BTC(ビットコイン)、2013年と同じ歴史を歩むか
Daily Market Report 2021/06/17
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・炭鉱のカナリアに暗号資産も左右されるか
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
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上図は2021年1月からの銅価格と暗号資産時価総額の価格比較をしたグラフである。
BTC(ビットコイン)をはじめとして、暗号資産の今後の動向は世界経済の先行指標であり、炭鉱のカナリアとも呼ばれる銅が鍵となる可能性が高い。銅価格はかつて2008年のリーマンショック発生の1か月前に急落。2020年コロナショックでも1か月前に価格はいち早く下落しており、世界経済を占う道標と言われている指標である。
直近の銅価格は5月10日に付けた高値を上回ることができずに失速していた。
一方の暗号資産時価総額も、銅価格が高値を付けた同時期に時価総額2.5兆ドルという史上最高値を付けたが、世界経済の循環サイクルを反映する銅の失速と同時に調整を迎えたといえるであろう。
暗号資産高騰の背景として、コロナショックをトリガーとした例をみない金融緩和が要因として挙げられているが、今後の暗号資産の動向を探るためにもFOMC(米連邦公開市場委員会)の金融政策方針に注目が集まっている。
今回は、テーパリング(量的緩和の縮小)を表明した2013年に焦点を当てて2021年との類似性を見ていきたい。
・2013年と類似するマーケットニュース
2013年と2021年現在で共通する点は、マーケットが大量の通貨を供給することを目的とした金融政策の段階的縮小を意味するテーパリングの議論が始まっていることである。
上図は、2013年と2021年現在で暗号資産に生じた重要ニュースを網羅したものである。
2013年のキプロス共和国、2021年のエルサルバドルといった新興国が暗号資産を支払手段として利用することを決めた報道や、2013年、2021年のFBIによる暗号資産の取り締まり、2013年、2021年の中国当局による規制など、時系列は異なるが、2021年に生じたトピックはテーパリングを迎えることになる2013年を想起させるものがあり、暗号資産は2013年の相場サイクルと類似した状況になっていると考えることはできないだろうか。
・テーパリング開始前に相場下落か
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は2013年1月からの銅価格とBTC(ビットコイン)の価格比較をしたグラフである。
前回のFRB(米連邦準備制度理事会)の実施したテーパリングの実施は、2013年5月に公式にテーパリングを示唆し、その後2014年1月から10月にかけてテーパリングを実施したが、期間中の銅価格とBTC(ビットコイン)をみると、一時的な反発上昇は見られたが、総じて下落基調であった。
現在のテーパリングを正式に行う期間予想として、2022年の1月が予想されているが、2013年12月のBTC(ビットコイン)の史上最高値達成や、中国の暗号資産に対する規制というファンダメンタルズを2021年は4月から6月にかけて半年ほど早く達成しており、2013年と類似する材料を消化したBTC(ビットコイン)にとって、テーパリングの開始がなくとも下落サイクルは間近に迫っている可能性がある点は懸念される。
・楽観的見方ならば2013年相場と同じ歴史も
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は2013年、2021年の1月からのBTC(ビットコイン)の価格変動率を比較をしたグラフである。
楽観的視点でBTC(ビットコイン)をみるならば、2013年の価格推移は4月の高値1,000%超を付けて以降、9月頃まで低迷相場となったが、10月からはBTC(ビットコイン)らしく、年初から8,000%にまで達する上昇相場をみせている。2021年も同じく4月の史上最高値を迎えて以降、価格は低迷しているが、FRB(米連邦準備制度理事会)の声明次第では、ドルのインフレ懸念等のファンダメンタルズから、強気派が相場を押し上げる可能性も否定できない。今後の相場動向の先行きが注視される局面となるであろう。
(6/16午後8:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
6/16の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-2.98%、中央値は-2.74%、標準偏差は2.02%となった。
最大上昇銘柄はOMG/JPYの1.20%、最大下落銘柄はXEM/JPYの-8.17%。
最大上昇銘柄のOMG/JPYは小幅上昇。暗号資産市場は17日午前3時のFOMCを控えた資金抜けムードで軟調地合いの中、OMG/JPYは膠着。FOMCを迎えると、市場は一時ボラティリティを拡大させOMG/JPYも上下に振れたが、終盤に向け、買い戻される格好となった。
最大下落銘柄のXEM/JPYは、6/15クローズ時点が日足の20日移動平均線に到達したことで、下押す格好となった。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
6/16の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は7.30%、中央値は7.32%、標準偏差は1.42%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPYで10.72%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBAT/JPYで5.56%となった。
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