BTC (ビットコイン)怒涛の反発、迫るFOMC、米金利の相関に生じた変化とは?
Daily Market Report 2021/04/27
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・買いの好機?それとも戻り売りに押されるか
BTC/JPY 日足 Bid当社取引ツールより作成
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上図は、BTC/JPY日足チャートと12本の指数平滑移動平均線(EMA)、一目均衡表を表示し、価格のトレンドを視覚化したチャートである。
BTC/JPYは、2020年10月ぶりに青色の長期移動平均線を下回り、ローソク足も2020年10月以来に一目均衡表の雲を下抜けすることで弱気派優勢の展開となった。
直近高値付近となる705万円から直近安値となる500万円付近まで、200万円を超える下落となり、下落率は30%近くとなった。
30%以上の下落は、下落トレンドの開始と見た参加者から売り圧力が増し、更なる下落を期待する流れを想定しておく局面となったが、500万円の節目を守り切り、4月第4週の始めには、570万円まで急反発した。
BTC/JPYは直近2週間では、みられなかった力強い動きをみせることとなった。
投資家心理を当惑させる動きに、戸惑いを覚える投資家もいるかもしれないが、今回は2021年の相場に挑むために見るべき指標となるものを確認したい。
・2021年、BTCと米金利に生じた変化とは!?
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は2020年1月1日を起点としたBTC (ビットコイン)と米国債5年、10年、30年利回りを比較したグラフである。
BTC (ビットコイン)は2020年から続く金融緩和を経て、現在では、100兆円を超える時価総額を誇ることとなった。その原動力の一つには、金融緩和による貨幣価値の弊害であるインフレヘッジ資産として、投資家や企業層による買いがあるが、その動きは米国金利が上昇を始めた2021年から顕著になっている。
BTCはゴールドに似たインフレヘッジの役割を期待されてきたが、この関係性を保ってきた金融資産としての役割がさらに強くなった可能性がある。
具体的に相関関係から2020年と2021年の変化をみていきたい。
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は2020年の期間のBTC (ビットコイン)、BTC (ビットコイン)と相関関係が強いETH(イーサリアム)、米国債5年、10年、30年利回りの相関関係を図式化したものである。
-1から1の間で-1に近ければ負の相関関係、1に近ければ正の相関関係が強いことを示すが、2020年のBTC (ビットコイン)はETH(イーサリアム)と強い正の相関関係を保った値動きで推移したのに対して、米金利に対しては負の相関もしくは相関無しの関係で推移していたことが分かる。
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は2021年の期間のBTC (ビットコイン)、BTC (ビットコイン)と相関関係が強いETH(イーサリアム)、米国債5年、10年、30年利回りの相関関係を図式化したものである。
2020年と比べて、まるで異なる相関関係をみせていることが分かる。
BTC (ビットコイン)と相関関係が強いETH(イーサリアム)を超えてBTC (ビットコイン)と米金利が強い相関関係を保っており、2020年の相関関係が失われることとなった。
つまり、米金利が上昇(債券価格は下落)するとBTCは下落するという関係から、米金利の上昇とともに、BTCも上昇するという関係になっているということである。
このことを換言すれば、BTCのインフレヘッジ金融資産の性質が強まっていると言えるだろう。
したがって、今後のBTCの動きをうらなう上で、米国の金利動向と金利変動のパラメータ(インフレ状況、経済状況、株価状況)の把握がますます重要となってくると言えるだろう。
現在の相関関係を試すマーケットイベントとして、今週4/29にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。
今回は政策変更に変化がないという見方が圧倒的多数であることや、一旦金利上昇が一服しつつあるためマーケットに影響を与える可能性は低いとみられているが、コンセンサス通りにならないのはマーケットの常である。金利の動きがBTC (ビットコイン)にどう影響を与えるのか注目したい。
(4/27 午前 0:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
4/26の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は16.65%、中央値は15.18%、標準偏差は4.99%となった。
最大上昇銘柄はXRP/JPYの30.71%、最小上昇銘柄はLTC/JPYの12.32%。
4/26は、JPモルガンによるビットコインのアクテイブファンド提供の観測報道や(4月26日coindesk JAPAN)、前日の大幅安の反動もあり、当社取扱い銘柄は全面高となった。
最大上昇銘柄のXRP/JPYは、5日ぶりに反発し、4日間の下げ幅を埋めた。
好材料としては、XRP基軸の海外取引所の取引高増加の報告があるが(4月26日 CoinPost)、直近11日間中、10日間は陰線で、1日は小幅反発と、需給が一方的な売りに偏っていた可能性も考えられそうだ。
最小上昇銘柄のLTC/JPYには、特に悪材料は挙がっていないが、比較的堅調だったETHも同じく伸び悩んでいる点を踏まえると、他の時価総額の低いアルトコインに比べ上昇余地が乏しかったようだ。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
4/26の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値18.28%、中央値は16.62%、標準偏差は5.06%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPYで32.55%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はETH/JPYで13.80%となった。
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