BCH/BTC、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップはだましか?
Daily Market Report 2021/07/08
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・ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ成立に疑問符
BCH/BTC 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、BCH/BTCの日足チャート(期間:2021年初~現在)である。
BCH/BTCは年初来安値を更新した3/25から上昇に転じ、4/16に0.0155BTCを上抜けると(上図黄印)買い方が勢いづいた。その後一旦押し目を挟み、5/12には年初来高値水準である0.0272BTCまでした。
しかし、中国での暗号資産に対する規制強化や、暗号資産マイニングでの多量の電力消費に対する懸念をイーロン・マスク氏が示したことなどを背景に、5/19に暗号資産が全面安となるとBCH/BTCも連れ安となり、その後は下落基調が続いている。
BCH/BTCのチャート形状は、0.0272BTCをヘッドとし、0.019BTCをショルダーとする典型的なヘッド・アンド・ショルダーを形成(上図黄色線)しているように見る。
ヘッド・アンド・ショルダーは、ネックラインを抜けたところで、売りサインとなるが、BCH/BTCについてもこのサインが点灯したようだ。
6/22に、4/25安値である0.0145BTCのネックライン(上図青線)をローソク足が抜けたことで、下落が加速する形状となったが、現状は、下落幅を拡大する展開とはなっていない。
むしろ、リターンムーブ(上図オレンジの四角部分)が発生して、再度ネックライン付近に価格が接近している。そのため、現状はヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ成立がダマシであるか見極める段階にあるかもしれない。
足元は、年初来安値である3/25安値から引いたサポートライン(赤線)とネックラインに挟まれたレンジ取引となっている。
次第に狭まる領域を上下どちらのラインをブレイクするのか、各シナリオを整理してみる。
<シナリオ1>:ネックラインを上方へブレイクする場合
BCH/BTC 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、ネックライン上へ再度浮上した場合の値動き(白矢印)を日足チャート(期間:2021年3月~現在)に示したものである。
シナリオ1は、ネックラインを上方ブレイクし、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップがダマシとなるシナリオとなる。
ネックライン上へ価格が浮上すると、スクイーズ状態であるボリンジャーバンドが、エクスパンションに移行する可能性が生まれる。ボリンジャーバンドがスクイーズからエクスパンションに移行することは、トレンド転換を測る上で重要なヒントとなる。
この場合、まず終値で0.0150BTC以上の水準を保つかどうかに注目したい。
目先、この価格以上を終値で維持することが、ボリンジャーバンドがエクスパンションに転じる条件(※1)となる。
エクスパンションとなった場合、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの右ショルダー部分(上図白印)である0.0192BTCをターゲットプライスとして、ボリンジャーバンド・+1σから+2σに沿った値動きとなるか確かめたい。
ただし、エクスパンションとなった場合でもヘッドフェイク(※2)が発生する場合や、再度スクイーズに転じるなど、ボリンジャーバンド自体が抵抗となる可能性もあるため、チャート形状を注意深く観察する必要があるだろう。
(※1)ボリンジャーバンドは、移動平均線に対し標準偏差の値を増減させバンドを描画している。(上図では20日間移動平均を用いている。)
時間経過とともに終値が0.0150BTC付近である6/18~6/21頃のデータ(20日前)が置き換わっていくこととなる。そのため、0.0150BTCを上回る水準を維持すれば標準偏差の値が前日に比べ増加することとなり、バンドの軌道が拡大傾向になると推測できる。
(※2) ボリンジャーバンドを超えてから、再度バンドの内側へと戻り、反対方向のバンドへ向かう動きとなること。
<シナリオ2>:サポートラインをブレイクする場合
BCH/BTC 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
次に、シナリオ2は、ネックライン(上図青線)がレジスタンスとして機能し、サポートライン(上図赤斜線)をブレイクするシナリオである。
この場合はヘッド・アンド・ショルダーズ・トップが確定することに加え、サポートライン付近に位置している200日単純移動平均線(黄線)を下抜けることから、強い売りシグナルが点灯する。
一般的に、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップが成立した場合、ヘッドからネックライン間の値幅分、ネックラインから下落した位置がターゲットプライスとなるとされている。
今回であれば、ヘッドが0.0272BTC、ネックラインが0.0145BTCとなり、その差は0.0127BTCとなる。
ここからターゲットプライスを算出すると、BCH/BTC = 0.0018BTCとなる。しかし、目先は前回レンジであった水準、領域A(上図橙四角)が意識されると考えられ、0.0100BTCライン(緑線)を目処とした短期反発局面が展開されることが想定されうる。
その後、0.0100BTCを割り込んで下落する場合、年初来安値更新を更新する下値追いの値動きとなる可能性もありそうだ。
安値更新となれば売りが売りを呼び、上述のターゲットプライス(0.0018BTC)が現実味を帯びる値動きとなることも想定され、安値付近での値動きには十分注意する必要があるだろう。
なお、BTC/JPYが360万円であった場合、BCH/BTCが0.0100BTCではBCH/JPYは36,000円となり、BCH/BTCが0.0018BTCの場合、BCH/JPYは6,480円となる。一つの目安として考慮していただきたい。
(7/7午後10:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
7/6の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は2.27%、中央値は1.96%、標準偏差は1.83%となった。
最大上昇銘柄はBAT/JPYの6.99%、最大下落銘柄はETC/JPYの-0.06%。
最大上昇銘柄のBAT/JPYは、6/30から続いていた、調整のレンジ相場が均衡を崩し、上昇してきたようだ。
最大下落銘柄のETC/JPYは、レンジ相場真っ只中であり、目立った値動きを見せていないようだ。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
7/6の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は5.24%、中央値は4.80%、標準偏差は2.08%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPYで10.8%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPYで2.68%となった。
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