BTC(ビットコイン)失速、アルトシーズン継続。5/19開始、OMG(オーエムジー)の未来は?

Daily Market Report 2021/05/13

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BTC(ビットコイン)失速。マネーはどこへ?

Bloombergより当社作成
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上図は2016年から2021年5月12日までのBTC(ビットコイン)の月別変動率を可視化したヒートマップである。

BTC(ビットコイン)は2021年4月14日に過去最高値である705万円まで上昇を続けたものの、米coinbase社の上場をピークに上昇の勢いは失速している。

BTCの月足は昨年10月以降、6か月連続で陽線となった後、4月には陰線をつけてから、上値の重い展開が続いている。

過去5年間の月別変動率をみると、5年間平均(5 Yr Avg)は4月に27.0%、5月には26.9%と、12月の27.3%に続き高いパフォーマンスを記録したことがわかる。

4月、5月は好調な月となる傾向があったものの、2021年の4月は-3.6%、5月は0.8%とBTC(ビットコイン)の足踏みが続いている。

暗号資産(仮想通貨)の投資資金が向かう先はどこにあるのか、今後の動きを把握するために騰落ランキングを確認したい。

驚異的な上昇率を誇った銘柄は?

当社取り扱い銘柄の上昇率比較
Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は2021年1月1日を起点とした当社取扱い銘柄の価格上昇率を比較したグラフである。

4月下旬から5月上旬にかけ、ETC(イーサクラシック)、QTUM(クアンタム)といった銘柄が急伸し、1,000%を超える上昇を記録している。

中でもETCは、年初の価格である560円から一時18,000円と30倍を超える驚異的な上昇率となり、当社取り扱い銘柄の上昇率1位となった。

上図は2021年5月12日時点の価格上昇ランキングであるが、ここからは下記のポイントが注目したい。

  • 当社取り扱い銘柄の全銘柄で、年初来プラス圏と好調な推移
  • 特に、ETC(イーサクラシック)、QTUM(クアンタム)が群を抜いて上昇
  • BTC (ビットコイン)の上昇率は96%にとどまり、順位はアルトコイン優勢

年初来比でマイナス圏に落ち込んだ銘柄はなく、BTC (ビットコイン)と比較しアルトコイン優勢の展開が継続していることは、「時価総額46兆円失った今こそ見たい暗号資産ランキング/ ETH(イーサリアム)が見せた小さな予兆を分析」で述べた時点と変わりがないように思われる。

暗号資産全体の時価総額におけるBTC(ビットコイン)の占有率を可視化するBTCドミナンスは、50%を割り込み2018年6月の水準に当たる43%まで低下している。ここからも、BTC(ビットコイン)への資金回帰が生じづらい状況であることがわかる。

また、別の指標からも、2021年の暗号資産市場はBTC(ビットコイン)に対してアルトコイン優勢の展開が続くばかりか、二極化が進んでいる可能性もある。

次に、この二極化の拡大について説明したい。

アルトシーズン継続!?新規上場のOMGは?

Bloombergより当社作成

上図は世界の暗号資産市場の90%をカバーした指標である「CMC200 Index」とビットコインを除いたアルトコイン中心の「CMC200EX Index」の2021年1月1日からの動向を比較したグラフだ。

4月23日にバイデン大統領の富裕層キャピタルゲイン課税をほぼ倍にする増税提案の報道を受けて(赤線)、BTC(ビットコイン)は48,000USDを割り込み、アルトコインも冷え込む展開となった。

バイデン大統領の発言を受けて以降マネーフローが変化したことが読み取れる。

4月23日以降の推移は、ビットコインを除いたアルトコイン中心のインデックス「CMC200EX Index」は急伸する一方で、「CMC200 Index」の伸び悩みが目立つ格好となっており、2021年のアルトコイン>ビットコインの関係性がより拡大してきていることが示唆される。

Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は2021年1月1日を起点とした当社取扱い銘柄のBTC(ビットコイン)と5月19日取り扱い開始となるOMG(オーエムジー)の価格上昇率を比較したグラフである。

2021年のアルトコイン>ビットコインの関係性が示す通り、BTC(ビットコイン)と比較しOMG(オーエムジー)のパフォーマンスが高いことが分かる。

OMG(オーエムジー)はイーサリアムを基盤として、低コスト・高速処理・安全を目指し開発されたネットワーク(OMG Network)の運用に使用される暗号資産である。送付遅延や送付手数料が高騰するスケーラビリティ問題の解決に取り組んだOMG Networkは、ステーブルコインやDEX(分散型取引所)、DeFi(分散型金融)など、様々な分野のプロジェクトで利用されている。

Coin Market Cap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は2017年7月16日を起点としたOMG(オーエムジー)の価格動向を示したグラフ(USD建)である。

OMG(オーエムジー)は現在最高値である25.6USDからコロナショック時に0.4USDまで価格を押し下げたものの、アルトコインシーズンの好地合いに支えられ、現状では、最高値から半値程戻した12.5USD台まで回復することとなった。

「半値戻しは全値戻し」という相場格言がある通り、今いる現在地点は重要局面であるといえる。

メインシナリオとしては、アルトシーズンが継続するという好地合いやDeFi(分散型金融)というテーマが選好され、バリュエーションがさらに高まることが想定される。

また、BTC、ETH、LTC、XLM、ETC、QTUM、BATといった銘柄が過去最高値を更新してきた相場であるため、暗号資産強気派が過去最高値まで上値を押し上げる可能性がある。

しかし、警戒するべき点はBTC(ビットコイン)ドミナンスが約3年前の水準である43%まで低下するほどに、アルトコインのバリュエーションが高まっている点である。(「XRP (リップル) 破竹の勢いに期待?BTCドミナンスの崩壊がもたらす未来参照

アルトコインの熱狂により、BTC(ビットコイン)からアルトコインへの資金移動を生み、現在のBTC(ビットコイン)価格を支える需要が失われることとなれば、バリュエーションの行き過ぎに調整がかかり、全ての暗号資産に下落余地があるという可能性も否定できないであろう。

その場合、OMG(オーエムジー)はコロナショックの底0.4USDから2021年高値の15.2USDの半値押しである7.8USDまでの調整が想定されるため、柔軟に対応できるよう、適切なポジション管理が重要であろう。

(5/13午前 0:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

5/12の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-3.10%、中央値は-2.92%、標準偏差は2.32%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPYの1.05%、最大下落銘柄はETC/JPY-8.26%

最大上昇銘柄のETH/JPYは、小幅に続伸し、6連騰となった。5/12は米国のインフレ加速を背景とした長期金利上昇への懸念から、ドル高・株安傾向となり、これに暗号資産市場は軟調な動きで応えた。これらの逃避資金が暗号資産の中でも時価総額・直近の方向感とも強い銘柄であるETHに集中したともいえるかもしれない。

なお、5/12にはETHの時価総額が5000億ドルの節目を突破している(5月12日 coindesk JAPAN)。

最大下落銘柄のETC/JPYは大幅に続落。市場参加者の選好がドルやETHに向かう中、朝方から一貫して下値模索の動きとなり、時間を追うごとに下げ幅を拡げた。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

5/12の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は13.47%、中央値は12.97%、標準偏差は3.64%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPY18.47%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY6.28%となった。

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2021-05-13
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