ETH(イーサリアム)逆三尊?目先の上値の目途に迫る

Daily Market Report 2021/06/02

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・5月下旬の急落も一服、上昇トレンドへの移行も視野か

ETH/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、ETH/JPYの日足チャート(期間:2021/4/15~現在)である。

5月下旬のETH/JPY相場は、暗号資産市場に対する各国の規制やETH特有の材料に左右される展開となった。

19日から23日にかけては、中国国内の金融機関での暗号資産取扱禁止や、マイニング禁止の議論(5/22CoinPost)により、下値模索の展開へ。ETH/JPYは3日連続で下落し、23日には、20万円を一時的に下回った。

翌24日から27日にかけては、中国でのマイニング規制により各国でのマイニングが活況となるとの見方など、市場の悲観論が一服したことを背景とした戻り基調となり、24日のETH/JPYは、+20%超の大幅高となった。

28日には米国にて暗号資産取引や送金の報告義務が議論されたことで、暗号資産市場は再び急落するが、ETH/JPYに関していえば、前日に米国で2事例目のイーサリアムETFが申請されたことや、イーサリアムL2ソリューション「Arbitrum」ローンチ発表が買い支え要因となったのか(5/28 CoinPost)、5/23の安値を下回ることなく、下値模索の流れも限定的となったようだ。

上記を踏まえて、現在のETH/JPYのチャートについて、主に次の3点が、上方向への見方の根拠となりそうである。

① 75日移動平均線(赤矢印)の上抜け
② 5/12高値と5/27高値を結んだレジスタンスライン(赤線)の上抜け
③ 逆三尊の形成(ヘッドアンドショルダーズ)

①75日移動平均線(赤矢印)の上抜け
75日移動平均線は昨年10月から通算13回反発してきたサポートラインであるが(Daily Market Report 2021/04/21「4日続落のETH(イーサリアム)、下値の目途は?」参照)、5/19に一度は下抜けしていたが、5月末には、再度上抜けに成功している。
今後は、75日移動平均線をサポートとして、定着できるか、また、再び反発できるかが注目される。

②5/12高値と5/27高値を結んだレジスタンスライン(赤線)の上抜け
5/23以降の反発局面では、50日移動平均線付近で頭打ちとなり反落した。
ここで、下落基調が継続するとする見方であれば、5/12-5/27高値をレジスタンスとしたラインが想定される。しかし、5/31の上昇ではこれを上回っており、下落基調継続の流れが否定されたとする見方ができる形状となっている。

③逆三尊の形成(ヘッドアンドショルダーズ)
現在の価格水準は、5/30につけた直近の安値を下回っておらず、この5/30安値もまた、5/23の安値を下回っていない。このことから、③の下値切り上げのサポートラインが想定される。
また、5/12以降の主要な高値、安値をみると、相場の底打ちを示唆する逆三尊(ヘッドアンドショルダーズ)を形成したとする見方もできるかもしれない。

上記3点であるが、5/30安値を下回った場合に再考が必要となる点には注意されたい。

次に、このまま5/30の安値を割らないまま反発した場合の今後の展開を考えてみよう。

・「バット」形成なら44.3万円まで売り控えの動きか

ETH/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールをもとに作成)

上図はハーモニックパターン(※)でETH/JPYを見た場合の展開であり、「バット」を描画している。
※ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析の一種。上図はコウモリが羽を広げた姿に似ていることから「バット」と呼ばれる。

「バット」の成立要件は、
①(B)は、(X)-(A)の0.382-0.500リトレースメント
②(C)は、(A)-(B)の0.382-0.886リトレースメント
③(D)は、(X)-(A)の 0.886エクステンションと(B)-(C)の1.618-2.618プロジェクション
④(D)がポイントになり、(B)-(C)の1.618-2.618プロジェクションで反転(反落)期待ゾーン

となり、現状でETH/JPYは概ね「バット」を満たしているようだ。

今後のETH/JPYが「バット」の動きとなるならば、上図に示したように、(D)を戻り売りポイントと捉えた市場参加者の戦略が考えられる。

その場合、(D)のポイントに向け、買いの動きの活発化と、売り手の減少が考えられ、ETH/JPYが上値を伸ばしやすくなることも想定されるだろう。上図の黄矢印のように443,007円を目指す展開を想定しやすいか。

・価格帯別出来高では35.6 – 40.0万円(3,250 – 3,650ドル)も鬼門

ETH/USD日足 価格帯別出来高(2021,2,1 – 2021.5.31)
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図、ETH/USD(本稿では1ドル=109.60円と仮定)の価格帯別出来高をみると、前述の「バット」よりも低い価格帯で反落する可能性も考えられそうだ。

上図で確認しておきたいのは、右部の棒グラフであり、2/1以降のETH/USDの終値に対応した出来高の累計を示している。

この出来高の薄い価格帯では値が進みやすく、厚い価格帯では値が進みにくい特性があるとされるが、(詳細はDaily Market Report 2021/05/27「反発後のBTC(ビットコイン)、500万円が次の鬼門か」参照)現状のETH/USDに対して当てはめると、3,200ドル(35.0万円)付近までは上昇方向に進みやすいが、3,250-3,650ドル(≒35.6 – 40.0万円)では戻り売りの圧力が相応にあり、値が進みにくくなる。

このため、「バット」形成の44.3万円(上図88.6%ライン)に乗せないまま失速する可能性も想定しておく必要はあるだろう。

(6/1午後8:00時点)

・銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

6/1の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.00%、中央値は-1.03%、標準偏差は2.70%となった。

最大上昇銘柄はXLM/JPY8.48%、最大下落銘柄はOMG/JPY-2.21%

最大上昇銘柄のXLM/JPYは、日本時間午後10時頃に米コインベース社が、暗号資産支払専用アプリである「Coinbase Card」のリリース報道を行い、その直後から暗号資産全面高となった。また、特にその恩恵を受けたXLM(ステラ・ルーメン)の上昇が目立った。

最大下落銘柄のOMGは反落し、ここ数日600~700円近辺での揉み合いが続いている。

・24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

6/1の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は9.19%、中央値は8.69%、標準偏差は2.63%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXLM/JPY15.55%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY5.76%となった。

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2021-06-02
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