BTC(ビットコイン)、下落に乗るか押し目で買うか、月別ランキングをチェック
Daily Market Report 2021/06/23
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・世界株に対してトレンドを崩す暗号資産
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は2021年1月からの暗号資産時価総額と代表的な株価指数であるMSCI ACWI※の価格比較をしたグラフである。
※MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出・公表する世界の株式時価総額の85%をカバーするオール・カントリー・ワールド・インデックス
暗号資産時価総額は、5月10日をピークに約1兆ドル(約110兆円)の下落となる一方で、MSCIは100ドル近辺を維持し堅調に推移している。
暗号資産は、米国発の悪材料(テスラ社のBTC決済中止)やチャイナ発の悪材料(銀行と決済企業に暗号資産関連サービスの禁止措置を実施)から、下落基調を強めている。
一方の株式市場は、約110兆円失った暗号資産に対して、グローバル投資のベンチマークとしても採用されるオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)をみると、一時的な下落もみられたものの、暗号資産時価総額と比較して2021年の上昇トレンドは崩れていないことがわかる。
2021年相場は株高・暗号資産高が進んだものの、ここにきて暗号資産に暗雲が漂う展開となっている。
本日は暗号資産の下落基調と騰落率の過去データから今後の動きを検証してみたい。
過去の月中最大下落幅(始値から安値までの変動幅)をランキングしたものが以下となる。ここから、月中の下落の目安が図れるか、過去の下落率を確認したい。
*BTC(ビットコイン)の2013年から現在までの月足が陰線であった月の始値から安値までの変動幅を10位までランキング‗当社調べ
最も下落した月は2013年12月の66.9%となり、米国の金融緩和の終焉となるテーパリング開始の直前期間に生じた下落が下落率1位となった(前回レポート『BTC(ビットコイン)、2013年と同じ歴史を歩むか』参照)。
直近の大きな下落は2021年月5月となり、49.6%という急落劇をみせている。
価格変動率でみると月単位では2017年の暗号資産バブルの終焉である2018年1月の46.5%を超えた動きをみせていることがわかる。
翻って足元の状況をみてみると、今月6月の下落率は執筆時点で22.3%程度であり、過去の大きな下落率に対して、半分から1/3程度の下落である。
投資家層のセンチメント悪化が加速するならば、さらなる下落も想定されることが過去の下落率ランキングから読み取れる。
6月の始値が402万円であり、5月同様の49%前後の下落を想定するならば、2020年11月以来となる200万円までの下落も可能性としては考慮に入れておく必要があろうか。
さらに、2013年12月同様の66.9%級の下落を想定するならば、2019年6月高値に相当する150万円までの下落となり注意が必要だ。
・今後の展開は?
上の表は2013年から2021年現在のBTC(ビットコイン)の月足の騰落率を月毎に集計したものである。
騰落率が最も低い(下落の傾向が多かった)月は3月、9月となり、弱気派優位の展開で進む月であることがわかる。逆に、騰落率の高い月は2月、10月、11月となっている。
7月はの騰落率は63%と、陽線で終える可能性の高い年であると言えるが、8月、9月と騰落率が低いのが気になるところだ。
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は2020年1月からのBTC(ビットコイン)とFunding Rateの比較をしたグラフである。
Funding Rateとは、付与される手数料のことを言う。支払う仕組みが構築されており、需給の偏りが確認できる一つの指標となる。
現在のFunding Rateはマイナス方向に傾いており、買い手(ロング)側にとって手数料が付与される恩恵がある分、売り手(ショート)は手数料を支払う状況となっている。
このため、需給の偏りは、売り優勢であることがわかる。
過去2020年3月のコロナショック時の状況を確認すると、買い手不在の中Funding Rateがマイナス方向へ沈んだ状況下で、Funding Rateの手数料を受け取りながらの買いポジションの構築は、報われる結果となっており、長期保有目的の押し目買い(ロング)としてはコロナショック以来の良い機会となる可能性もあるだろう。
(6/22午後8:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
6/22の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-5.93%、中央値は-6.23%、標準偏差は4.87%となった。
最大上昇銘柄はBTC/JPYの3.65%、最大下落銘柄はXEM/JPYの-12.60%。
最大上昇銘柄のBTC/JPYは下髭をつけて反発。欧州市場時間では軟調で、3万ドルの節目を割る局面もあったものの、米国市場時間に入ると急反発し、陽線で引けた。
同日のFRB議長の議会証言では、早期利上げへの言及が警戒されていたが、無難に通過したとみられている(6/23 日本経済新聞)。NASDAQが史上最高値を更新したこともまた、市場参加者の安心感に繋がったようだ。
最大下落銘柄のXEM/JPYは昨年11月以来の安値圏。XEMはBTCやETHに比べ、対USDの取引割合が少ないこともあり(Crypto Compare)、今回の米国発の反発材料はあまり響かなかったようだ。一方で、日本や韓国株式市場の反発次第では見直し買いが入るとも考えられ、その場合は出遅れ銘柄となりうる。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
6/22の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は23.49%、中央値は24.29%、標準偏差は4.01%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPYで27.95%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPYで14.35%となった。
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