パラダイムシフトの予兆!次のトレンドはPoS>PoW?

Daily Market Report 2021/06/10

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熱狂相場は終了か?

Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は2016年6月1日を起点とした暗号資産時価総額を示したグラフである。

暗号資産時価総額首位であるBTC (ビットコイン)は4/14に64,000ドルの過去最高値を更新したものの、米coinbase社の上場をピークに上昇の勢いは失速。一週間後の4/23には、米キャピタルゲインの課税強化がきっかけとなったか、BTC (ビットコイン)は50,000ドルの節目を割り込む展開となった。

その後、押し目買いに支えられ59,000ドルまで価格を持ち直したものの、5/12に15億ドル分のBTCを購入し、投資家からの注目を集めたイーロン・マスク氏が、BTC (ビットコイン)決済の中止を発表したことで投資家センチメントは悪化。一時30,000ドルを割り込む急落となった。
5/21には中国の金融安定発展委員会が2017年以来となる中国国内のマイニングや暗号資産取引に関する規制強化を表明するなど、悪材料に左右された弱気相場の様相を呈している。

全体を俯瞰するための指標である暗号資産時価総額は、ピークである2.3兆ドルから一時1兆ドルもの価値を喪失しており、多くの銘柄が過去最高値を更新した熱狂相場を打ち消した格好となっている。

現在地点からの反発は可能なのか、それとも下落トレンド継続となるのか。
今後の動きを把握するために騰落ランキングを確認したい。

下落スパイラルからいち早く抜け出す銘柄は?

当社取り扱い銘柄の上昇率比較
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
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上図は2021年1月1日を起点とした当社取扱い銘柄の価格上昇率を比較したグラフである。

前回レポート執筆時点のパフォーマンスから大きく落ち込んでしまった銘柄が目立ち、中でもXEM(ネム)は年初来マイナス圏まで低下している。

ポイントとして、

  • 当社取り扱い銘柄の大半で、年初来プラス圏と好調な推移
  • 特に、ETC(イーサクラシック)が群を抜いて上昇
  • BTC (ビットコイン)の上昇率は17%にとどまり、順位はアルトコイン優勢

という点があげられる。

暗号資産下落のトリガーともなったイーロン・マスク氏の発言の中で、BTC (ビットコイン)のマイニングに対するエネルギー消費は常軌を逸しているとの考えを表明しており、暗号資産のマイニングが、環境問題に影響を与え、持続可能な社会を危険に晒すのではないかという声が聞かれる。

そうした背景から、今後の有望銘柄となりうる可能性を示唆する銘柄は、大量の電力を必要とせず、環境負荷の少ない持続可能な社会に適合するプルーフ・オブ・ステーク(PoS)銘柄に注目が集まっている。

Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は2021年1月1日を起点とした当社取扱い銘柄のBTC(ビットコイン)とQTUM(クアンタム)の価格上昇率を比較したグラフである。
2021年のアルトコイン>ビットコインの関係性が示す通り、BTC(ビットコイン)と比較しQTUM(クアンタム)のパフォーマンスが高いことが分かる。

QTUM(クアンタム)の特徴として挙げられるのが、BTC(ビットコイン)のコンセンサスアルゴリズムであるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)の課題点となる膨大な電力消費という問題を生まないプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用している点だ。また、QTUM(クアンタム)は2021年9月に新規発行という供給が減少し、希少性が高まる半減期を迎える予定であり、価格を押し上げる要因になりえると考えられている。

2021年後半相場を占ううえで注目に値する銘柄となる可能性があるだろう。(「クアンタム(QTUM)とは?ビットコインとイーサリアムの複合型」参照)

BTC(ビットコイン)に対してアルトコインのパフォーマンスが高いという事は、『既に一定層の投資家からの資金流入が発生している』からと考えられ、環境問題に影響を与えないプルーフ・オブ・ステーク(PoS)銘柄に注目が集まっている可能性も考えられる。

ETH(イーサリアム)や、ADA、XTZといった時価総額上位に位置する銘柄も、将来的にプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行していく計画を持っており、今後、パラダイムシフトが起きる可能性も十分に考えられるだろう

(6/9午後8:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

6/9の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は4.06%、中央値は3.55%、標準偏差は2.90%となった。

最大上昇銘柄はBTC/JPY9.72%、最大下落銘柄はOMG/JPY-0.08%

最大上昇銘柄のBTC/JPYは、6/8米国時間からの反発の動きが継続し、全般底堅い値動きを辿った。下値を切り上げる中、6/7に下落が加速した水準である385万円をしっかりと上抜いたことで、上昇に弾みが付き、足早に400万円台まで上昇した。その後、390万円台まで押し戻される場面があったものの、終値では400万円台を維持した。

最大下落銘柄のOMG/JPYは、わずかに下落に傾いたが、水準はほぼ変わらなかった。6/8安値(504円)からの反発上昇でつけた戻り高値(585円)をレジスタンスライン、その半値押し(545円)をサポートラインとして、限られたレンジ内での揉み合いとなった。底堅さが伺えるものの、他銘柄の状況を考えると物足りない値動きとなった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

6/9の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は10.41%、中央値は10.44%、標準偏差は2.18%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPY15.28%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はOMG/JPY7.29%となった。

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2021-06-10
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