上昇なら135円、下落なら20円、BATの行方は? 移動平均線とスロー・ストキャスティクスから分析

Daily Market Report 2021/07/09

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ダブルトップ形成による下落中?

BAT/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、BAT/JPYの日足チャート(期間:2021年初~現在)である。

BAT/JPYは、6/3高値がネックラインの上抜けを失敗した(上図白丸)ことで、173円付近を頂点とするダブルトップが形成され、その後下落基調となった。
直近では、6/22安値の44.869円から小幅に反発しているものの、上値は伸びず下落相場の中の小休止といった印象を受ける。

そうした状況下で、テクニカルに着目してみると、移動平均線スロー・ストキャスティクスにおいて、下落基調のサインが点灯している。
以下でこれらのテクニカルについて深堀してみたい。

複数の下落サインの点灯

BAT/JPY日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は各種移動平均線とスロー・ストキャスティクス(※1)を表示させたBAT/JPYの日足チャートである。(期間:2021年3月~現在)

①ローソク足実体が200日単純移動平均線を下抜け

市場において、特に強く意識される200日単純移動平均線(青線・以下200MA)であるが、6月16日に価格がこの水準を突き破っている。
これは、押し目買い意欲の後退を意味しているかもしれない。

ローソク足の実体が200MAを下回るということは、この半年間(200日≒180日)の市場参加者の平均コストを現値が割り込んでいるということになる。

年初から5月頃まで強い上昇相場であったことを踏まえると、損を抱えている市場参加者も多いことが推測される。そのため、同値逃げや損切りなどに押されやすい状況であるとも考えられ、場合によっては下げが加速するような場面も想定されるだろう。

その他のMAにおいては、14MA(上図緑線)・50MA(黄色線)が6月17日と7月2日に200MAを上から下に突き抜ける、デッドクロスを形成(上図黄丸)していることも懸念材料となる。

市場参加者の多くが意識する、移動平均線に関連した下落サインが複数発生しており、上昇基調復調へ、不安が残る状況と言えるだろう。

②スロー・ストキャスティクスにおいて、2本のラインがデッドクロスを形成

スロー・ストキャスティクスを見ると、7/6時点(上図)で買われすぎ水準である80%以上にいて、%D(上図黃点線)がSlow%D(上図赤線)(※2)を上から下に抜けるデッドクロスが形成され、反転シグナルが点灯した。

反転シグナルは、5/7にも同様に発生している(上図赤丸)点に注目したい。その際は150円付近(5/7始値)から、47円付近(5/23安値)まで下押ししており、約70%下落する非常に強い下落となった。

必ずしも過去事例と同様の値動きになるとは言えないが、強い下落相場に突入する前触れである可能性も、警戒をしておきたい。

以上を踏まえて、今後のシナリオを考察する。

(※1)スロー・ストキャスティクス:テクニカル分析の一つで、ある一定期間の中で、現況の変動がどの程度の強さであるか見極めるテクニカル指標。オシレーター系に分類される。
(※2)現在の価格位置の相対的水準を示す「%K」、「%K」の移動平均である「%D」、「%D」の移動平均である「SLOW%D」を用いる。

<シナリオ1>:下降トレンド継続の場合

BAT/JPY 週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図はBAT/JPYの2020年初~現在までの週足チャートである。
シナリオ1は、前述のスロー・ストキャスティクスにおける売りシグナルが有効であると仮定した下落トレンド継続を想定するものである。

下落トレンドを見据えたショートポジションのターゲットプライスはどのあたりとなるだろうか。
前回スロー・ストキャスティクスの売りサイン点灯時の5月において、約70%の下落となったことを踏襲すると、BAT/JPY = 65.8円×30% = 約20円あたりまで到達する可能性は視野に入れておきたい(現在値×70%下落)。

この水準は2020年の停滞期における中心的な価格帯(上図黄色線、15-30円レンジ)であり、下落幅としては大きく感じるものの、2021年初頭の水準への回帰と考えれば、ありえない水準とも言えないだろう。

<シナリオ2>:上昇トレンドへ転換する場合

BAT/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

次に、シナリオ2は、ネックライン上へ再浮上し、上昇に転じるシナリオである。

下落基調突入のきっかけとなったネックライン(上図青線)以上へ上昇し、維持をすることで今回の下落トレンドを脱する可能性を見据えたポジショニングとなる。

90円付近に位置するネックラインより価格が上昇すると、ダブルボトム形成(上図参考)に加え、一目均衡表において価格が雲内部での推移となることが予測されるため、三役好転の発生に期待できるチャート形状となる

この場合、ダブルトップのネックライン90円から6/22安値45円の値幅分(90円-45円=45円)上昇した135円がターゲットプライスとなる。

(7/7午後10:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

7/7の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-8.10%、中央値は-8.06%、標準偏差は2.39%となった。

最小下落銘柄はMONA/JPYの-3.41%最大下落銘柄はOMG/JPY-11.97%

最小下落銘柄のMONA/JPYは反落となった。夕方にかけて134円まで価格を戻す場面もみられたが上値重く、一時127円まで下落となった。

最大下落銘柄のOMG/JPYは反落となった。500円の節目を維持できず、弱含みの展開が続いた。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

7/7の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は10.01%、中央値は10.30%、標準偏差は2.41%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY13.98%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY5.73%となった。

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2021-07-09
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