QTUM(クアンタム)、 550円(5.0ドル)ラインが分水嶺?

Daily Market Report 2021/06/29

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QTUMは一旦下げ止まったか…?

QTUM/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、QTUM/JPYの日足チャート(期間:2020年初~現在)に一目均衡表を表示させたものである。
QTUM/JPYは5/7に上髭の長い陰線(上図赤丸)が出現し、それ以降、下落基調が継続している。
下落基調が明白となったのは、市場参加者の間でも関心の高い一目均衡表における雲の突き抜けであろうか。5/19の下落(上図青丸)において、1,800円台で始まったQTUM/JPYは一時700円台に達するほどの大幅下落となり、日足一目均衡表・雲(以降、「雲」という)を明確に下抜けすることとなった。その後、短期的な反発が幾度か見られたが、いずれも雲に上値を阻まれ失速し、6/2からは転換線(上図橙色線)に抑えられる格好で推移している。
直近の安値は6/22となり、一時、500円を割り込み、400円台までもう一段下落し地合いの悪さがうかがえる展開が継続した。
その後は500円台を回復した後、現在は600円台の後半まで、やや値を戻しての推移となっている。

QTUMの500円台は過去の値動きからは、キーとなる一つの価格であり、今後も注目されるポイントとなる。550円ライン(上図黄色線)は、2019年から2021年の年初にかけて、上値を抑える強いレジスタンスラインとなっており、2019年6月や2020年8月の上昇局面において、レジスタンスラインとなり意識されている水準であった。
その後、2021年2月に明白にレジスタンスはブレイクされると、今度はサポートして機能し、上昇相場の礎となっていたわけだが、直近では500円割れも発生しており、サポートラインとしての機能が試される局面を迎えている。
そうした節目は継続して意識されやすいため、今後の展開においても足元での揉み合いがどちらへ傾くのか見極めるための判断材料になろう。

本日は、今後の短期的な到達水準をサポートラインとしての550円を軸に考察したい。

550円ラインで値固めする場合

QTUM/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、一目均衡表とスロー・ストキャスティクス(※1)を表示させたQTUM/JPYの日足チャートである(期間:2020年初~現在)。
QTUM/JPYは上昇の過程で、800円と1,000円のラインがレジスタンスラインとサポートラインの転換点として機能していたことが読み取れる。昨今の下落時にも、一時的なサポートとして、それぞれ下落の抵抗となっていたようだ。

スロー・ストキャスティクスを確認すると、6/22時点(上図青丸②)で、売られすぎ水準である20%以下で%DがSlow%D(※2)を下から上に抜けるゴールデンクロスを形成しており、買いシグナルが出た
5/24にも同様のシグナルが出ており(上図青丸①)、その際は800円付近(5/24始値)から、1,500円付近(5/28高値)まで上昇しており、約87%の上昇幅となっている。
その上昇幅を現在価格に当てはめると、6/22始値560円の1.8倍は約1,000円となり、前述の節目と同水準までの上昇に期待ができそうだ。
QTUMはファンダメンタルズの材料からも、12月に半減期を迎える予定となっており、半減期に向けた買いがサポートとなる可能性も考慮しておきたい。

(※1)スロー・ストキャスティクス:テクニカル分析の一つで、ある一定期間の中で、現況の変動がどの程度の強さであるか見極めるテクニカル指標。オシレーター系に分類される。
(※2)現在の価格位置の相対的水準を示す「%K」、「%K」の移動平均である「%D」、「%D」の移動平均である「SLOW%D」を用いる。

550円ラインが維持できない場合

QTUM/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

次に、足元の揉み合いを経て下落トレンドが再開するシナリオを考えてみる。
現時点で日足の一目均衡表で、三役逆転(※)が成立しており、トレンドとしては下向きである。この場合、2/10に550円ラインを突破後、反落した際につけた安値である400円ラインを目指しての下落再開となろう。
2月には、400円ライン(緑線)を底値に上昇に転じる事が出来たため、現在はサポートとして意識されているが、400円を割り込むことになれば一段安が想定される。
その場合は、2020年上半期にはレジスタンスラインとして、同下半期にはサポートラインとして機能していた、年初来安値水準である200円ライン(白線)が下値目処となるだろうか。

以上テクニカル分析であるが、ファンダメンタルズからの材料については、QTUMの創設場所について留意が必要となろうか。
QTUM創設者は中国の大手IT企業の出身者であり、中国発の暗号資産であることに着目しておきたい。
直近の暗号資産市場の下落には中国での規制強化が背景にあり、今後も中国での規制強化等の動きが、中国発のプロジェクトであるQTUMに、他銘柄以上に直接的なネガティブインパクトを与える可能性もあることに留意しておく必要があるだろう。

(※)三役逆転:a.転換線が基準線を下回る水準にある。b.ローソク足の実体が日足・雲を下抜ける。c.日足・遅行線がローソク足を下抜ける。以上、3つの条件が揃っていると強い売りサインとなる。

 (6/28午後03:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

6/29の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフのとおり。

平均値は9.16%、中央値は9.20%、標準偏差は2.36%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPY14.96%、最小上昇銘柄はBTC/JPY4.90%

6/28の当社取扱い銘柄は前日に続き、全面高となった。メキシコ3位の富豪が「全ての投資家がポートフォリオに組み込むべき資産」とビットコインに強気の発言をしたことや(6/28 CoinPost)、テスラ社のCEOの誕生日であることの思惑買いもあったようだ。

最大上昇銘柄のETH/JPYは反発。昨年9月に発表されたEUの暗号資産規制案について、NFTは規制対象外とする報道が伝わり(6/26 CoinPost)、ETH/JPYはこの恩恵を受けたようだ。

最小上昇銘柄のBTC/JPYは小幅続伸。BTC/JPYは前営業日の最大上昇銘柄だったが、今回はアルトコインが選好される相場だったようだ。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

6/28の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフのとおり。

平均値は10.14%、中央値は9.91%、標準偏差は1.98%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はETH/JPY15.27%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPY7.51%となった。

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2021-06-29
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