきたことがわかる。
金融緩和によるインフレを回避するインフレヘッジ的資産としてBTC(ビットコイン)に注目が集まっていたが、5月に期待インフレ率が2.5%でピークを迎えて以降、期待インフレ率は低下傾向にあり、同時にBTC(ビットコイン)の価格も下げてきたことがわかる。
期待インフレ率も米国金利も足元では落ち着きを見せている。
7月19日には、米バイデン大統領がホワイトハウスで直近の物価上昇に対してインフレは一時的であると発言しており、期待インフレがさらに低下するようであると、BTC(ビットコイン)の調整は長引きそうそうだ。
ただし、米国経済活動の活性化とインフラ政策の実施によって、いつ、期待インフレが上昇基調に転じてもおかしくない。
この場合は、一転、BTC(ビットコイン)も上昇期待が高くなり、注意しておきたいところだ。
Bloomberg(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は直近一年(2020年7月21日から現在)のBTC(ビットコイン)価格とハッシュレートの比較をしたグラフである。
5月に中国が行った暗号資産の規制強化により、中国金融機関の預け入れ禁止や取引の禁止、そしてマイニングを国内で行うことに対する締め付けが強化されたことにより、マイニング業者は撤退を余儀なくされ、一部は海外移転など戦略の転換を強制される事態となった。
2020年10月には世界全体のハッシュレートの60%を中国が握っていたが、その比率は46%にまで低下している。締め付け強化後の難易度調整もマイナス調整が続いており、7月3日の難易度調整は-27.94%と過去最大のマイナス調整を記録していることからも事態の深刻さが推定される。
現在のハッシュレートはやや回復し101EH/sを記録したものの、一年前のハッシュレートを下回っている状況だ。海外移転を選択する業者も確認できるものの、世界がコロナ禍という病を抱えている状態のため、設備投資に遅れが出ている。ハッシュレートが過去高値を更新する時期は2022年以降という声もあり、BTC(ビットコイン)にとって悪材料といえる環境が継続している。
マイニング企業はマイニングの報酬である暗号資産が設備投資の損益分岐点を上回らなければ事業が成立しない。また、新しい設備投資にせよ、撤退にせよ、マイニング事業者の保有暗号資産の現金化が進んでいることが想定される。
マイニング業者の撤退と価格の低下という負の連鎖が続く場合、BTC(ビットコイン)の下落基調は継続する可能性がある。
逆にマイニングがグローバルに分散され、ハッシュレートの回復が確認されるようだと、BTCにも底打ちの季節が到来することになる。
ハッシュレートには目が離せない状況がしばらくは続きそうだ。
(7/20午後8:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
7/20の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-2.80%、中央値は-2.87%、標準偏差は1.69%となった。
最大上昇銘柄はXLM/JPYの0.32%、最大下落銘柄はETC/JPYの-5.76%。
最大上昇銘柄のXLM/JPYは3日ぶりに小幅反発。7月以降、30円を割り下落基調で推移しており、21円まで下落する局面もあったが持ち直し、始値をわずかに上回る形で終値を迎えた。
最大下落銘柄のETC/JPYは2日連続の下落。午前の大下落から一転、午後に反発する動きを見せたが、半値戻しに至らぬ低調な値動きとなった。今月末にハードフォークを控えている。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
7/20の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は10.02%、中央値は9.45%、標準偏差は3.40%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPYで19.11%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPYで5.65%となった。
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