ETC(イーサクラシック)に下落トレンド脱却の兆しか
Daily Market Report 2021/07/06
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・ETC/ETH 6/29の大陽線に着目
ETC/ETH 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、ETC/ETHの日足チャート(期間:2021年4月~現在)である。
足元のETC/ETHは、5月上旬の激しい値動きも落ち着き、0.0190ETH(Aライン 上図緑線)をサポート、0.0297ETH(Bライン 上図黄線)をレジスタンスとしたボックス圏内で推移している。
サポートとなっているAライン(0.0190ETH・上図緑線)は、4/16、4/17に付けた前回の高値水準となるが、同時に、5/5から5/6の急上昇時においては上方ブレイク(上図青丸)したラインでもある。
5/7以降の下落相場においてはこのラインを大きく割り込むことはなく、サポートラインとして機能しているのがわかる。
一方のレジスタンスラインとなっている0.0297ETH (Bライン・上図黄線)は、5月急騰前の安値(4/23・上図黄印)から、急騰時の高値(5/6・上図赤印)におけるフィボナッチ・リトレースメントの50%ラインと重なる水準である。
このラインは、5/9にローソク実体が下回って引けて(上図緑丸印)以降、レジスタンスラインに切り替わり、意識されているようだ。
このようにETC/ETHは上下のレジスタンスとサポートに挟まれる格好で、レンジ相場の展開が続いていたが、ファンダメンタルズ材料から反発の兆しを見せ始めている。
6/29のコインテレグラフの記事によれば、良好なファンダメンタルズ材料は次の通りとなる。
「ETCの開発チームは、7月下旬にETCのハードフォーク「Magneto」を行うことを発表した。イーサリアムの大型アップデートであるベルリンで実装された4つのイーサリアム改善提案(EIP)が含まれ、今回のハードフォークによって、ネットワークのセキュリティを向上とガス代(手数料)削減につながることが期待される。」
直近のETC/ETHは、このニュースに反応してか0.0020付近から0.0025付近まで上昇して 6/29には大陽線となった。その後も0.0024付近での値動きとなり、日足一目均衡表・雲下限に沿った推移(上図黄四角形)となっている。
現在、次の2点から今後の値動きを占う上で重要な状況にあるといえる。
①日足一目均衡表での好転の発生と、雲形状の変化
②RSI(14日)でダイバージェンスが発生
それぞれ図を交えて、以下に記述する。
ETC/ETH 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
①日足一目均衡表での好転の発生と雲形状の変化
上図は一目均衡表を表示させたETC/ETH日足チャートであるが、日足一目均衡表・転換線(上図黄色線)が基準線(上図赤線)を下から上に抜けるゴールデンクロスが発生(上図黄印)している。それに加えて遅行線(上図緑印)がローソク足を上回る水準にあり、それぞれ好転と呼ばれる買シグナルが点灯しているのがわかる。
ここから、価格が雲を突き抜ける事ができれば三役好転が成立し、強い買シグナルが点灯することとなる。
ただし、今後は雲が厚い状態が続くため、雲を突破するには日時を要することとなりそうだ。当面は、雲下限(上図赤点線)付近をレジスタンス、雲下限をサポートとしてレンジ相場が継続する可能性について考慮しておきたい。
一方、その雲の形状であるが、7/21から雲上限(上図黄色点線)が急降下し、7/25には雲が急激に薄くなり、上抜けしやすい形状へ一転する。
奇しくもハードフォーク予定日(7/21)付近となっており、7/21以降は仕掛け的な買いが入る可能性には留意しつつ、月末に向かった値動きに注目したい。
ETC/ETH 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
②RSI(14日)でダイバージェンスが発生
RSIについては、上図a、bのラインよりダイバージェンス(※)が発生したことが読み取れる。
(※)ダイバージェンス:テクニカル指標と実際の価格が逆の方向に向かって動いている状態。ダイバージェンスが生じるとトレンドは転換する傾向が見られる。
RSIは6/8に売られすぎ水準と言われる30%を下回った後は、ジリジリと下値を固める動きが進み、実際にダイバージェンス発生となった6/22に付けた安値を起点として、短期的には下値を切り上げる形で上昇基調となっている。
このような動きは、トレンドが上向いたと期待できるチャート形状で、相場が反転したか見極める段階にあると言えるだろう。
以上の買シグナルが有効であるか、否かで今後のシナリオを考察する。
ETC/ETH 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
<シナリオ1>:上昇トレンド継続の場合
上図は、下値からの戻りの目処を探るため、フィボナッチ・リトレースメントを5/6高値から6/22安値にむけて描写したETC/ETHチャートである。
上昇トレンド継続となる場合、6/22の安値を底として、上昇するシナリオとなる。その場合、6/22以降の安値を結んだトレンドライン(上図赤色斜線)に沿って下値を切り上げる動きが継続するかに着目したい。
トレンドラインに沿って上昇した場合でも、直近のレンジ上限である0.0300ETH付近に、フィボナッチ・リトレースメント・38.2%戻し水準と、一目均衡表・雲上限、さらには冒頭で記述したBのレジスタンスラインが密集(上図X領域)しており、一旦売りに押されることは想定しておきたい。
<シナリオ2>:下落に転じる場合
トレンドライン(上図赤色斜線)をローソク足実体で下回る場合には、短期的な上昇トレンドが否定されることとなる。その場合、4/4以降ローソク足が上放れしていた、100日単純移動平均線(青線)が、目先の目処となるだろうか。
100日単純移動平均線で留まれず、下抜けした場合には、4月からの上昇相場での市場参加者の平均コストを下回る(100日=約3ヶ月)こととなるため、下げが加速する可能性には留意しておきたい。
冒頭で説明したレンジ下限である、Aラインも重なってきているため、ここで下げ止まらない場合は、4/23安値である0.0114ETH付近までの値幅を伴った調整に警戒したい。
(7/5午後11:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
7/5の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-5.43%、中央値は-5.66%、標準偏差は1.01%となった。
最小下落銘柄はOMG/JPYの-3.31%、最大下落銘柄はBAT/JPYの-7.27%。
7/5の当社取扱い銘柄は全面安となり、全面高であった7/4とは対照的な値動きとなった。
最小下落銘柄のOMG/JPYは、日足チャート上において、5月の大幅下落からレジスタンスラインとなっていた20日単純移動平均線をサポートラインとしたことで下落幅は限定的という印象だ。
最大下落銘柄のBAT/JPYは、6月下旬から65円に近づくと反落しており、この価格帯を抜け出せずにいる。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
7/5の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は10.43%、中央値は10.41%、標準偏差は1.53%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPYで13.36%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPYで8.39%となった。
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